WWIIにおける新米パイロットにとって一番良いと思われる機体は? : ATsu(99/8/10 04:34)

P38なんかはどうでしょうか? : Alphabeta(99/8/12 18:52)

P38の利点と弱点 : ささき(99/8/15 07:38)

re:P38なんかはどうでしょうか? : SADA(99/8/12 20:00)

re:P38なんかはどうでしょうか? : SADA(99/8/12 20:00)

新米パイロットにとって一番良いと思われる機体は : ”&”(99/8/11 12:26)

MSFCSで4式 : SADA(99/8/11 16:56)

re:1944以降の日本なら4式 : dg(99/8/23 10:45)

re:MSCFSで4式 : とわ(99/8/18 00:22)

追記:末期は2式が日本最速の単発戦闘機だった可能性が高い。 : SADA(99/8/11 18:09)

re:追記:疾風の公式性能値は謎 : 佐藤利行(99/8/14 15:48)

ガッカリしちゃ駄目だ。 : BUN(99/8/15 10:55)

勇気づけられました。 : SADA(99/8/16 15:43)

ところどころで出てくるMSCFS疾風の作者ですが〜 : とわ(99/8/18 00:45)

つづき : とわ(99/8/18 11:57)

re:ありゃ、出所はモデルアートでしたか^^; : 佐藤利行(99/8/19 22:03)

モデラーはあまりり多くないのにモデルアートは人気だねえ。 : BUN(99/8/21 00:16)

re:手に入りやすいんですよ>モデルアート : とわ(99/8/21 22:22)

re:碇氏の記述はエンジン形式が変・・ : 佐藤利行(99/8/17 14:29)

re:碇氏の記述・・・原資料を探る : dg(99/8/23 11:19)

疾風が化けて出るぞ。 : BUN(99/8/17 15:13)

re:「丸メカ」が687kmだったので・・・^^; : 佐藤利行(99/8/17 20:53)

・・・疾風も、好きだ。 : BUN(99/8/17 22:31)

re:追記:末期は2式が日本最速の単発戦闘機だった可能性が高い。 : SUDO(99/8/12 23:23)

Me262はどうだったのだろう? : アリエフ(99/8/11 00:53)

上空援護がしっかりしてれば・・・。 : SADA(99/8/11 11:13)

Me262 についていろいろ : ささき(99/8/11 08:32)

訂正 : ささき(99/8/11 08:41)

Me262なら… : Yama(99/8/11 06:34)

モスキート(爆) : SADA(99/8/10 11:52)

あえて、五式戦 : yari(99/8/10 10:42)

re:あえて、五式戦 : SADA(99/8/10 11:24)

re:不本意ながらドッグファイトに : dg(99/8/23 11:37)

re:あえて、五式戦 : yari(99/8/10 13:32)

編隊も組めない腕で空戦できるかなぁ? : SADA(99/8/10 15:11)

re:編隊も組めない腕で空戦できるかなぁ? : yari(99/8/10 16:17)

re:編隊も組めない腕で空戦できるかなぁ? : SADA(99/8/10 17:38)

日本の航空部隊に本格的な編隊空戦ができたのでしょうか : yari(99/8/11 01:30)

re:日本の航空部隊に本格的な編隊空戦ができたのでしょうか : SADA(99/8/11 10:29)

re:実力で勝る敵を倒すには : dg(99/8/11 11:58)

日本機では追撃が難しい : SADA(99/8/11 12:52)

私が5式を信頼しない訳・・・枯れてない(^^;; : SADA(99/8/10 17:06)

二式よりは五式 : ささき(99/8/10 15:38)

五式よりは二式 : SADA(99/8/11 14:39)

使い方の問題かも : ささき(99/8/15 04:16)

re:使い方の問題かも : SUDO(99/8/17 02:17)

re:使い方の問題かも : ささき(99/8/17 05:52)

初心者に巴ができるかどうか、という原点に行き着く : SADA(99/8/17 11:07)

re:初心者に巴ができるかどうか、という原点に行き着く : yari(99/8/17 16:13)

五式伝説を打ち破れ? : SADA(99/8/17 18:01)

re:五式伝説を打ち破れ? : 丈夫(99/8/17 19:45)

数量の問題でもなさそう。 : SADA(99/8/18 09:48)

re:数量の問題でもなさそう。 : 丈夫(99/8/18 15:50)

re:数量の問題でもなさそう。 : SADA(99/8/18 16:39)

re:五式よりは二式 : W・アデマイド(99/8/12 00:54)

5式駄作疑惑。 : SADA(99/8/12 19:49)

5式の機体より陸軍が……… : FIX(99/8/12 23:44)

開発力と量産能力と整備能力を分ける必要があります。 : SADA(99/8/14 13:55)

三式戦より五式戦のほうが上昇力が劣る? : yari(99/8/17 20:51)

re:三式戦より五式戦のほうが上昇力が劣る? : フッフール(99/8/18 00:23)

re:三式戦より五式戦のほうが上昇力が劣る? : SADA(99/8/18 10:58)

re:三式戦より五式戦のほうが上昇力が劣る? : フッフール(99/8/18 20:22)

re:三式戦より五式戦のほうが上昇力が劣る?(激長文) : SADA(99/8/19 11:35)

三式と五式の比較 : SUDO(99/8/20 04:47)

やはり、陸軍の現場が遅れていたか・・・。 : SADA(99/8/20 12:00)

re:やはり、陸軍の現場が遅れていたか・・・。 : SUDO(99/8/21 04:57)

そう、疾風が普通に飛べるなら凄いです。 : SADA(99/8/21 12:00)

re:そう、疾風が普通に飛べるなら凄いです。 : SUDO(99/8/22 01:55)

疾風はいつまで普通に飛べたか? : BUN(99/8/21 14:14)

re:やはり、陸軍の現場が遅れていたか・・・。 : フッフール(99/8/20 13:23)

re:三式戦より五式戦のほうが上昇力が劣る?(激長文) : フッフール(99/8/19 13:53)

re:三式戦より五式戦のほうが上昇力が劣る?(激長文) : SADA(99/8/19 15:24)

re:三式戦より五式戦のほうが上昇力が劣る?(激長文) : フッフール(99/8/19 16:42)

三式の横転率 : SADA(99/8/19 17:06)

re:三式の横転率 : フッフール(99/8/19 17:15)

 : SADA(99/8/19 18:19)

日野軍曹はこう言っていますが : yari(99/8/22 09:10)

re:日野軍曹はこう言っていますが : SADA(99/8/23 10:36)

re:日野軍曹はこう言っていますが : フッフール(99/8/22 10:21)

P38相手ですかぁ? : SADA(99/8/23 11:03)

なんだか混乱してきました : yari(99/8/18 11:46)

悩む事ないんですよ。 : SADA(99/8/18 12:08)

re:悩む事ないんですよ。 : フッフール(99/8/18 20:46)

完全に勘違いしていたようです : yari(99/8/18 08:54)

補足 : yari(99/8/17 21:22)

飛燕と五式戦には謎がある : BUN(99/8/13 01:43)

re:飛燕と五式戦には謎がある : SUDO(99/8/18 07:12)

re:飛燕と五式戦には謎がある : BUN(99/8/18 12:02)

re:飛燕と五式戦には謎がある : SUDO(99/8/19 03:29)

その通り。 : BUN(99/8/12 20:29)

こういうのは反則かもしれないけど……… : FIX(99/8/10 10:35)

P-51 : SADA(99/8/10 12:13)

P-51のなきどころ : ささき(99/8/10 15:24)

乗って安心アイアンワークス! : ささき(99/8/10 07:58)

同感ですね。 : SADA(99/8/10 11:40)

ああ、女房にしてやってもいいF6F : dg(99/8/10 16:00)


1564 Root [1604] [1596] [1583] [1571] [1567] [1566] [1565]
WWIIにおける新米パイロットにとって一番良いと思われる機体は?
ATsu(99/8/10 04:34)

先日某フライトシミュレータを飛んでいて思ったのがタイトルにある疑問です。
なぜこんな事を考えたかといいますと…撃墜するより撃墜されるのが
いつも多いんです(涙)

#単純に下手糞だからだ、というごもっともな意見もありますが。

Fw190、Bf109シリーズ,P47,P51に始まる一撃離脱専門といっても良い戦闘機では
1)しっかりと編隊を組んで
2)照準を合わせながら
3)ダイブして加速し
4)射撃後離脱する

という手順で攻撃を行わないと敵機を撃墜するのは無理でしょう。果たして新米パイロットにこの4つが問題無く行えるものなのでしょうか?個人的には一撃離脱戦法は新米パイロットにとってかなり難易度の高いものだった、と思うのですが?

