兵器の質はどの程度まで量に対抗できるのか? : P-kun(00/11/9 01:22)
Re:兵器の質はどの程度まで量に対抗できるのか? : tackow(00/11/9 08:51)
Re[2]:兵器の質はどの程度まで量に対抗できるのか? : P-kun(00/11/9 13:07)
Re:兵器の質はどの程度まで量に対抗できるのか? : こんにゃく男爵(00/11/9 14:01)
[投稿者削除] : P-kun(00/11/9 15:48)
数学上のおはなし : ひで(00/11/9 23:39)
ランチェスターの法則 : PT(00/11/10 13:32)
Re:ランチェスターの法則 : ひで(00/11/11 23:16)
Re[2]:ランチェスターの法則 : PT(00/11/13 12:22)
Re[3]:ランチェスターの法則 : ひで(00/11/14 04:22)
Re[4]:ランチェスターの法則 : PT(00/11/16 12:48)
Re[5]:ランチェスターの法則 : ひで(00/11/16 16:31)
「現実」と「モデル」は異なるものです : PT(00/11/17 22:35)
Re[4]:ランチェスターの法則 : isi(00/12/8 11:31)
Re[3]:ランチェスターの法則(続) : ひで(00/11/14 04:26)
[投稿者削除] : VVVVVVVVV(00/11/16 19:44)
[投稿者削除] : 毛主席万歳!(00/11/16 19:50)


4258 Root [4260] [4263] [4265] [4269] [4319] [4320]
兵器の質はどの程度まで量に対抗できるのか?
P-kun(00/11/9 01:22)

ふと考えたのですが、用兵側の立場として、
兵器の「質」というのはどのように考えられていたのでしょうか?
たとえば「1台のティーガーは5台のシャーマンに匹敵する」「3機のF4Fを獲て初めて零戦を圧倒できる」とアメリカは言っておりましたが、
そのドイツ側、日本側からの言葉はあまり聞きません。(ここでは実際の話は考慮に入れていません)
相手より質的に優れた兵器を持つ場合、用兵側としてその兵器を敵に対して配備するとき、
敵の数に対して最低限どの程度の数を配備したらよいのでしょう?
いろいろな場面、艦船、飛行機、戦車などのいろいろな立場で、
皆様のご意見を頂戴したいと思います。


4260 [4258] [4262]
Re:兵器の質はどの程度まで量に対抗できるのか?
tackow(00/11/9 08:51)

まず、兵器の「質」という概念が問題なのでは?と思います。
例えば、実戦経験が無い素人兵士が乗るタイガー戦車よりも、一騎当千の強者が乗るW号戦車の方が頼りになるかもしれない訳です。
その辺の兼ね合いもあるのでは、と思います。

練度が高く、装備の質も良好だとしても、敵に対する兵器の数というのは多いに越したことは無いのでは?
例えば、マリアナ沖や砂漠の嵐作戦での米軍司令官は結構ドキドキもんだったと思いますヨ、始まる前は(^^;

具体的な配備数で「量に対して質で対抗」した例は判りかねるのですが、戦前の主力艦比率は対米70%あれば大丈夫とか言われていたので(政治的な駆け引きもあったんでしょうけど)そうかな?とも思うし。大和型はまさに数的な劣勢を質で補おうと建造されたのでしょうけど、具体的に何隻対何隻という形で想定されていたのかは判りません。

あと、タイガー戦車とか零戦のエピソードって「こんなに苦労して勝ったんだよ〜」という宣伝的な要素もあるような・・・・


4262 [4260] なし
Re[2]:兵器の質はどの程度まで量に対抗できるのか?
P-kun(00/11/9 13:07)

> まず、兵器の「質」という概念が問題なのでは?と思います。
> 例えば、実戦経験が無い素人兵士が乗るタイガー戦車よりも、一騎当千の強者が乗るW号戦車の方が頼りになるかもしれない訳です。
> その辺の兼ね合いもあるのでは、と思います。
>
> 練度が高く、装備の質も良好だとしても、敵に対する兵器の数というのは多いに越したことは無いのでは?

