卵とコレステロールの事

 昭和40年代に出版された「まちがい栄養学」という一般向け書籍に「卵の黄身にはコレステロ
ールが多いので食べ過ぎには注意するべき」と云った意味の記述がありました。
当時、老人に増え始めていた高血圧や成人病(当時の言い方、今の生活習慣症のこと)の原因と
してコレステロールを問題としたのです。(この本の著者は栄養学者です)

「卵の黄身」と「食べ過ぎに注意」がこの時点では明記されていました、これ重要です。

その後この記述の孫引きがあちこちで使われる過程で「卵の黄身」が「卵」に、「食べ過ぎ」が
「食べる」に変化して行きした。もちろん記者は学者では無いのですから孫引きしたのでしょう。

さて卵の黄身を使った食品と云えば・・・・何を思い出します?
黄身が主成分の食品といえば、「マヨネーズ」ですね、酢・油・黄身から作られるのです。
で、当時世の中に「イミテーションマヨネーズ」なる物が登場しまして、ええ卵の黄身を使わな
いマヨネーズです、売り文句を何にするか、美味いと書けなかったので「コレステロール零」を
標榜したのですな。事実ですからどこからも文句つきませんね。

問題は周りが騒いだのですな、卵にはコレステロールが多いってね。
そして「卵は一日一個まで」などと言う無根拠の話まで出てきました。

当然栄養学で飯を食っている連中から疑問が出る訳でして、「人体に必要で体内で合成されてい
る」コレステロールを食事で摂った場合どうなるのか?
実験すれば疑問は氷解、標準の食事に「卵の黄身だけ」加えた群と「黄身も白身も」加えた群と
「対照」群を使って比較したら・・・

卵の黄身だけ加えた群はコレステロール増加しました、
黄身も白身も加えた群は変わらないかやや低下しました。
  (女子栄養大学での研究による)

つまり卵を食べるとコレステロールが増えると云う話は**ライター達が捏造した話だったのです。
元の記述は「卵の黄身を食べ過ぎると・・・」だったのにね。


3時間半の話を5分に縮めました。
イミテーションマヨネーズと**ライター達の関係は面白いのですがそれは又別の機会に。


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