でもってF6F,F4FおよびFM2。
後方視界が0という最大の欠点は無線電話でカバーできたのだろうか?
いくら僚機がいるとはいえ、それぞれがカバーできる範囲はたかが知れています。
僚機が応援にこれなかったら、後方視界がないのは回避運動を行う上でかなりの足かせになると思うのです。

日本機は足が長くて操縦しやすいけれども、たいていの機体は13mm弾が翼に3,4発あたれば火を吹いて終わるでしょうし…もっとも防弾機構の無さと信頼性の悪さは日本機共通の欠点ですが。

Spitfireは癖が無くて良いけれども、足が短いうえにラジエーターに
被弾したら滑空するしかない。ハリケーンは速度が出ない=いい鴨になるのみ…


というのがいままでいろいろな機体をパソコン上で擬似操縦したときに感じた
印象です。フライトシミュレータが実機の癖を100%忠実に再現しているとはもちろん信じてはいませんが、ある程度の癖は実感できるのではないかと思います。

というわけで皆様のご意見をお待ちしております。


1604 [1564] [1617] [1607] [1606]
P38なんかはどうでしょうか?
Alphabeta(99/8/12 18:52)

P38なんてどうでしょうか?高々度飛んでいれば少なくとも日本機には落とされることはないと思いますが


1617 [1604] なし
P38の利点と弱点
ささき(99/8/15 07:38)

> P38なんてどうでしょうか?高々度飛んでいれば少なくとも日本機には落とされることはないと思いますが
たしかに、対日本機用としては有効な機材でしょう。
双発ゆえにロールが遅く、重い飛行機なので初期上昇率が悪く、急降下に
入れるとしばしば過速に陥って操縦不能になったそうなので、縦だろうが
横だろうが絶対に格闘戦には入らないこと。とにかく徹底した一撃離脱、
射弾が当たろうが外れようがお構いなしに優速を活かして逃げてしまう
ことです。
しかし鍾馗や飛燕、ドイツ Bf109 のように突っ込みの効く重戦相手だと
高速の利点は薄れ、双発のハンディが目立ってくるように思えます。
運動性に劣る双発機で編隊空戦を展開するのは単発機以上に状況把握と
先読みの能力が問われますので、よほど優れたリーダーについていること、
という条件が必要でしょう。


1607 [1604] なし
re:P38なんかはどうでしょうか?
SADA(99/8/12 20:00)

> P38なんてどうでしょうか?高々度飛んでいれば少なく
>とも日本機には落とされることはないと思いますが

P-38は欧州戦線にも派遣されてます。高々度専門のTa152Hに
追っかけられた日にゃ、なかなか恐い事になりそうです。
発動機も液冷で被弾に弱いですし、ロールも遅いですし。

高々度を生き延びるためでしたら、P-47の方をお勧めします。
ターボで安心ですし、搭載エンジンは空冷で頑丈です。

 P-38の真価は、高々度戦闘機、というよりは
足の長さと戦爆だと思うのですが。位置づけ的には
大戦前半、「P-51がでてくるまでの護衛の切り札」
ですからね。


1606 [1604] なし
re:P38なんかはどうでしょうか?
SADA(99/8/12 20:00)

> P38なんてどうでしょうか?高々度飛んでいれば少なく
>とも日本機には落とされることはないと思いますが

P-38は欧州戦線にも派遣されてます。高々度専門のTa152Hに
追っかけられた日にゃ、なかなか恐い事になりそうです。
発動機も液冷で被弾に弱いですし、ロールも遅いですし。

高々度を生き延びるためでしたら、P-47の方をお勧めします。
ターボで安心ですし、搭載エンジンは空冷で頑丈です。

 P-38の真価は、高々度戦闘機、というよりは
足の長さと戦爆だと思うのですが。位置づけ的には
大戦前半、「P-51がでてくるまでの護衛の切り札」
ですからね。


1596 [1564] [1601]
新米パイロットにとって一番良いと思われる機体は
”&”(99/8/11 12:26)

> というわけで皆様のご意見をお待ちしております。
日本機なら四式戦(P-51cとならなんとか・・・。)
米軍機ならP-51D(もしくはF6F)
独軍機ならMe262(要上空援護)
英軍機ならモスキート(とりあえず逃げよう。f^_^;)
こんなカンジですか…。(異論は在ると思いますが。)
ところで、どなたかMSCFSで四式戦をつかえるようになるソフト
をご存知ないでしょうか。


1601 [1596] [1712] [1653] [1602]
MSFCSで4式
SADA(99/8/11 16:56)

> 日本機なら四式戦(P-51cとならなんとか・・・。)

完調なら、の条件がつきます。もっとも、火力・航続力と
引き換えに半端じゃない上昇力を見せる2式を私は推します。

 レーダーの無い日本の迎撃戦は、サイレンが鳴って慌てて戦闘機に
飛び乗り、少しでも優位を確保しようとしている最中に空戦に突入
しちゃいますから。整備も誉よりはるかに楽ですし。

 海軍はなかなかいいのが無いですね。
 敵にとっては雷電慣れした搭乗員の雷電が陸海軍含めて
一番恐いのですが、そうなると「新米」の条件から外れま
すしね。
 紫電改ですか、やはり。でもそうなると5式とあまり
変わらないんだよね。誉が不調な分と火力でやや勝る分とが
相殺する、ってとこでしょうか。

> 米軍機ならP-51D(もしくはF6F)

これは文句無し。

> 独軍機ならMe262(要上空援護)

上空援護が無ければ、Hs162(対戦車攻撃機)の防弾の固まりに
包まれているのが安心かもしれません。

> 英軍機ならモスキート(とりあえず逃げよう。f^_^;)

 いつでも逃げ出せるし、よっぽど集中弾を食らわないと
撃たれてもそのまま貫通してたいしたダメージにはならないし、
パイロット防弾も完璧だし、戦闘爆撃型・夜間戦闘機型なら
巡航している敵を攻撃できるし・・・。これはもう決定ですね。

> こんなカンジですか…。(異論は在ると思いますが。)
> ところで、どなたかMSCFSで四式戦をつかえるようになるソフト
> をご存知ないでしょうか。

ここなんかどうでしょ。
http://www.hi-ho.ne.jp/t-west/comp/mscfs/aircraft.htm#6

米軍テスト版から、実戦配備版まで、疾風の6機セットを
配布してますが。P-51に勝てる状態とはどういう物か、
試してみるのもまた一興かと。


1712 [1601] なし
re:1944以降の日本なら4式
dg(99/8/23 10:45)

>> 日本機なら四式戦(P-51cとならなんとか・・・。)