ええ、それはそう思います。しかし、質的優勢であるが、あまり量が出しずらいとき、用兵側はどの程度の数で抑えれると考えればいいのか。たしかに状況によって違うと思いますが・・・。
たとえば、ノモンハンなんか、ソ連側の総攻撃直後でも「日本兵だから」とかよくわからん理由である程度の数的劣勢がわかっている(日本側の当時の情報で)のにもかかわらず総攻撃に踏み切ってますし・・・こういった判断はどうつけるのかなと思った次第です。
やっぱAnsQのほうがよかったかな?

> あと、タイガー戦車とか零戦のエピソードって「こんなに苦労して勝ったんだよ〜」という宣伝的な要素もあるような・・・・
あ、それは私もそう思います。(^^;


4263 [4258] なし
Re:兵器の質はどの程度まで量に対抗できるのか?
こんにゃく男爵(00/11/9 14:01)

> ふと考えたのですが、用兵側の立場として、
> 兵器の「質」というのはどのように考えられていたのでしょうか?

→「質」が兵器の性能(特性)を表すのか信頼性を表すのかちょっと不明ですが話を陸に限ってお話いたします。
 性能はお国の用兵思想によりかなり異なります。日本なら「予定されている戦場は海外で港湾設備が貧弱。歩兵の支援」なので97式戦車が製造されたのだろうしドイツなら「高速で敵を迂回し中枢部を攻撃」なので3号、4号戦車が製造されたのでしょう。戦車の質はその時のテクノロジーレベル、お国の事情により決定されてしまいます。
 用兵側(この場合は現場指揮官)としてはその国の用兵思想に従い戦うだけです。 その結果が今日我々の知るところ・・・

> 相手より質的に優れた兵器を持つ場合、用兵側としてその兵器を敵に対して配備するとき、
> 敵の数に対して最低限どの程度の数を配備したらよいのでしょう?

→少なくとも敵の倍は欲しいと考えるでしょう。ね。T34も独ソ戦当初は結構撃破されてます。なぜか?兵員が未熟というのもあるけれど配備数が少ないからです。
 M4がタイガーと5:1で戦ったのは数を頼んで戦ったわけではなくチームプレイで戦う思想があったからです。5:1で互角であるというのではなく5:1で戦うように仕向けたと考えてはいかがでしょう?(また、アメリカ軍では戦車は突破兵器、戦車戦は自走砲や対戦車砲の仕事と割り切っていた。)
 ドイツのグーデリアン将軍は信頼性に問題あるパンター配備に反対し4号の生産を続行するように求めています。
 
 用兵側にとっては少々の質など問題ではなく作戦に必要な兵力を確保できるかできないかにかかってます。例えば4号戦車1個中隊とタイガー1個小隊では取れる作戦に差がでます。


 


4265 [4258] なし
[投稿者削除]
P-kun(00/11/9 15:48)

投稿者によって削除されました。(00/11/9 15:48)


4269 [4258] [4270]
数学上のおはなし
ひで(00/11/9 23:39)

集団と集団の戦いを数学モデルとしてあらわしたランチェスターの二次法則というのがあります。簡単に解説すると

ある瞬間において
・X軍の損害はY軍の数に比例する。
・Y軍の損害はX軍の数に比例する。

という仮定で微分方程式を立てて「エイ!ヤッ!」と解くと

  X0^2 - X^2 = E(Y0^2 - Y^2)

   X,Y  各軍の数をあらわす変数
   X0,Y0 各軍の最初の数をあらわす定数
   E   交換比をあらわす定数(1個の兵力がある瞬間に敵に与える損害の比)

で、結論としては兵力が半分なら4倍の強さが、兵力が3分の1なら9倍の強さがあって互角の戦いになります。百発百中の砲1門は百発一中の砲10門に値します。
しかしながら「百発百中の砲1門が百発一中の砲100門に値する」可能性が無いわけではありません。相手兵力を分断し各個撃破すればいいのです。

参考文献 大村平著「戦略ゲームのはなし」日科技連


4270 [4269] [4286]
ランチェスターの法則
PT(00/11/10 13:32)

