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SHI(01/2/20 12:11)
古い映画で恐縮ですが、マルチ言語戦争映画というと、『史上最大の作戦』ではないでしょうか。戦争映画なのに喋っているシーンが非常に多いこの映画では英、米、独、仏の人間はそれぞれの言葉で喋っています。米第82空挺師団のスティール一等兵が降下前に『ボンジュール マドモワゼル』とフランス語でナンパの練習をするシーンは続く凄惨な教会広場への降下シーンと対照的。米第一師団選抜のレンジャーによるオック岬の砲台攻撃でドイツ兵が手を上げて『Bitte Bitte』というのを一瞬で射殺して『Bitteって何だ?』というシーンがありますが、このパターンは、『ライアン二等兵の救出』のオマハ・ビーチにも使われています。また、この『ライアン二等兵の救出』もドイツ兵はドイツ語をしゃべり、蓄音機のエディット・ピアフはフランス語で歌い、アパム伍長は英、仏、独の三カ国を使い分けています。余談ですが、冒頭のノルマンディの米兵墓地のシーンでのライアン家の人々は服装からして典型的な『ヨーロッパにおけるアメリカ人観光客』として描かれています。スピルバーグは結構細かいのです。 マーケット・ガーデン作戦を描いた『遠すぎた橋』でも英語、米語、いろんな訛りのある英語、独語が使われています。この映画のショーン・コネリーは思いっきり故郷のスコットランド訛りを出しているそうです。(彼がイングランドのエリート階級出身であるジェームズ・ボンドを演じた時、ボンドがあんな訛りのある英語を話すわけがない、という批評があった)またこの映画では英語と米語の違いに関するギャグ(顔も知らない友軍に呼びかけるのに、Mr(姓)か、ファーストネームか。米将校が、英軍に呼びかけるときはPleaseをつけろよと部下に言うとか)も出てきました。 逆の設定では、題名忘れましたが、三船敏郎とリー・マービンが太平洋の孤島に漂着してやりあうという映画ではお互いに相手の英語、日本語は全く判らないという設定でしたが、帝国海軍将校が英語を片言も解さないという設定はおかしいという批評もありました
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