新米パイロットが乗るなら、4式戦闘機が良いと思います.
理由1:頑丈な機体構造
着陸に失敗した4式の写真がいくつかありますが、脚とぺら
を損傷しただけで飛行士はいずれも無事だったということで.
理由2:空中安定性の良さ
酸素なしで高々度飛行やって、失神した飛行士をのせたまま
、ゆらりゆらりと北関東のどこかへ不時着、偶然にも町医者
の近くで、飛行士が気がついたときはベッドの上だった、
という嘘のようなほんとの話があったとか.
理由3:まともなサプライがあれば、誉も使えた
@ガソリン...戦争末期になると、92オクタンはおろか、
87オクタンもなかなか手に入らなくなってしまっていた.
重爆隊なんかだと、タンクごとに中身を替えて、離陸時に
87、巡航時に粗悪ガソリン使う・などの工夫をしていたらしい.
こんな状況は、もう戦争をやめるべきで、誉のせいではないと
思いますが.
A部品
4式戦を真っ先に配備した44戦隊の場合、戦隊長の岩橋さんが
開発時からかかわっていた関係で、整備隊や部品係に、「才能のある」
スタッフを抱えることができたらしい.
以前にもどこかで書いたような気もしますが、誉の整備にはコツが
あって、(むろんマニュアルには書いてない)しかも整備隊同士の
行き過ぎた競争意識もあって、なかなかそのノウハウが広まらなかった.
むろん、44戦隊は熟練していた.
部品についても、係の某少尉は、軍の正式ルートでの補給に頼らず、
東部軍本部に、ちょっとあいさつだけして、あとは直接メーカーを
走り回って消耗品をかき集めていた.
こうして、厚木郊外の基地にいたとき、44戦隊の4式稼働率は
70%を超えていたと伝えられる.
4.その後
44戦隊の順調な活動を耳にした東部軍幹部が、他戦隊(1戦隊・
22戦隊か?)にも、助けてやってくれ・とか・・・
軍の幹部だったら、44戦隊の苦労を生かすために、軍の機構改革
をなすべきであろうに、当時の上層部の低質さがうかがえる.
44戦隊も、中国へ移動したあとは、「普通の航空隊」になってしまい、
実動機は減少する一方であったという.
5.細かい苦情
増槽は、日本の航空隊が他国に先駆けて普及運用した数少ない長所で
あったが、4式戦について、まぬけな話があったらしい.
1944年にあっても、隼が事実上陸軍航空隊の標準戦闘機であって、
隼の増槽が4式にも使えたのは当然なのだが、なんと、接続部のパッキン
の大きさが違っていたらしい.なんとも意味不明な設計だが、このため、
隼と4式を混在させていた現地の飛行隊の多くは、4式を基地において
おかざるを得ないことがあったという.
このあたり、2式・3式・5式はどうだったのだろう?中島同士でも
この始末だから・・・


1653 [1601] なし
re:MSCFSで4式
とわ(99/8/18 00:22)

ほんとは別スレッドを立てるべきなんでしょうが、無視できない文章が
あるのでこちらに(^^;

個人的にはP47。
F6Fも捨てがたいんですが逃げ足が若干不足してるかも。

P47は加速が悪いですが、高いところにいる限りはダイブで逃げ出すと
そうそうついてこれる相手はいません。
攻撃するときも高みから落っことして結果がどうあれそのまま遁走。

生き残れば度胸も技も悪知恵もそのうち着くでしょう。

>> こんなカンジですか…。(異論は在ると思いますが。)
>> ところで、どなたかMSCFSで四式戦をつかえるようになるソフト
>> をご存知ないでしょうか。

> ここなんかどうでしょ。
http://www.hi-ho.ne.jp/t-west/comp/mscfs/aircraft.htm#6

> 米軍テスト版から、実戦配備版まで、疾風の6機セットを
> 配布してますが。P-51に勝てる状態とはどういう物か、
> 試してみるのもまた一興かと。

 ここの疾風とMSCFSのP51だと乗り手のレベルが同じだと多分勝てません。
 作り手がひねくれてるもので。
# FSアドオンの4式戦の中じゃ多分最弱レベルです。はい。


1602 [1601] [1614] [1610]
追記:末期は2式が日本最速の単発戦闘機だった可能性が高い。
SADA(99/8/11 18:09)

>> 日本機なら四式戦(P-51cとならなんとか・・・。)

> 完調なら、の条件がつきます。もっとも、火力・航続力と
> 引き換えに半端じゃない上昇力を見せる2式を私は推します。

>  レーダーの無い日本の迎撃戦は、サイレンが鳴って慌てて戦闘機に
> 飛び乗り、少しでも優位を確保しようとしている最中に空戦に突入
> しちゃいますから。整備も誉よりはるかに楽ですし。

と書いちゃいましたが、どうも違うようで・・・。

別スレッドからのコピー。

>  84はもちろん重戦ですが、44ほど極端な設計にはなってはいない
>と思うのですが。設計段階でわざわざ翼面積の大きな主翼に換装して
>いるぐらいですから、格闘性能を完全には捨ててはいないと思いますが。

 疾風のデータを探しているうちに、見つけた記述がヒントになりました。
 実は、疾風の速度記録、624km/hは、その翼面積の小さい、
19平方メートルの機体で出した可能性が高い、ということです。
 つまり、誉を完調でぶん回しても量産機(翼面積21平方メートル)では
絶対に624km/hなんて出ないのです。

 さらに、デリケートな誉に対し、満足な整備ができない部隊の方が
多いですから、なおさら速度は低下します。帝都防空を迫られるような
太平洋戦争末期では速度性能は2式がもっとも良好だったということが
言えます。


1614 [1602] [1618]
re:追記:疾風の公式性能値は謎
佐藤利行(99/8/14 15:48)

>  疾風のデータを探しているうちに、見つけた記述がヒントになりました。
>  実は、疾風の速度記録、624km/hは、その翼面積の小さい、
> 19平方メートルの機体で出した可能性が高い、ということです。

疾風の公式記録は1号機ではないのでは?
(なんかの資料にそう書いてあるのですか?)
こっちの手持ち資料の中の「戦闘機 疾風」(碇 義郎 著)によると、
疾風の陸軍審査部での飛行審査は昭和18年9月15日から始まり、
2号機、3号機を使用して、1号機は中島に戻され、吉沢パイロットの
手でテストを続行していますが、ほとんど、不調な「誉」対策の為の
エンジンテスト機のようになっています。

それで、この審査部のメンバーは岩橋少佐を主任とし、神保少佐、黒江
少佐、伊藤大尉らで、この中で、秋に岩橋少佐が記録した624km/6400m、
上昇限度12400m、上昇時間5分26秒/5000mの数値が疾風の公式
数値として定着していますので、これからすると、翼面積の大きい2号機
か3号機での記録の筈です。

>  つまり、誉を完調でぶん回しても量産機(翼面積21平方メートル)では
> 絶対に624km/hなんて出ないのです。

ついでに審査部で記録した2号機、3号機は集合排気管である事を
お忘れなく。
後期増加試作機では推力式単排気管に改めて、最高速が2速全開
高度で約15km増えたとの記述もあります。

ただ、どっちにしろ公式記録を出した飛行審査の機体の後の機体では
推力式単排気管に改めているので、こちらでの実測値があっても良い
様な気がします。(謎)

ちなみにキ−44の最高速も、エンジン換装の2型で機体重量2350kg
の状態で(これは公式数値の全備重量より400kg軽いです)、
*最適吸入管取付け時:607km
*最良吸入管取付け時:616km
*操縦席前方の胴体表面の全ての隙間を目張りし滑らかにした場合
  626km
と記述されています。
それでガッカリさせて悪いのですが「・・・機銃など正規の武装をした
状態で580kmを割る事はあるまいとの確信が得られ・・・」との記述が
ありますので、これからすると鍾馗2型の605kmも実戦機では、かなり
怪しい事になります。(数値は「戦闘機 疾風」(碇 義郎 著)より引用)


1618 [1614] [1624]
ガッカリしちゃ駄目だ。
BUN(99/8/15 10:55)


> ちなみにキ−44の最高速も、エンジン換装の2型で機体重量2350kg
> の状態で(これは公式数値の全備重量より400kg軽いです)、
> *最適吸入管取付け時:607km
> *最良吸入管取付け時:616km
> *操縦席前方の胴体表面の全ての隙間を目張りし滑らかにした場合
>   626km
> と記述されています。
> それでガッカリさせて悪いのですが「・・・機銃など正規の武装をした
> 状態で580kmを割る事はあるまいとの確信が得られ・・・」との記述が
> ありますので、これからすると鍾馗2型の605kmも実戦機では、かなり
> 怪しい事になります。(数値は「戦闘機 疾風」(碇 義郎 著)より引用)