ランチェスターの法則は一対一モデル(第一法則)と多対多モデル(第ニ法則)があって、
俗に二次法則とか二乗則といわれているものは多対多モデルのことを言います。
で、この使い分けというのは
弓矢や刀など同時に複数の敵を攻撃できない武器の場合・・・一対一モデル
火砲や機関銃など同時に複数の敵を攻撃できる武器の場合・・・多対多モデル
のようにされます。
なお、最初の仮定として「双方の兵器の質や兵士の技量は同等とみなす」ことが重要です。
総兵力が少なくなるほど個人の技量や兵器の質が結果を左右しやすくなるので、
可能な限り大きな兵力に適用することで、誤差も小さくなり、それなりの結果が得られます。

しかし、現代戦においては戦車戦はどちらかというと一対一モデルに近いですし、
空対空、艦対艦のミサイル戦も一対一で考えたほうがしっくりきます。
その一方で多対多モデルで扱わなければいけない点もたくさんあるので、
単純にどちらか一方でモデル化することができなくなってきています。

ランチェスターの法則はあくまで質や技量が同等であり、単純に数だけで解決できるような
ケースを仮定しています。
唯一の例外が武器効率(これの双方の比率が交換比)ですが、これは
弓矢や刀であれば単位時間内に一人が何回攻撃できるか?
火砲であれば単位時間内に何発撃てるか、一発当たりの破壊力はどうか?
などによって決定しますが、攻撃が命中するかどうかは関係ありません。(それは確率の問題だから)
従って、このパラメータが意味を持つほどの数値になるのは双方の装備や兵士の質にかなりの差が
なくてはなりません。
最強の兵士が最弱の兵士の撃った流れ弾に当たって死ぬこともあるのだから、マクロな視点で見ると
個々の兵器の質とか個人の技量なんてものは数の中に埋もれてしまうというのが、ランチェスターの
法則の真髄であると言えましょう。


4286 [4270] [4290]
Re:ランチェスターの法則
ひで(00/11/11 23:16)

失礼は承知で申し上げますが

> 弓矢や刀など同時に複数の敵を攻撃できない武器の場合・・・一対一モデル
> 火砲や機関銃など同時に複数の敵を攻撃できる武器の場合・・・多対多モデル

武器の種類は一切関係ありません。


> なお、最初の仮定として「双方の兵器の質や兵士の技量は同等とみなす」ことが重要です。

各々の兵力で装備や技量にばらつきがあるのは困りますが
適味方間で違いがあるぶんにはかまいません。戦車+歩兵の混成軍は不可ですが戦車対歩兵は可です。


> しかし、現代戦においては戦車戦はどちらかというと一対一モデルに近いですし、
> 空対空、艦対艦のミサイル戦も一対一で考えたほうがしっくりきます。

これは全く見当違いです。


> 唯一の例外が武器効率(これの双方の比率が交換比)ですが、これは
> 弓矢や刀であれば単位時間内に一人が何回攻撃できるか?
> 火砲であれば単位時間内に何発撃てるか、一発当たりの破壊力はどうか?
> などによって決定しますが、攻撃が命中するかどうかは関係ありません。(それは確率の問題だから)

交換比は単なる比例定数であってそれ以上の意味はありません。

PTさんの主張は何か根本的なところで勘違いるようです。

以上批判めいたことを述べさせていただきましたが、ご返答をお待ちしております。


4290 [4286] [4298] [4299]
Re[2]:ランチェスターの法則
PT(00/11/13 12:22)

私もランチェスターの著作を直接読んだわけではないので、解釈の仕方には間違いがあるかも
しれませんが、ひでさんはランチェスターの法則をどこまでご存知なのでしょうか?
それが把握できないとまともな議論にはなりませんので、とりあえずは以下のサイトをご覧に
なることをお勧めします。
http://www.bekkoame.ne.jp/~bandaru/deta02p1.htm

>> 弓矢や刀など同時に複数の敵を攻撃できない武器の場合・・・一対一モデル
>> 火砲や機関銃など同時に複数の敵を攻撃できる武器の場合・・・多対多モデル
>
> 武器の種類は一切関係ありません。

では、第一法則(一対一モデル)と第二法則(多対多モデル)の差は何によって生じるのでしょう?

