BUN(00/9/5 03:37)
書いた本人だから、責任があるかな、と思い発言します。 「職人」が賎称であるのは、中世まで遡れることで、網野義彦の著作等が参考になることでしょう(武士も職人の中に位置付けられ、賎視されていた、との説がありますね)。現代でも「彼は芸術家ではない、職人だ」とのもの言いも成り立ちますから、職人という言葉のステイタスがどの辺りにあるか、想像かつくと思います。 ただ、最近は徒弟制度自体が滅んでしまったので、職人という言葉がその根ざす実態を失ってしまい、曖昧な使われ方をしていることがトラブルの元なのでしょう。高度な技能に熟達した人達を職人と呼ぶ気持ちはわかりますが、例えば、小規模な機械系商社はつい最近まで、親方(所長)と職人(サービスエンジニア)と売り子(セールスマン)で成り立っていたように、蔑みと尊敬の両方で使われる言葉なのです。 賎称は尊称でもあり得るというのは歴史的にも例の多いことなのですが、それ故に使い方が難しいということでもあります。 私はみんな、エンジニアでいいんじゃないか、といい加減に考えますが、実際の勤務者の気持ちとしては、旋盤工は旋盤工として、高い技能に誇りを持っていますのでそれもまた色々と意見があることでしょう。ただ、現在の工場労働者は絶対に職人では無いのですから、それを職人呼ばわりするのはある意味勝手な物言いであることも事実です。TQCに参加させておいて、職人呼ばわりは反則なのです。 ですから世界を広く見回した場合、定着している、との考え方は事実認識として間違っています。全然定着した言葉などではありません。技能員の方が幾分かはましな呼称でしょう。
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