上記の機体は16年7月に行われた試作5号機の改修テスト時です。
U型は17年1月に試作1号機が完成したと言われていますので、この機体は
T型に準ずる仕様ですから、馬力が大幅に向上したU型試作機に目張りをして
計測したら、それはもう、速いの速くないの、データが残ってないくらい速い、はず。

雄渾なる鍾馗主義者よ、落胆することなかれ。


1624 [1618] [1655] [1640]
勇気づけられました。
SADA(99/8/16 15:43)

>> それでガッカリさせて悪いのですが「・・・機銃など正規の武装をした
>> 状態で580kmを割る事はあるまいとの確信が得られ・・・」との記述が
>> ありますので、これからすると鍾馗2型の605kmも実戦機では、かなり
>> 怪しい事になります。(数値は「戦闘機 疾風」(碇 義郎 著)より引用)
>>
> 上記の機体は16年7月に行われた試作5号機の改修テスト時です。
> U型は17年1月に試作1号機が完成したと言われていますので、この機体は
> T型に準ずる仕様ですから、馬力が大幅に向上したU型試作機に目張りをして
> 計測したら、それはもう、速いの速くないの、データが残ってないくらい速い、はず。

> 雄渾なる鍾馗主義者よ、落胆することなかれ。

ということは、やはりU型の実戦状態で605km/hを
出したから記録に残っている。ということですね。
迎撃戦では巴を強いられる5式よりは役に立ちそうですね。

ちなみに、佐藤さんWrote:

>疾風の公式記録は1号機ではないのでは?
>(なんかの資料にそう書いてあるのですか?)

の疑問に関する返答ですが、
http://www.hi-ho.ne.jp/t-west/comp/mscfs/aircraft.htm
に、MSCFSの4式戦データが置いてありまして、
そこの説明を参考にしました。
4式の機体データを作り込むくらいだから、よっぽど
資料を集めなければ完成させられないはずで・・・。


1655 [1624] [1663]
ところどころで出てくるMSCFS疾風の作者ですが〜
とわ(99/8/18 00:45)

ありゃりゃ。うちの疾風独り歩きしてるな・・・

> ちなみに、佐藤さんWrote:

>>疾風の公式記録は1号機ではないのでは?
>>(なんかの資料にそう書いてあるのですか?)

> の疑問に関する返答ですが、
http://www.hi-ho.ne.jp/t-west/comp/mscfs/aircraft.htm
> に、MSCFSの4式戦データが置いてありまして、
> そこの説明を参考にしました。
> 4式の機体データを作り込むくらいだから、よっぽど
> 資料を集めなければ完成させられないはずで・・・。

 すいません。結構適当ではあります(大汗)

 19m3の2・3号機で試験したという記述はモデルアート増刊「疾風」に
記述があります。特攻機説もそこから。
 図面関係を主にそろえていくと野原茂氏の資料に偏りますので、他の
方の資料との突き合わせはほとんどやっていないのが現状です。

 推力排気管は全然気がつきませんでした。参考になります。

 ちなみに、飛行特性については独断と偏見によります。
# FSアドオンはおおむね独断と偏見で作られてます。
 いいわけ終了。


1663 [1655] [1687]
つづき
とわ(99/8/18 11:57)

スレッド読み直して気が付いたので付け足し
# 終わっちゃってる話ならだらだら続けて申し訳ないですが。

>>佐藤さんWrote:
>>こっちの手持ち資料の中の「戦闘機 疾風」(碇 義郎 著)によると、
>>疾風の陸軍審査部での飛行審査は昭和18年9月15日から始まり、
>>2号機、3号機を使用して、1号機は中島に戻され、吉沢パイロットの
>>手でテストを続行していますが、ほとんど、不調な「誉」対策の為の
>>エンジンテスト機のようになっています。>>>疾風の公式記録は1号機ではないのでは?
>>(なんかの資料にそう書いてあるのですか?)

 モデルアート増刊「疾風」(=野原茂氏)によると3号機までが19m3との事です。
 翼面積増加による速度の低下と推力管による増加のどちらが多いのか分からないので
実戦配備機の速度は謎ですが・・・

 余談になりますが、

>>米軍の燃料/オイルと整備を受けて軽荷重量(3600kg位らしい)で
>>680km以上出たって事で・・・

 米軍試験機は140オクタンで、合わせて出力を計測したら2040馬力だったそうです。
# 130とする資料もどこかで見たような気がします。
 このサイトのどこかにありましたが「実戦機の誉はとても2000馬力も出ていない」の
裏付けになると思います。
# 整備とオクタン価より

 ただ689km/hについては本当に実戦装備で軽荷重の試験機S17が叩き出したものなのか、
最近は異論を唱える説があるようです。
# 裏取ってません(人聞き)

 特攻専用機説というか「翼内機銃の無い疾風」について、特攻機で無かったとすると・・・・
# 裏付け無しです。
1.ホ5の生産が滞った。
2.お定まりの「武装外して軽減化」で高空迎撃用
3.排煙ポートはそのままで実は機種にホ5
 なんてのが考えられますが機銃孔まで塞ぐのがちょっと謎です。
# ただし、メンテナンスハッチや弾倉はそのままみたいなんですが・・・

 「機銃2門と4門の疾風。どっちを特攻に使う?」
となれば前者の方が使われそうなので、それで「=特攻専用」と記述された可能性もありますが。


1687 [1663] [1692]
re:ありゃ、出所はモデルアートでしたか^^;
佐藤利行(99/8/19 22:03)

とわさん、はじめましてm(_ _)m

#3号機までが19m2の件
 モデルアートが元ネタですか・・・野原茂氏だとグリ−ンアロ−出版社の
 図解シリーズなんかを書いてる人ですね・・・・うむうむ、なんとなく納得^^;
 (図解シリーズは好きで何冊か持ってますが^^;)
 私も「丸メカ」と碇氏の「戦闘機 疾風」だけしか手元に資料が無いので
 19m2が1号機だけと言い切れないんですけど・・・・(誰か教えて)

#米軍テストで689kmの件
 これ米軍兵站部作成の「疾風評価レポート」に書いてあるらしいのですが
 (原文はマイル表記でしょうけど)、碇氏の「戦闘機 疾風」ではこれを参考
 文献にあげています、これ読んでみたいけど・・・・英語ダメっす(笑)
 (防衛庁の戦史資料室なんかにいけばあるんだろうなあ・・・・あそこ土曜日
  の午前中だけでいいから開けてくれないだろうか?、良い子の社会人には
  利用出来ない・・・・T-T)

#「翼内機銃の無い疾風」の件
 工場の出荷段階で未装備なのは「1.ホ5の生産が滞った」になんとなく
 賛成なんですけど^^
 機銃のストックが足りないから「ええい!、取り敢えず後日装備(現地装着)
 って事で出しちゃえ!」ってなノリじゃないかと勝手に想像している私ですが。
 (5式戦も・・・・)
 あの頃はノルマ重視で「1機でも多く!」と工場が軍監督官にケツ叩かれてた
 時期だし、穴の方は「空輸中に雨や埃が入らないように塞いでおこう」程度の
 理由じゃじゃない・・・かな?(違います?、BUNさん^^;)


1692 [1687] [1698]
モデラーはあまりり多くないのにモデルアートは人気だねえ。
BUN(99/8/21 00:16)


>  機銃のストックが足りないから「ええい!、取り敢えず後日装備(現地装着)
>  って事で出しちゃえ!」ってなノリじゃないかと勝手に想像している私ですが。
>  (5式戦も・・・・)