>> なお、最初の仮定として「双方の兵器の質や兵士の技量は同等とみなす」ことが重要です。
>
> 各々の兵力で装備や技量にばらつきがあるのは困りますが
> 適味方間で違いがあるぶんにはかまいません。戦車+歩兵の混成軍は不可ですが戦車対歩兵は可です。

そもそもランチェスターの法則はそういったミクロな戦闘に適用するものではないんですけれども
なぜ戦車+歩兵の混成軍は不可で戦車対歩兵は可なのでしょうか?
攻撃目標を戦車にするか歩兵にするかが確定できないので条件によって結果が変わりますから
モデル化には至りませんが、計算そのものは不可能ではありません。

>> しかし、現代戦においては戦車戦はどちらかというと一対一モデルに近いですし、
>> 空対空、艦対艦のミサイル戦も一対一で考えたほうがしっくりきます。
>
> これは全く見当違いです。

どの辺りが見当違いなのか詳しく説明してもらえないでしょうか?

>> 唯一の例外が武器効率(これの双方の比率が交換比)ですが、これは
>> 弓矢や刀であれば単位時間内に一人が何回攻撃できるか?
>> 火砲であれば単位時間内に何発撃てるか、一発当たりの破壊力はどうか?
>> などによって決定しますが、攻撃が命中するかどうかは関係ありません。(それは確率の問題だから)
>
> 交換比は単なる比例定数であってそれ以上の意味はありません。

意味のない単なる比例定数などというものが数式中に出てくるものでしょうか?
交換比にもきちんとした意味はあります。
ひでさん自身も「1個の兵力がある瞬間に敵に与える損害の比」と書いてますよね?


4298 [4290] [4312] [4418]
Re[3]:ランチェスターの法則
ひで(00/11/14 04:22)

> 私もランチェスターの著作を直接読んだわけではないので、解釈の仕方には間違いがあるかも
> しれませんが、ひでさんはランチェスターの法則をどこまでご存知なのでしょうか?

心配ご無用。微分方程式さえ知っていればそれで十分です。

ご紹介いただいたホームページの式をそのまま利用させていただきましょう。

<一次法則>
(dm/dt)=−a
(dn/dt)=−b

<二次法則>
(dm/dt)=−an
(dn/dt)=−bm

m、n  : 兵力数をあらわす変数
t    : 時間をあらわす変数
a、b  : 定数

一次と二次で何が違うかといえば微分方程式の右辺が違います。

まず一次では右辺が定数になっています。すなわち単位時間あたりに受ける損害は両軍の兵力とはまったく独立で変化しないということです。1対1でも100対1でも100万対100万でも単位時間あたりの損害が一定ということです。ここでよく考えてください。戦闘の規模が100万倍になっても損害の規模が変化しない・・・などということがあると思いますか?

次に二次では右辺は敵軍の数という変数が入っています。この式では単位時間あたりの損害は敵の数に比例するといっているのです。兵力が2倍になれば敵を撃破する能力も2倍になるということです。

以上で全てです。ランチェスターの一次および二次の法則はこれ以上の仮定をしていません。この法則はその他の要素を全く無視した数学モデルです。
もしも「これでは不十分だ。他の要素も加味するべきだ」と考えるなら別の数学モデルを作り、それを加味した方程式を作らなければなりません。

少し具体的な検討をすると一次法則は「勝ち抜き戦」のようなケースに適合します。変数tを消去するので「一対一」なら適用できます。しかし武器の種類を限定しているわけではありません。ここで「一対一」というのは「一人の相手に複数で襲いかかってはいけません」「あまった人は決着がつくまで何もしないでください」ということです。




4312 [4298] [4316]
Re[4]:ランチェスターの法則
PT(00/11/16 12:48)

> まず一次では右辺が定数になっています。すなわち単位時間あたりに受ける損害は両軍の兵力とはまったく独立で変化しないということです。1対1でも100対1でも100万対100万でも単位時間あたりの損害が一定ということです。ここでよく考えてください。戦闘の規模が100万倍になっても損害の規模が変化しない・・・などということがあると思いますか?

