陸軍の一番よい時:日露戦争 : あるめ(01/2/3 12:16)
ちょっと酒入ってますが : ささき(01/2/3 18:03)
ご同様ちょっと酒入ってますが : あるめ(01/2/4 01:42)
Re:ご同様ちょっと酒入ってますが : FUL(01/2/6 00:47)
あ、これは負けるは、アメチャンとやったら : あるめ(01/2/6 12:25)
ifの中のヴェトナム戦争 : ささき(01/2/6 15:28)
それは恐ろしい事態 : あるめ(01/2/6 18:18)
そういえば : ノースバーグ(01/2/7 02:41)
ひょっとしたら・・・ : TETSU29(01/2/7 09:51)
Re:ひょっとしたら・・・ : あるめ(01/2/7 11:09)


4667 Root [4668]
陸軍の一番よい時:日露戦争
あるめ(01/2/3 12:16)

FULさま ささき様 Q&Aのスレッドが長くなったので、こちらでカキコするのをお許しください。
> 日本が変わったのは明治維新ですが、陸軍は日露戦争で能力をフルに発揮して、なんとか露西亜帝國の重圧を跳ね返しました。この時の軍部は、その後とはまるで別の人種みたいで、いくさの潮時を知っていて、これ以上やると却ってボロ負けになってしまうと情勢を分析し、なんとか講和に漕ぎ着け、名誉と國益を守ることができました。その手際には今更ながら感嘆するばかりです。時代が下がると、それができなくなったのは、困ったものです。私の個人的考えでは、負けを知らない坊っちゃん育ちの学校秀才主義(夜郎自大の傲慢、及び立身出世の官僚主義)が軍部にも蔓延した結果が、多くの犠牲を生んだのです。ちょうど学歴や偏差値で人を判断したり、喧嘩の仕方(矛を収める潮時)を知らない子供のようなものですね。それを抑える役目の重臣元老(維新生き残りの苦労人)が昭和にはいなくなり、二代目ホープの近衛さんなんかは暗殺が恐くて、その役目をにげてばかりいる、という無責任体制のままズルズル戦争が止まらなくなってしまったって、こういうの本当にあり?です。
同時に、庶民のほうも、お先棒担ぎが大勢居た様子で、今でも、そういう人は身の回りにいるけれど、いくら云っても性質は治らないので、日本という舟に乗り合わせたからには仕様がないと半ば諦めております。


4668 [4667] [4679]
ちょっと酒入ってますが
ささき(01/2/3 18:03)

ちょっと酒が入っちゃってますが、ご勘弁ください。

太平洋戦争あるいは大東亜戦争の惨劇について、よく「国民の意志を
無視した軍部の暴走が…」と語られます。しかし、本当にそうだった
のでしょうか。アメリカのブラックマンデーに端を発し、世界を
覆った大不況のなかで有効な解決策を見つけられない政治家を無能
呼ばわりし、海外への雄飛を高らかに歌い上げた軍人たちを積極的に
支持したのは他ならぬ国民だったのではないでしょうか。
朝鮮半島においても、あるいは満州においても、そこで実際に何が
行われているのか、現地の人が日本帝国を見る目がどんなものだった
のか、それは軍部によって報道規制され国民は真実を知り得なかった
と言われています。しかし、たとえ1%でも真実が垣間見えたと
しても、それは「見たくないもの」として意図的に眼を逸らしていた
のではないかと私は思うのです。

世界は恐慌、国内は不況、政治家は無能。だから飛躍のために海外に行く。
その汚れ役は軍人サン達がやってくれる。そこで何が行われてるのか詳しい
ことは知らないし知りたくもないが、結果オーライで自分の暮らしさえ
豊かになってくれればいい。