五式戦の主翼武装はホ103のはず、生産が滞ったのはホ5なのかホ103なのか、
ちょっと困りますよね。

それに三式戦等の機銃未装備機は銃口が確認できます。
三式戦T型は二〇年夏にも40機の補給計画が実施されており、
いま残されている未装備機はこの時の配備機が多いのでしょうが
銃口はちゃんと確認できる場合が多いですよ。

さて、困ったね。

生産低下モデラー BUN


1698 [1692] なし
re:手に入りやすいんですよ>モデルアート
とわ(99/8/21 22:22)

 あとはエアロディティール・世界の傑作機・グリーンアロー出版の何冊か。

>>  機銃のストックが足りないから「ええい!、取り敢えず後日装備(現地装着)
>>  って事で出しちゃえ!」ってなノリじゃないかと勝手に想像している私ですが。
>>  (5式戦も・・・・)

> 五式戦の主翼武装はホ103のはず、生産が滞ったのはホ5なのかホ103なのか、
> ちょっと困りますよね。

 疾風の乙型が作れなくなるのでホ103かなという気がしてきました。
# 逆説的に「だから乙の生産数が少ない」と言えなくも無いですけど。

 翼内機銃無し疾風の機首に入っている機銃がどちらであるか、排気ポートは
機銃の排気ジャケットを改造すれば外見は甲型のままでもなんとでもなりそう
なので、これががポイントになりそうです。
# 甲乙の弾倉形状は同じに見えますが、同じままでいけるのかな?

> それに三式戦等の機銃未装備機は銃口が確認できます。
> 三式戦T型は二〇年夏にも40機の補給計画が実施されており、
> いま残されている未装備機はこの時の配備機が多いのでしょうが
> 銃口はちゃんと確認できる場合が多いですよ。

 工数減少の為でしょうか。
 三式戦の場合は「とっくの昔に機体/パーツはできていた」可能性もありますので・・


1640 [1624] [1716] [1641]
re:碇氏の記述はエンジン形式が変・・
佐藤利行(99/8/17 14:29)

ちゃんと確認しない方も悪いけど・・・(汗)

#BUNさん Wrote:
> 上記の機体は16年7月に行われた試作5号機の改修テスト時です。
> U型は17年1月に試作1号機が完成したと言われていますので、この機体は

 碇氏の「戦闘機 疾風」の中で《最大出力1450馬力のハ−41で600キロ
 をマークしたことは、次の2000馬力エンジン装備の・・・》の話しの前に先の
 速度テストの話しが書いてあります。
 この1450馬力の記述で2型と判断しましたが、「ハ−41」だと1型ですね^^;
 しかもてっきり昭和17年7月の二型増加試作機での話しかと思ったので
 すが、読み直すと前後の話しの脈略から昭和16年7月の様に思えます。
 あと「丸メカ」の碇氏の疾風開発史の中でも鍾馗に関して《「ハー41」(のち
 の「ハ−105」1450馬力》とあって(ハ−109の筈)、なんか同氏のエンジン
 形式の記述は変です。
 ちなみに、
 >U型は17年1月に試作1号機が完成したと言われていますので、
 これ丸メカの年表と違うのですけど^^?
 (昭和17年2−5月に一型改造で5機、6−7月に増加試作機3機と
  なってますけど・・・「丸メカ」違ってます^^?)

> の疑問に関する返答ですが、
http://www.hi-ho.ne.jp/t-west/comp/mscfs/aircraft.htm
> に、MSCFSの4式戦データが置いてありまして、
> そこの説明を参考にしました。
> 4式の機体データを作り込むくらいだから、よっぽど
> 資料を集めなければ完成させられないはずで・・・。

 このサイトの人の疾風に関する記述を読みましたが・・・翼面積
 の話しは勘違いと思いますが、他の人の判断も聞きたいです。
 (ちなみに、ここのサイトに書いてある疾風の「特攻専用機」って
  初耳ですが事実?)

>碇氏さんの本(「戦闘機 疾風」)の信頼性
 これ20年以上前の古い本なんですが(1976年、もう絶版か?)、本の
 性格としては碇氏の考察で機体の開発史や技術史をまとめているんで
 はなく、当時の中島技術者や陸軍関係者(亡くなっている場合は、その
 関係者)のインタービュー内容を元に構成されているので、聞き間違い
 や当事者の記憶違いもあるのかもしれません。(後、碇氏が直接インタ
 ビューした以外の他書からの引用もあるみたいですが)
 まあ、当事の「鍾馗」から「疾風」の流れを、この機体に関係した中島
 技術者や陸軍関係者の声を集めて書いた本として、それなりに貴重か
 とは思ってるんですけど。

あと速度の件は「疾風ファン」(私も^^;)は米国のテストで687kmを出した
事を心のより所にしましょう(笑)


1716 [1640] なし
re:碇氏の記述・・・原資料を探る
dg(99/8/23 11:19)


>>碇氏さんの本(「戦闘機 疾風」)の信頼性
>  これ20年以上前の古い本なんですが(1976年、もう絶版か?)、本の
>  性格としては碇氏の考察で機体の開発史や技術史をまとめているんで
>  はなく、当時の中島技術者や陸軍関係者(亡くなっている場合は、その
>  関係者)のインタービュー内容を元に構成されているので、聞き間違い
>  や当事者の記憶違いもあるのかもしれません。(後、碇氏が直接インタ
>  ビューした以外の他書からの引用もあるみたいですが)
>  まあ、当事の「鍾馗」から「疾風」の流れを、この機体に関係した中島
>  技術者や陸軍関係者の声を集めて書いた本として、それなりに貴重か
>  とは思ってるんですけど。

dgと申します.
碇さんの「疾風」本は、確か戦史刊行会が白金書房?からある時期シリーズで
発行したものの1冊と思います.たしか20年以上前、出版社の事情かなにか、
@1300−1500の本が、1冊200円均一で神田の古書街に並んでいました.
碇さんも、ヒアリングに加え、なにか、ネタ資料を持っていたのではないでしょうか?
1969年発行の「続日本の翼 ああ、航空隊」毎日新聞社 の巻末のスペック
コーナーをみると、1式・2式・4式などの性能記述は、碇さんの本と同じです.
また、「戦後米国で4式が689kmを記録した」となっています.
この「ああ航空隊」の編集者も、同じ系統の原資料を見ていた可能性が
ありますね.


1641 [1640] [1650]
疾風が化けて出るぞ。
BUN(99/8/17 15:13)

キ44の速度不足が指摘されたのは試作機完成時ですから、
このテストが行われたのはT型ベースでなければなりません。
またこの5号機は長期にわたり色々と試験に使われていた機体で
零戦との比較試験で速度、上昇力で劣ったとされるのもこの機体なのではないで
しょうか。

この試験の記述は私は秋本実氏の著書で読みましたが、碇義郎氏も共に
同じネタ本を元に引用していると思われ文章そのものもよく似ているようですね。
ですからこの二人が書いたキ44の速度向上テストは同一の出来事であり、
秋本氏の書かれた内容はそのまま碇氏の文章に補足して問題ないでしょう。

疾風の特攻専用機についてですが、昭和20年に入ってからの機体を見ると
主翼の武装が跡すら無い機体が存在します。
これを称して特攻専用機と表現しているのでしょうが、実態は不明といったところでしょう。
この機体を乙型だとし、乙型は機首にホー5を移設して主翼武装を廃止した機体、
とする説もあります。しかし、これも未確認。

ただ、確認できることでは、一機も特攻出撃せず、その予定も無かった五式戦にも
この主翼武装全廃機が存在することです。
ですから主翼武装全廃機=特攻専用機というのはやや短絡的表現でしょう。

運用的には特攻専用機だったが主翼武装全廃機が特攻専用機ではない、
としておきたく思います。

追記

疾風の最高「伝説」速度は689キロでしょう?(非武装の上燃料僅少で)
2キロ足りないと疾風が化けてでるぞ。


1650 [1641] [1652]
re:「丸メカ」が687kmだったので・・・^^;
佐藤利行(99/8/17 20:53)