いえいえ、この定数はいかなる戦闘でも常に一定という意味の定数ではありません。
ある戦闘における単位時間当たりの損害が戦闘開始から戦闘終了まで一定(時間に依存しない)というだけです。
戦闘の規模や彼我の戦力比によってa、bの値は変化します。

> 次に二次では右辺は敵軍の数という変数が入っています。この式では単位時間あたりの損害は敵の数に比例するといっているのです。兵力が2倍になれば敵を撃破する能力も2倍になるということです。

ちなみにこちらのa、bの値は戦闘開始から戦闘終了までの間、逐次変化します。

> 少し具体的な検討をすると一次法則は「勝ち抜き戦」のようなケースに適合します。変数tを消去するので「一対一」なら適用できます。しかし武器の種類を限定しているわけではありません。ここで「一対一」というのは「一人の相手に複数で襲いかかってはいけません」「あまった人は決着がつくまで何もしないでください」ということです。

「一人の相手に複数で襲いかかってはいけません」「あまった人は決着がつくまで何もしないでください」
その通りです。
第一法則は双方の軍が互いに一列に並んで向かい合い、自分の正面の相手にしか攻撃できないというようなモデルです。
それに対して第二法則は
「一人の相手に複数で襲いかかることができます」「あまった人も戦闘に参加できます」
双方の軍が互いに一列に並んで向かい合うのは一緒ですが、攻撃する相手は自由に選択できるというようなモデルです。
故に攻撃範囲の広い銃砲はこの法則に従います。
攻撃する相手が自由に選択できるという点がポイントで、誰が誰を攻撃するのかは確率の問題です。
故に「確率戦闘の法則」とも言われます。
従って、自分の周囲の相手しか攻撃できない刀剣や槍の戦闘には第二法則が適用できないのです。


4316 [4312] [4324]
Re[5]:ランチェスターの法則
ひで(00/11/16 16:31)

> ある戦闘における単位時間当たりの損害が戦闘開始から戦闘終了まで一定(時間に依存しない)というだけです。
> 戦闘の規模や彼我の戦力比によってa、bの値は変化します。

何を言わんとしているのかもうちょっと整理していただけますか?
一方でa、bは時間に依存しないと言っておきながら、もう一方で戦闘の規模や彼我の戦力比に依存するというのははっきり矛盾しています。双方の兵力も戦力比も時々刻々変化する変数ですよ。



> 第一法則は双方の軍が互いに一列に並んで向かい合い、自分の正面の相手にしか攻撃できないというようなモデルです。
> それに対して第二法則は
> 「一人の相手に複数で襲いかかることができます」「あまった人も戦闘に参加できます」
> 双方の軍が互いに一列に並んで向かい合うのは一緒ですが、攻撃する相手は自由に選択できるというようなモデルです。

やけに「一列に並ぶ」という事にこだわってるようですが、一体「一列に並ぶ」というのはどういう意味ですか?まさか本当に一列に並んで一歩も動けないなどと考えてるんじゃないでしょうねぇ。この点がとっても心配です。



> 従って、自分の周囲の相手しか攻撃できない刀剣や槍の戦闘には第二法則が適用できないのです。

刀を使っても一人の相手に前後左右から複数で同時に「エイヤッ!」と襲いかかれるでしょう。


4324 [4316] なし
「現実」と「モデル」は異なるものです
PT(00/11/17 22:35)

X0 - X = E(Y0 - Y)
X0^2 - X^2 = E(Y0^2 - Y^2)
これらの式に出てくるのは E を除けばあとは”戦力=兵士の数”のみです。
つまり双方の兵士数以外で戦闘結果を左右するような様々な要素を全てまとめて E だと言っているのと一緒です。
その様々な要素を双方に対して平等に設定すると E=1 になります。こうすると E を考慮する必要がなくなります。
すると双方の初期戦力だけで戦闘結果が決まるという非常に簡単なモデルができあがります。
私はこのモデルを基にして話をしています。