これは言い過ぎかも知れませんが、当時の日本国民、なかんずく資本家や
企業経営者たちにこういう傾向が無かったとは言い切れません。その下で
働く労働者達にとっても、雇用の機会が増え収入が増大するのは決して
好ましくない現象ではないと受け取られていたと思います。
(大正〜昭和にかけて社会主義思想に感化された労働者の社会運動と、
それに対する凄まじい弾圧のあったことは知っていますが、それとこれ
とは少々ベクトルが違うと思います)。

現代の日本社会でも、悪いことは何でも政治家のせいにされてしまいます。
しかし、政治家を選び彼らに国家の運営を任せているのは、他ならぬ国民
そのものではないのでしょうか。

政治や国家運営というのは非常に細かい判断と調査と決断の膨大なる集積の
うえに成り立っているものです。それは非常に辛気臭くて疲れる作業です。
例えばアメリカを見てください。たとえサラリーマンでも収入支出は自分で
管理し、税金の金額は自分で算出し申告して支払っています。それは非常に
面倒くさくて疲れる作業であり、日本のサラリーマンのように会社任せで
天引きしてくれた方が個人の負担はずっと楽になります。
しかしアメリカ人流に言わせれば、税金の計算を行う義務は「自分の資産を
自分で管理する権利」に伴うものなのです。もし企業あるいは国家が税金
計算の代行を強制するとなれば、彼らはそれを「個人の権利の侵害」と受け
取り法廷で国を相手に戦うことも辞さないでしょう。アメリカ流の民主主義と
いうものは、それ位厳しいものだと思います。

ひるがえって日本を見れば、決め事は何でも「お上」から下達され、国民は
それにハイハイと言って従っています。それはとても楽であり、システムが
上手く機能している限りは非常に効率的な方法でもあります。アメリカのよう
にクソしょうもない仔細事でいちいち訴訟を起こす必要もありません。
しかし、日本的政治システムの健全性は運用者の自己検証に大きく依存して
しまいます。運用者が正しいと信じて間違った道を突っ走れば、取り返しの
つかない悲劇を招きます。それはまさに、前大戦で我が国が歩んだ道では
ないかと思うのです。

日頃「お上の下達」に従うことに慣れてしまった国民には、システムとしての
国家が正常に機能しているかどうかを判断する力、もし間違っていると思った
場合にそれを阻止し得る社会的権利が不足しているのではないでしょうか。

アメリカ流の政治システムが健全で完璧なものであると言う気はさらさらない
のですが…。彼らのシステムを持ってしてもベトナム戦争は防げなかったの
ですし、現在のアメリカが麻薬の蔓延と凶悪犯罪の増加に悩まされている
こと自体、彼らの政治システムが完璧ではないことを物語っています。

しかし日本の政治システムに潜在的な危険性があり、それは前大戦の悲劇に
よって証明されたにも関わらず、そこから反省し改善する体勢が見られないのは
哀しいことです(運動はありました。特に反安保については相当なパワーで
国民レベルの反発が見られました。そのパワーが何処へ揮発してしまったのか、
岸田総理の言った「声なき声」とは何だったのか、それは検証されるべき議題
だと思います)。

なんかまとまりが無いですが、それは体内に入ったウォッカの仕業ですので
繰り返しますがご勘弁を。


4679 [4668] [4701]
ご同様ちょっと酒入ってますが
あるめ(01/2/4 01:42)

> しかし日本の政治システムに潜在的な危険性があり、それは前大戦の悲劇によって証明されたにも関わらず、そこから反省し改善する体勢が見られないのは哀しいことです

そうですね。私は、戦後という年月は、戦時中の統制経済体制が続いてきた時代と受け止めています。旧満州や軍需動員を実験場にして、官の主導・保護が或る程度成功した国民総動員体制を手直ししながら上手に使って、これを梃子に復興に全力を注ぎ、やっとこ経済大国になったのはよいけれど、なにか忘れてきてしまったものがあるような気がして、ことに昨今の経済敗戦などと叩かれている低迷ぶりを見ていると(というよりも、皆様と同様にその中に身を置いて暮らしているのではありますけれど)、ささき様の仰るように、指導部の責任云々というより先に、なんとなく日本国というものの業(ごう)を感じます。