>運用的には特攻専用機だったが主翼武装全廃機が特攻専用機ではない、
>としておきたく思います。
 現実に特攻使用されているし、飛行隊レベルで疾風特攻隊も編成
 されてますが(「誠」飛行隊)、生産段階で非武装の機体を「特攻
 専用機」としてわざわざ生産したかは疑問です。
 私見では、現地部隊で撤去したか、又は工場出荷段階で非武装
 の機体を現地部隊が受領してもそのままとか、そんな感じかと思い
 ますが。
 あと乙型は通説では機首をホ5に換装して20mm4門にした型と
 されてますね。

> ただ、確認できることでは、一機も特攻出撃せず、その予定も無かった五式戦にも
> この主翼武装全廃機が存在することです。
 写真で見ると主翼の機銃口を塞いでいる機体も多いのですが、逆に
 装備している機体もあるので、生産段階で撤去したわけでも無いよう
 ですね。

> 疾風の最高「伝説」速度は689キロでしょう?(非武装の上燃料僅少で)
> 2キロ足りないと疾風が化けてでるぞ。
 私が暗記してるのも689kmなんですが(碇さんの本も)、書込む前に
 「丸メカ」みたら687kmなんですよ。(まあ少ない方を書きました)
 どっちみち米軍での計測値はマイル表記の筈ですけどね。
 米軍の燃料/オイルと整備を受けて軽荷重量(3600kg位らしい)で
 680km以上出たって事で・・・


1652 [1650] なし
・・・疾風も、好きだ。
BUN(99/8/17 22:31)


>  現実に特攻使用されているし、飛行隊レベルで疾風特攻隊も編成
>  されてますが(「誠」飛行隊)、生産段階で非武装の機体を「特攻
>  専用機」としてわざわざ生産したかは疑問です。
>  私見では、現地部隊で撤去したか、又は工場出荷段階で非武装
>  の機体を現地部隊が受領してもそのままとか、そんな感じかと思い
>  ますが。
>  あと乙型は通説では機首をホ5に換装して20mm4門にした型と
>  されてますね。

主翼武装全廃機は生産ラインで確認出来ることと、五式戦では水滴風防型のみに
存在することから、二〇年春以降の生産機なのではと思います。
その理由も全く不明なのですが、疾風、五式ともにホ−5二門のみの武装となっており
隼V型乙とも共通することから、20mm二門の装備が重量軽減等の目的からか
あるいはホー103の生産の都合からか、ある時期から標準化されたのでないかと想像しています。

 また、疾風の乙型は確かにホー5四門で、機首のガス抜き孔が大型化した機体とされていますが
そうした機体は満州配備の104戦隊などでしか見られず、満州飛行機製の機体の特徴では、
との説もあります。
 計器板の形状変更などから機首へのホー5の装備は確実と思えますが、果たして主翼への装備は
行われていたかどうか、終戦時の大田工場での主翼武装のない疾風の生産機の写真は通常のガス抜き孔であることも
含めて大いにミステリアスではあります。
 この反対側に無塗装の剣を並べて写った疾風は機体下面もきちんと塗装されているようであり、
特攻専用機(この「世界の傑作機」の写真に付随した野原茂氏の解説にそう書いてあるんですね)とは
ちょっと生産時の扱いが異なるような気がします。

 あと話は変わりますが、重戦闘機は日本には無理、などどの発言がありますけれど、
重戦闘機というジャンルを命名し創造したのは他ならぬ日本陸軍ですよ。

 陸軍の航空機研究方針の中に、しっかりと「重戦闘機」という用語が語られています。
その内容は大雑把に言うと短距離格闘戦用の「軽戦闘機」に対し長距離汎用戦闘機といった
おもむきで定義されています。
 この辺が通常言われる重戦と軽戦との関係と少し異なるところで、どこかF15とF16の
関係に似たような雰囲気もある類別です。
 ですから鍾馗は突然生まれたミュータントではなく、ズパッド]Vからニューポール・ドラージュ29を経て
連綿と続く日本重戦闘機の系譜に連なる伝統の機体と考えるのも楽しいかな、と思います。

 追記
 大丈夫、さっき鎌倉のお好み焼き屋で疾風と呑んできたけど、二キロくらい、ちっとも気にしてないって、さ。
それより乙型試作機が国内で631キロ出したことを忘れないで欲しい、とのことでしたよ。

今日はいつになく饒舌だなあ。


1610 [1602] なし
re:追記:末期は2式が日本最速の単発戦闘機だった可能性が高い。
SUDO(99/8/12 23:23)

>  疾風のデータを探しているうちに、見つけた記述がヒントになりました。
>  実は、疾風の速度記録、624km/hは、その翼面積の小さい、
> 19平方メートルの機体で出した可能性が高い、ということです。
>  つまり、誉を完調でぶん回しても量産機(翼面積21平方メートル)では
> 絶対に624km/hなんて出ないのです。

乙型でカタログ値以上出たと記憶してますが?>630+だったかな
モデルアートの前の増刊だか世界の傑作機だかで
そういった記述が有ったはずです


1583 [1564] [1594] [1587] [1585]
Me262はどうだったのだろう?
アリエフ(99/8/11 00:53)

他の機種よりも新米パイロットに最適と言えるかわからないが、Me262は意外
と新人パイロットにとって操縦しやすかったそうですが。高速を生かして高空で敵
機を追跡し一撃離脱という戦法で、低空でスピードを落したときP51等と戦わな
ければ、それに燃料の残りを常に計算していれば、かなり有利な戦闘ができたので
はないでしょうか。ただ、エンジンの耐用時間が短く信頼性に欠けること、双発機
でありながら片肺飛行が難しいことが問題だが、これは我慢するしかない。
ところでフライトシミュレーターについて、私はあまり知らないのですが、大戦中
のジェット又はロケット戦闘機(最後にパラシュートで離脱するロケット機ナッ
ターなんて無いかな)を選択できるものもあるのでしょうか?


1594 [1583] なし
上空援護がしっかりしてれば・・・。
SADA(99/8/11 11:13)

> 他の機種よりも新米パイロットに最適と言えるかわからないが、
>Me262は意外と新人パイロットにとって操縦しやすかったそうですが。
>高速を生かして高空で敵機を追跡し一撃離脱という戦法で、低空で
>スピードを落したときP51等と戦わなければ、それに燃料の残りを
>常に計算していれば、かなり有利な戦闘ができたのではないでしょうか。

そう。一度あがってしまえば、事実上捕捉の難しい機体でした。
しかし、これに対し連合側は基地上空を押さえて待ち伏せする、
という手段で対抗しています。着陸時にはスロットルレスポンスが
鈍いため対応する事ができず、餌となってしまいます。上空援護が
しっかりしているなら、という条件がありますが、その条件を満たせば
初心者にもっともやさしい機体であるという事は言えます。


1587 [1583] [1588]
Me262 についていろいろ
ささき(99/8/11 08:32)

> 他の機種よりも新米パイロットに最適と言えるかわからないが、Me262は意外
> と新人パイロットにとって操縦しやすかったそうですが。高速を生かして高空で敵
たたき上げの戦闘機乗りにはあまり評判が良くなかったようですね<262
ギュンター・ラル氏は「スロットルレスポンスは気が遠くなるほど悪く、
ちょっと無理をすれば失速し、直線で飛ぶ以外は何をやらせてもモタくさい
飛行機だった」というような感想を述べていたと思います。逆に直線で
飛びさえすれば滅多にやられたりはしないのですから、「ガッグル」向けの
機材だったかも知れません(ただエンジンの耐久性と信頼性がね…)。