> 何を言わんとしているのかもうちょっと整理していただけますか?
> 一方でa、bは時間に依存しないと言っておきながら、もう一方で戦闘の規模や彼我の戦力比に依存するというのははっきり矛盾しています。双方の兵力も戦力比も時々刻々変化する変数ですよ。

これは訂正します。戦闘の規模や彼我の戦力比と全くの無関係ではありませんが、依存するというほどのものでもありません。
第一法則では一定の時間(dt)毎に一定の兵数が双方から減っていく。
つまり最初の一定時間(dt)が過ぎたときに一方は※人、もう一方は*人減少し、次の一定時間が過ぎるとまたそれぞれ同じだけ減少する。
※や*がいくつになるのかはケースバイケース(これを前回は戦闘の規模とか彼我の戦力比と書きましたが考えてみると単純なモデルではそのような要素とは無縁ですね)です。
ある戦闘で最初にそれぞれの値を決めたら(確定したら)それは戦闘終了までずっとそのままだということです。
これなら理解できるでしょうか?

> やけに「一列に並ぶ」という事にこだわってるようですが、一体「一列に並ぶ」というのはどういう意味ですか?まさか本当に一列に並んで一歩も動けないなどと考えてるんじゃないでしょうねぇ。この点がとっても心配です。

「互いに向かい合って一列に並ぶ」というモデルが私にとって一番理解しやすいというだけのことです。
「お互い向き合って一列に並んで戦闘開始の合図と同時に一斉に刀を振り下ろす」なんて戦闘はモデル上だけでの話であって、実際に行われるとは思っていませんよ。

> 刀を使っても一人の相手に前後左右から複数で同時に「エイヤッ!」と襲いかかれるでしょう。

これは実際にできるかどうかではなく、法則に当てはめることができるかどうかが問題なのです。
前後左右から複数で同時に襲いかかるということは一方的に相手を包囲したということですよね。
これは戦術的に圧倒的に有利な状況ですが、戦術的要素を考えるのはこの時点で行うべきことではありません。


4418 [4298] なし
Re[4]:ランチェスターの法則
isi(00/12/8 11:31)

泥臭い説明になりますが,現実とモデルを結びつけてみると

>> 弓矢や刀など同時に複数の敵を攻撃できない武器の場合・・・一対一モデル
>> 火砲や機関銃など同時に複数の敵を攻撃できる武器の場合・・・多対多モデル
>武器の種類は一切関係ありません。

●1対1モデルは「頭越し攻撃できない武器」の場合(具体的には刀剣類)

●多対多モデルは「頭越し攻撃できる武器」 の場合(“曲射弾道を描く”弓・銃砲類)
  
に対応します。

戦闘のイメージとして,「北軍(初期数m)」と「南軍(n)」が東西へ延びた戦線を挟んで対峙しています。戦線の長さ(部隊の展開幅)は両軍とも同じです。戦闘でユニットが消耗すると,後方のユニットが前方へ移ります(戦線の東西幅は一定か,少なくとも双方に共通)。部隊の形は戦線を挟んで長方形,というのが暗黙の了解でしょうか。

1次・2次法則とも

 自軍の減少速度(dm/dt,dn/dt) = 敵軍の攻撃力

であることは同じです。しかし攻撃力が軍の「総数に比例するか否か」が武器の性質により異なります。

●1対1
刀剣では前方の兵の頭越しに攻撃ができず,戦闘に参加できるのは最前面の兵だけです(南北に切った断面で考えれば縦1列に並んでいます)。
後方の兵は前方の兵が倒れるまで参加できず,攻撃力になりません。戦線の幅が彼我で同じ以上,最前列では“1対1の戦闘”に相当し,攻撃力はユニットの平均攻撃力に比例します。

  攻撃力 = 各ユニットの平均攻撃力 × 最前面にいるユニット数(戦線幅) (式1)

