「栗田艦隊」どこまでやれた? : ひろき(01/2/21 17:27) Re:「栗田艦隊」どこまでやれた? : SADA(01/2/21 18:06) Re:「栗田艦隊」どこまでやれた? : tackow(01/2/25 00:26) Re[2]:「栗田艦隊」どこまでやれた? : FUL(01/2/26 17:31)
現在第二次大戦史(太平洋戦史含む)を学んでいるところなのですがその過程でさまざまな疑問が出てきてしまいます。そのうちの一つが栗田艦隊のレイテ湾突入です。過去の議論ボードにも話が出ているようですがどうしても知りたい事があります。(「あしか作戦」の方も引き続きご意見お願い致します)「栗田艦隊がレイテ湾に突入していれば」というのは火葬戦記だけでなく(まともな)戦史のなかでも結構語られていることです。栗田提督がもう少し勇気のある人物であればレイテの上陸軍は大損害を受けただろう、というわけです。しかしながら戦史を読めば読むほどそこまで楽観的にはなれないのです。実際ブルネイ出撃時こそ戦艦5隻、重巡11隻からなる大艦隊でしたがスプレイグ護送空母追撃戦が終了した時点では戦艦4隻(武蔵欠)、重巡2隻(利根、羽黒)、駆逐艦10隻以下という勢力にまで弱体化しておりしかも損傷艦も数多くいます。おまけにパラワン水道での潜水艦襲撃、シブヤン海での5次にわたる連続空襲、「難所」といわれたサンベルナルジノ海峡の夜間突破、そしてサマール沖での追激戦を経て乗組員達は満身創痍、疲労困憊、ベストコンディションにはほど遠い状態です。しかも出撃前砲術家の宇垣参謀長が確か「第一戦隊の砲戦技量寒心に堪えず」とか言っていたとも聞きます。実際サマール沖の砲戦でも日本艦隊は常々豪語していた「卓越した砲戦技量」を発揮したとは思えません。(砲術関係者はいろいろ言ってるようですが)このようなさまざまな悪条件を抱えた栗田艦隊が、オルデンドルフ艦隊(戦艦6、巡洋艦8、駆逐艦20以上)を壊滅させ(火葬戦記ではここで「大和」が圧倒的な強さを発揮するわけですが…)、その背後の輸送船団を撃滅し、そのまた先にあるレイテ上陸軍(マッカーサー含む?)に砲弾を浴びせるのは至難の業、というより不可能にも思えるのですが。せいぜいオルデンドルフ艦隊と一合戦やらかして第一次ソロモン海戦の三川艦隊のように反転離脱するというのが栗田艦隊の攻撃力の限界だったような気もするのですがどうでしょう?もっともそうなると史実よりも反転が遅れるため例の「世界は知らんと欲す」の電文を見て遮二無二南下してくるハルゼー艦隊にサンベルナルジノ海峡を抜ける前に捕捉され、オルデンドルフ艦隊との交戦によってさらに弱体化した(戦艦2、駆逐艦数隻とか)栗田艦隊はここで壊滅させられるだろうという気もします。(南下してスリガオ海峡を抜けるのはオルデンドルフ艦隊を撃滅しない限り不可能?)性格故か次々と悲惨なイメージばかり頭に浮んでしまうのですが(^^; これでも史実より戦果は大きく(オルデンドルフ艦隊も無傷で済むはずはないので)栗田中将も戦後悪し様に言われる事はなかったということでマシといえばマシといえるのかもしれませんが、日本側の人的損害は莫大になってしまいますね。今少し日本(栗田艦隊)側に好意的な見方、あるいは楽観的な戦況というのは有り得たのでしょうか? 皆様のご意見をお願い致します。例えば「オルデンドルフ艦隊の弾庫はスッカラカンで、栗田艦隊が来ても何も出来なかった、とか」(←こういう話も聞いたことがありますが、本当でしょうか?)
えーと、段落をもう少し考えてください。読みにくいです。 さて、同様の事は、「虚構戦記研究読本」という本で著者が述べています。オルデンドルフ艦隊はまだまだ弾を残していた、とも。 この本、探すなり発注するなりすれば容易に手に入るでしょうし、兵器・戦略編と、戦術・作戦編とに分かれ、切り口をごっちゃにしていないのが非常に読みやすいです。 私のお勧めということで。
SADAさんが挙げられている本は読んだことはないのですが、レイテ沖海戦については「連合艦隊 サイパン・レイテ海戦記」(時事通信社)が現在の所もっとも良く纏まっている資料だと思います。挙げられているオンテンドルフ艦隊の残弾数等も記載があるはずです。 ちなみに、この本の解説で秦郁彦氏は「レイテに突入しても大した戦果は挙げられなかったであろう」と述べられています。 まぁ、レイテ突入問題は是非はともかくとして、物理的に向かえ得たのか、合理性はどうだったのか?考えるとなかなか面白い題材ですね。 ところで、ハルゼイの機動部隊は随分長いこと洋上に滞在していましたから、補給や兵員の疲労など、こちらに負けずに大変だったと思いますよ。現に、帰投する栗田艦隊に対する攻撃はかなり手ぬるかったのではないですか?その意味ではオンテンドルフ艦隊もそうだったのでは無いでしょうか。
当日のサマール沖に展開する両軍の配置は日本 第一艦隊(戦艦3、重巡7)米国 TAFY1,2,3 オルデンドルフ隊(第7)このTAFY3相手だけに2時間も戦闘をした挙句米国護衛空母1のみ沈没。一方重巡4隻被害の状況ということは、第一艦隊の戦闘能力はTAFY3と同程度です。そしてTAFY1,2の攻撃圏内であり、更に戦艦部隊に迎撃されれば、突入前に全滅していたと思います。私が栗田長官なら、1.混乱を極めた陣形の建て直してみたら2.時間をかけた割には3.あまりにも低い戦果にくわえ4.TAFY3の少数の航空、駆逐艦攻撃で受けた 甚大な被害状況を考えると5.例え敵の配置戦力が不明でも、すぐに 先日の攻撃力を差し向けてくるはずで、6.すでに目的は達成できなくなった状況と判断するのでしょう。結果的に何万人という将兵を無駄に死なす事なくつれて帰ってきた栗田長官の冷静な判断は誉められこそすれ戦闘意欲不十分などとそしられるいわれはないと思います。