> ところでフライトシミュレーターについて、私はあまり知らないのですが、大戦中
> のジェット又はロケット戦闘機(最後にパラシュートで離脱するロケット機ナッ
> ターなんて無いかな)を選択できるものもあるのでしょうか?
6、7年前のゲームで "Secret Weapon Of The Lufftwaffe" というのが
ありました。画面はあまり綺麗ではなく(ポリゴンではなくビットマップを
使っていた)飛行シミュレートも怪しい(Bf109Gで宙返りを打つにはフルスロッ
トルで降下し空中分解寸前で引き起こせば失速寸前で回れる、これをやると
3,000mほど高度を失う)ものでしたが、機体データだけは充実していました。
標準で Me262 と Me163 がサポートされている以外に、拡張パックとして
He162, Go229, Do335 等の機体データが販売されていました。

ちょっと話題がずれますが、Dynamix. の "Aces of the pacific(これも古い
DOS/VGA 時代のゲーム)" の拡張キット "1946!" には震電、火龍、キ84 が
含まれていました。このゲームでの震電は滅法強く、F2G や F8F に簡単に追い
ついて 30mm の一連射で呆気なく撃墜できました。P-80 よりも強かったくらいです(^_^)

最近のフライトシミュレータはリアリティ追求一筋で、昔のように遊び心の
ある製品が減っているのが悲しいです (;_;)


1588 [1587] なし
訂正
ささき(99/8/11 08:41)

> ちょっと話題がずれますが、Dynamix. の "Aces of the pacific(これも古い
> DOS/VGA 時代のゲーム)" の拡張キット "1946!" には震電、火龍、キ84 が
間違えた。キ83双発遠戦です。双発機のくせに何故かロールが異常に速かったです(笑)
アメリカ側は F2G, F7F, F8F, P-80 が選択できました。どうせなら XP-79 とか
XP-55 あたりも出してくれたら面白かったのに(^_^;)

このあと Dynamix 社は Aces over Europa を出したのですが、ゲームバランスが
調整されてリアルになり、コンピュータの AI が強化された反面、ドイツ軍機勝つ
のが異常に難しくなりました。P-47 やテンペストを相手にすると一撃離脱に徹されて
しまい、「勝てないかも知れないが絶対に負けない」空戦の有利さを見せ付けられて
しまいます(T_T)

"ACES" シリーズ第三弾として「RAF over Pacific」で英軍 vs 日本軍のシナリオが
出るはずだったのですが…これはとうとう出ずじまいだったようです。隼 vs ハリ
ケーンで加藤隼戦闘隊を気取ろうと思っていたのにぃ。


1585 [1583] なし
Me262なら…
Yama(99/8/11 06:34)

> ところでフライトシミュレーターについて、私はあまり知らないのですが、大戦中
> のジェット又はロケット戦闘機(最後にパラシュートで離脱するロケット機ナッ
> ターなんて無いかな)を選択できるものもあるのでしょうか?

Me163は知りませんが、Me262ならWWIIヨーロッパ戦線を扱ったシミュレターなら
殆ど選択できます。


1571 [1564] なし
モスキート(爆)
SADA(99/8/10 11:52)

戦闘機としてはF6Fが最高でしょう。でもこれはささきさんがすべて述べて
くださってますので、ひねったところで爆撃機をやろうと。

レーダーに映らないよう低空から侵入。これはまず成功する。
投弾したら、あとは一目散に逃げるだけ。時速600km以上の高速で
逃げられるので、まず間違いなく逃げ切れる。追撃側は1.5倍以上の
優速が望ましい、とあるので、これを適用するとMe262にも捕まら
ないことになります。(^^;;

万が一捕捉されても、木製の機体は機銃弾で火が点く前に貫通し
ちゃう。集中弾さえ食らわないように相手の照準を狂わせるよう
スローロールをうちながらひたすら遁走。武装が無いので防御戦なんて
迷う必要も無い。

低空飛行をすると鳥の群れに出っくわす事もあるので、シギが
ぶつかっても割れない頑丈な風防。もちろん銃弾なんか目じゃ
ありません。

そうこうして粘っているうちに敵の燃料タンクが空になっちゃうので
無事に帰れる、というわけです。


1567 [1564] [1569]
あえて、五式戦
yari(99/8/10 10:42)

新米パイロットに最適な機体は、我が日本陸軍最後の戦闘機「五式戦」だと思います。
それは五式戦が基本的に軽戦(それでいて上昇力、機体強度、火力、防弾性能と言った点で重戦と比較してそれほど遜色がない)で、比較的操縦が容易だからです。五式戦に搭乗したパイロットは「97戦を高性能にしたような、ピッタリくる感じの戦闘機」と評しています。 
新米パイロットにいきなり2000馬力クラスの重戦の操縦をさせるのは荷が重いのではないかと思います。
 もっとも、日本の当時の状況は、新米パイロットにとって最悪だったでしょうが・・・


1569 [1567] [1718] [1574]
re:あえて、五式戦
SADA(99/8/10 11:24)

> 新米パイロットに最適な機体は、我が日本陸軍最後の戦闘機「五式戦」だと思います。
> それは五式戦が基本的に軽戦(それでいて上昇力、機体強度、火力、防弾性能と言った点で重戦と比較してそれほど遜色がない)で、比較的操縦が容易だからです。五式戦に搭乗したパイロットは「97戦を高性能にしたような、ピッタリくる感じの戦闘機」と評しています。 
> 新米パイロットにいきなり2000馬力クラスの重戦の操縦をさせるのは荷が重いのではないかと思います。

 軽戦闘機の戦い方は必然的に巴戦になりますが、その戦い方を
覚える方が難しいです。追いながら同時に敵や味方の
位置把握をしなければなりませんので。じゃないと、
逆に撃墜されちゃいます。

 重戦闘機の一撃離脱戦は逆に編隊長機にひっついて後を
追いかけ、同じ的に弾を浴びせる、という、「真似るだけ」の
機動ですので、極めて単純です。ドイツ空軍の急成長を
支えたのが一撃離脱戦法と大量生産に向くMe109だったわけです。

 日本陸軍初の重戦闘機、2式単戦の着陸速度の速さに、熟練は
驚き、恐怖を持ったそうですが、1式戦闘機の経験の無い新米は
すんなり着陸できたそうです。ようは、思い込みが無ければ
環境に柔軟に対応できるものだ・・・ということ。ドイツのMe109は
もっと着陸が困難だったでしょうしね。新米でも重戦闘機は
扱えるのです。

よって、私は5式を新米に最良の機体とは思えません。あれは、
97戦闘機−1式と流れてきた熟練の為の「旧思想」戦闘機です。

日本陸軍ならば4式・・・と行きたいところですが、
上空でエンジン不調に陥っちゃうので・・・2式単戦ですかね、
やっぱ。

>  もっとも、日本の当時の状況は、新米パイロットにとって最悪だったでしょうが・・・

んー、それは言えますね。


1718 [1569] なし
re:不本意ながらドッグファイトに
dg(99/8/23 11:37)


>  軽戦闘機の戦い方は必然的に巴戦になりますが、その戦い方を
> 覚える方が難しいです。追いながら同時に敵や味方の
> 位置把握をしなければなりませんので。じゃないと、
> 逆に撃墜されちゃいます。

>  重戦闘機の一撃離脱戦は逆に編隊長機にひっついて後を
> 追いかけ、同じ的に弾を浴びせる、という、「真似るだけ」の
> 機動ですので、極めて単純です。ドイツ空軍の急成長を
> 支えたのが一撃離脱戦法と大量生産に向くMe109だったわけです。

坂井氏がらみの対談集の中に、A級の搭乗員に仕上げるのには
1000時間かかる、というような話がありました.これが、
「ドッグファイトができる」水準なのでしょう.
戦争後期になると、陸軍戦闘機隊にも、一撃離脱の戦法の有効性が
認識され、従来の3機編隊から、ロッテ−ケッテ編成へと替えた部隊も
少なくなかったようです.
4機編成の一撃離脱戦であれば、100時間程度の飛行士も、編隊長に
くっついて飛んだようです.
問題は、編隊長にありそうです.一撃離脱に徹していれば、それなりに
成果もあったかも知れないのに、敵が上昇してくると、つい格闘戦を
挑んでしまう場合が、多多あったようです.これでは新米はたまりません.