ですが,「戦線幅が一定」なので攻撃力も時間によらず一定のままです。したがって

  自軍の減少速度 = 敵軍の攻撃力

は戦闘の進行(=ユニットの減少)に拘わらず一定です(どちらかの最後列が倒れたとき戦闘は終了します)。これが1次法則で表されています。

> <一次法則>
> (dm/dt)=−a
> (dn/dt)=−b

この式のaは南軍の攻撃力,bは北軍の攻撃力に当たる定数です。各ユニットの平均戦闘力に比例しますが,最前面にいるユニット数(=戦線幅)にも比例する点(式1)が混乱しやすいですね。現実には数が増えれば戦線を横に延ばして攻撃参加数を増やすので,それによりa,bの値が大きくなるでしょう。これがPTさんのおっしゃる

> 戦闘の規模や彼我の戦力比によってa、bの値は変化します。

という意味ですね。

「戦線幅が一定で頭越し攻撃不可」という条件では

> 戦闘の規模が100万倍になっても損害の規模が変化しない

ということになります(部隊が後ろに延びるだけ)。狭い街道での歩兵部隊の衝突などがこれに当たるでしょう。「頭越し攻撃できない」という武器の特性が

>「一人の相手に複数で襲いかかってはいけません」
>「あまった人は決着がつくまで何もしないでください」

という制約条件と同じ効果を持つわけですね。というより,武器の特性からこうした制約条件(兵士にしてみれば守りたくはない)が生じるわけです。

●多対多
頭越し攻撃できる武器の場合,後方の戦力も相手を攻撃できます(全ユニットが攻撃)。したがって

  攻撃力 = ユニットの平均攻撃力 × 全ユニット数
      = 相手の減少速度

となり,戦闘の進行につれユニット数が減少するため時間に依存した関数となります。

> <二次法則>
> (dm/dt)=−an
> (dn/dt)=−bm

上の式で,m,nは時間に依存する変数ですが,a,bは1ユニットの平均攻撃力なので基本的に一定です(疲労などを考慮すれば変化するでしょうが)。よって1対1のモデルとは意味が少し違います。

このモデルは歩兵部隊より,艦砲射撃する戦艦同士の戦闘の方が適切かも知れません。また2次法則(を適用すべき戦闘)では遠距離攻撃ができるので戦線を挟んで対峙する必要も,敵の最前列のみを攻撃する必要もありません(“多対多”の戦闘)。


4299 [4290] なし
Re[3]:ランチェスターの法則(続)
ひで(00/11/14 04:26)

ブラウザの調子が悪いのか、うまくアップできないので分割します(^^;


> なぜ戦車+歩兵の混成軍は不可で戦車対歩兵は可なのでしょうか?
> 攻撃目標を戦車にするか歩兵にするかが確定できないので条件によって結果が変わりますから
> モデル化には至りませんが、計算そのものは不可能ではありません。

これは数学モデルと現実の世界を対応付けるために必要なのです。
混成軍が不可というのは一方の兵力を一つの変数であらわすためです。100台の戦車と100人の歩兵は等価とは考えにくいので、一つの変数であらわすべきではありません。しかし敵と味方では別々の変数を使いますので、異種対決は可能だということです。


> 意味のない単なる比例定数などというものが数式中に出てくるものでしょうか?
> 交換比にもきちんとした意味はあります。
> ひでさん自身も「1個の兵力がある瞬間に敵に与える損害の比」と書いてますよね?

これは私が乱暴かつ、不適切な表現をしてしまいました。おわびします。
「1個の兵力がある瞬間に敵に与える損害の比」はいいとしても「意味がない」は乱暴ですね。もう少し表現を工夫するならば「事前に計算することが困難」というところです。

以上、不明な点があるようでしたらご指摘ください。


4319 [4258] なし
[投稿者削除]
VVVVVVVVV(00/11/16 19:44)

投稿者によって削除されました。(00/11/16 19:44)


4320 [4258] なし
[投稿者削除]
毛主席万歳!(00/11/16 19:50)

投稿者によって削除されました。(00/11/16 19:50)


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