> 結果オーライで自分の暮らしさえ豊かになってくれればいい。

と、ささき様が鋭くご指摘なされた状態は、戦前のことであるにもかかわらず、また現在のことでもあるように見えて仕様がないのは、私だけでしょうか。戦前と戦後は、終戦で途切れたのではなく、実はちゃんと繋がっているのでして、どうもそのあたりが、今まで大方の人々に冷静に受け止められていない、あるいは人々は故意に目を逸らしてきたようなフシがあって、学校の教科書なんか見ると、その辺のことが何も書いてなくて、私はなんとなくイヤーな気分がします。
 さて、私も呑み会の帰りで、ちょとぐねぐねなので、文意とおりにくいかと存じますが、どうかご容赦ください。ウオカは、ストリチナーヤですか? ズブロカと云うポーランドへんのが薬草入りで、おいしいです。


4701 [4679] [4706]
Re:ご同様ちょっと酒入ってますが
FUL(01/2/6 00:47)

酒ではなく風邪薬が入っていますが・・・
戦前も、戦後も、政府も民間も共通ですが、
1.国家(企業)戦略への邁進
2.国際環境の変化
3.対応力の欠如
4.敗戦・混乱
というサイクルを繰り返しているのが、我が国と
思います。これは国民性とかシステム的欠陥で
はなく、戦略力、国際感覚の欠如でしょう。
私が、仕事していても、どうも日本人というのは
1.じっくり、いくつものOPTIONを用意した戦略を
作り取り組むことが苦手
2.国際情報の把握が甘い
のでは無いかと思うことが多々あります。
歴史的にも
富国強兵→国内産業保護→経済危機→海外侵略→
敗戦→産業育成→国内産業保護→輸出促進→
円高→海外工場移転→逆輸入促進内需拡大→
バブル崩壊ときていて、あまりにも単純な、
その場しのぎな対応しかしていない印象を
受けます。
しかしながら、国家=民間=国民であった戦前と
戦後の違いは、全てが共倒れしなかったことで、
経済戦争敗戦は国家=企業であり、安穏と生きて
きた保護産業企業の敗戦であり、独自に
生き残っている企業、個人もいるということ
ではないでしょうか?
つまり、事前にいくつかのOPTIONを作った
戦略を立てて、国際環境の変化をしっかり
つかんで早急に対応できれば、危機は回避
できるのです。
その意味で、国民は何でも政府・経営者に責任を
押し付けるとの批判は、正しくなく国際情報量・戦略作成能力の欠ける政府は非難されるべきと
思います。
せっかくの教訓のつまった第二次大戦を
安易な言い換えや、目隠しをのけて真実知り、
問題点、優位点をいろんな角度から研究し、
これからに役立てることが、今なおさら
重要だと思います。その意味でもこのサイトは
貴重です。


4706 [4701] [4708]
あ、これは負けるは、アメチャンとやったら
あるめ(01/2/6 12:25)

FULさま > せっかくの教訓のつまった第二次大戦を安易な言い換えや、目隠しをのけて真実知り、問題点、優位点をいろんな角度から研究し、これからに役立てることが、今なおさら重要だと思います。その意味でもこのサイトは貴重です。

同感です。
それから、あまりにも目隠しが多すぎるのは、困りものです。日露戦争以降の陸軍は、負け戦の徹底的研究をしなくなってしまい、とうとう負けてしまったのは残念を通り越して、言葉がありません。
真珠湾の時にラジオで大本営発表を聞いて、「あ、これは、負けるは、あのアメチャンと戦争したら」と思った人が大勢いたようです。日頃からアメリカ文化に接していた人は、大抵そのようでしたが、それとは別に神州不滅と神懸かりになっちゃった人も、また大勢いたようで、このへんの単純な態勢順応さ加減が不思議です。
アメリカとやったら負けと思った人は、満州だけでやめときゃよかったのに、仏印進駐でやめときゃよかったのに、と今でも云い云いします。けれど、個人としては、どうしようもなかった、のだそうです。そのズルズルと戦線拡大していった過程と、個人として手も足も出なかった状態は、やはり國の失敗としてよく究明されなければいけないでしょう。
けれど満州領有・韓国台湾併合状態で、かろうじて国際社会に生き残ったとしても、その後はフランスのアルジェリア問題のように民族独立闘争対処に悩まされていたとも思います。


4708 [4706] [4709]
ifの中のヴェトナム戦争
ささき(01/2/6 15:28)

> けれど満州領有・韓国台湾併合状態で、かろうじて国際社会に生き残ったとしても、その後はフランスのアルジェリア問題のように民族独立闘争対処に悩まされていたとも思います。

あ、これは私が最近よく考えることです。
たとえ大日本帝国が「大東亜共栄圏」を成立させても、それは維持し得なかったのではないかと。
もし架空戦記にあるように日本帝国が調子のよい
対連合国戦勝を掴んでいても、その20年後には東南
アジアの紛争地帯に大量の兵器と人員を送り込み、
ボロボロに疲弊して敗れ去るという章があるべき
なのかも知れない、と。


4709 [4708] [4710]
それは恐ろしい事態
あるめ(01/2/6 18:18)

>その20年後には東南アジアの紛争地帯に大量の兵器と人員を送り込み、ボロボロに疲弊して敗れ去るという章

わ、それはタイヘンおそろしい事態ですね。英国が印度から撤退したような感じで、静かにいけるとよいですが。心配なのは、そういう架空戦記かく人は、いろいろ考える事が多くて、けれどエンターテインメントだから大団円にしなくてはいけないしで、きっとボロボロに疲弊するんではないかと。


4710 [4709] [4711]
そういえば
ノースバーグ(01/2/7 02:41)

 佐藤大輔氏の著作にありますね。こんな感じの台詞。
「我が日本が太平洋戦争で負けていなかったら、どうなっていただろう」
「今ごろ俺たちがベトナムで戦っていただろうよ」


4711 [4710] [4712]
ひょっとしたら・・・
TETSU29(01/2/7 09:51)

深く調査したわけでも考察したわけでもないんですが、国民党との和平に成功して中国の共産化を阻止できていたら、東南アジアの共産化はそもそも起こらなかったんじゃないかという気がします。


4712 [4711] なし
Re:ひょっとしたら・・・
あるめ(01/2/7 11:09)

支那事變(日中戦争)となる前に、もし日本が素早く停戦していたら中国内政には「うお・ぷくあんし(我不關係)」の不干渉で、国共内戦状態となるのを傍観することになるので、国府軍も共産党軍も有効な軍事援助を他国から取り付けたほうが優勢となるような気がします。たぶん中国大陸にある利権を守ろうとする諸国のうち、フィリピンを足場に太平洋・東南アジア勢力圏を意識するアメリカが援助に乗り出してくる可能性は大いにありそうです。ソ連はドイツとの関係次第で中国への態度が決まり、日本は満州防備のかたわら、義勇兵や大陸浪人が中国現地で暗躍、財閥は軍需商売で漁夫の利をむさぼる、と云うことになったかもしれませんね。けれども、ソ連との国境紛争が頻々と起こって、戦訓による関東軍の近代化(機械化)と増強と云う可能性もありです。独ソ開戦となれば、関東軍が待ってましたと独断シベリア侵攻、国内ではかろうじて軍部を統御してきた政府がクーデターで転覆され、と云うシナリオもありで、油断ならない状勢と思います。


FlasH BBS Pro v1.41 [Shigeto Nakazawa]