日下公人さんの本に、「子供のころ、何度か空中戦を目撃した.敵味方
それぞれ6−7機づつの戦闘機編隊がぶつかると、すぐに敵・味方・敵・
味方・・・と1機づつ互い違いになってぐるぐる回り出す.その内に
半分ちかくは火を吐いて落ちていく.くやしいことに、その多くは日本機
であった」というような一節がありました.


1574 [1569] [1575]
re:あえて、五式戦
yari(99/8/10 13:32)

「新米パイロット」の定義も結構あいまいだと思います。アメリカなんかだと、新米とはいえみっちり訓練を受けてそうだし、日本だと… だから一概には言えないと思います。

>  軽戦闘機の戦い方は必然的に巴戦になりますが、その戦い方を
> 覚える方が難しいです。追いながら同時に敵や味方の
> 位置把握をしなければなりませんので。じゃないと、
> 逆に撃墜されちゃいます。

>  重戦闘機の一撃離脱戦は逆に編隊長機にひっついて後を
> 追いかけ、同じ的に弾を浴びせる、という、「真似るだけ」の
> 機動ですので、極めて単純です。ドイツ空軍の急成長を
> 支えたのが一撃離脱戦法と大量生産に向くMe109だったわけです。

>  日本陸軍初の重戦闘機、2式単戦の着陸速度の速さに、熟練は
> 驚き、恐怖を持ったそうですが、1式戦闘機の経験の無い新米は
> すんなり着陸できたそうです。ようは、思い込みが無ければ
> 環境に柔軟に対応できるものだ・・・ということ。ドイツのMe109は
> もっと着陸が困難だったでしょうしね。新米でも重戦闘機は
> 扱えるのです。

訓練を充分受けていない新米パイロットだと、編隊を組むのも大変なのではないでしょうか。新米パイロットが巴戦で敵機を撃墜できるとは思えませんが、バラバラになったとき少しでも軽快な方が生き延びる確率が高いような気がします。新米は敵を撃墜するより何よりとにかく生き残るのが最優先ですから。それに、操縦がやさしい方が、訓練や離着陸と言った戦闘以外で飛行機を壊す可能性が低いですし(四式戦や紫電改を装備した部隊は訓練や離着陸でかなり壊しているようです、米軍のような圧倒的な物量があれば問題ではないのかもしれませんが)。

もっとも五式戦は一撃離脱戦法にも使えますし、機体強度が充分あるのでパワーダイブで戦闘を離脱することも可能です。軽戦の良さと重戦の良さを昭和20年の段階ではどれも凡庸とはいえバランスよく兼ね備えている点が魅力なのだと思います。


1575 [1574] [1579] [1577]
編隊も組めない腕で空戦できるかなぁ?
SADA(99/8/10 15:11)

> 「新米パイロット」の定義も結構あいまいだと思います。
>アメリカなんかだと、新米とはいえみっちり訓練を受けてそうだし、
>日本だと… だから一概には言えないと思います。

そこなんですよねぇ・・・。

> 訓練を充分受けていない新米パイロットだと、編隊を組むのも
>大変なのではないでしょうか。
>新米パイロットが巴戦で敵機を撃墜できるとは思えませんが、
>バラバラになったとき少しでも軽快な方が生き延びる確率が
>高いような気がします。新米は敵を撃墜するより何より
>とにかく生き残るのが最優先ですから。

 編隊を組めないほどの腕なら、その前に戦闘機に乗せてもらえません!
ドイツ末期でも編隊だけは組めてたんですから!!もっとも、その編隊
をロッテに解かないで、編隊のまま向かってくるほど、全体の技量は
低下していましたが。ロッテに分けちゃうとほとんど全てのロッテが
経験者不在でいい餌になってしまうためでしょうね。

 ましてや、経験の無い新人パイロットが格闘戦で孤軍奮闘するのは
それこそ犬死にです。軽快性の優先度はあまり高いものではありません。

 防弾・上昇力、降下速度が一番大事です。日本戦闘機には共通して、
横転性の低さという問題が有ります。その結果、急降下に入るまでの
時間がかかる、という欠点につながっています。スパンが零戦と同じ12mと
いう結構大きい値である3式、5式では、その欠点はさらに拡大されます。

>それに、操縦がやさしい方が、訓練や離着陸と言った戦闘以外で
>飛行機を壊す可能性が低いですし
>(四式戦や紫電改を装備した部隊は訓練や離着陸でかなり
>壊しているようです、米軍のような圧倒的な物量があれば
>問題ではないのかもしれませんが)。

 実は、末期の日本機のほとんどは脚の弱さで泣かされてます。
4式や紫電改だけの問題というわけでは有りません。粗悪な
材料によって末期では品質は更に悪化したともいわれてます。
脚柱は官給品ですので、3式や5式だけが特別、ということも
ありません。3式のころに、川崎が貯め込んだ首無し飛燕に
装備した脚柱の質がまだよかったのでしょう。5式も量産を
続けていくうち脚に泣かされるようになるのはそう遠く
無かったと言えます。その前に終戦を迎えちゃったのですが。

> もっとも五式戦は一撃離脱戦法にも使えますし、機体強度が
>充分あるのでパワーダイブで戦闘を離脱することも可能です。
>軽戦の良さと重戦の良さを昭和20年の段階ではどれも凡庸とは
>いえバランスよく兼ね備えている点が魅力なのだと思います。

というより、空戦の理想は一撃離脱です。格闘戦は敵が気づいて回避し、
その回避に追従して起こる戦闘形態ですから。その理想の状況ですら
新人ならばうちもらすこともあるわけですから、逃げる手段がある、
ということが新人の為の戦闘機には必要です。

 で、旋回機動。これはエネルギーをロスするだけの機動です。
集団で寄ってたかられたら、海面にまで追い落とされいずれは
撃墜されます。下手なパイロットから先に狙うのがスコアを延ばす
コツですから、そういう局面にさらされないとも限りません。

 よって、
 ・水平速度で勝る
 ・上昇力で勝る
 ・降下速度で勝る
 のいずれかしかとる手段はないのです。
 5式と2式単戦を比べると、
 水平速度:2式の勝ち
  上昇力:2式の勝ち
 降下速度:同程度
 と、ほぼ全面的に2式の方が優れています。
 米軍機の物量の前では5式も2式も似たようなものでしょうが、
それでもまだ上昇力が5式比で極めて大きく、時速で20km/h勝る
2式の方がまだ「まし」と思います。


1579 [1575] [1582] [1580]
re:編隊も組めない腕で空戦できるかなぁ?
yari(99/8/10 16:17)

>  編隊を組めないほどの腕なら、その前に戦闘機に乗せてもらえません!
> ドイツ末期でも編隊だけは組めてたんですから!!もっとも、その編隊
> をロッテに解かないで、編隊のまま向かってくるほど、全体の技量は
> 低下していましたが。ロッテに分けちゃうとほとんど全てのロッテが
> 経験者不在でいい餌になってしまうためでしょうね。

いや、編隊を組んだまま、戦闘するのが難しいと言う意味です。日本のパイロットは戦闘開始前までは何とか編隊を組んでいても、戦闘にはいるとすぐバラバラになってしまったらしいですから。

>  ましてや、経験の無い新人パイロットが格闘戦で孤軍奮闘するのは
> それこそ犬死にです。軽快性の優先度はあまり高いものではありません。

 それはそうだと思いますが、敵(この場合アメリカ陸海軍機)は編隊空戦、一撃離脱戦法のエキスパートです、少数機かつ無線が不備で僚機や地上からのレーダー情報等の支援を受けにくい状況でバラバラになってしまうのなら、敵と同じ編隊空戦や一撃離脱戦法で対抗することを考えるより軽快性を重視した方がいいかなと思いまして。

>  実は、末期の日本機のほとんどは脚の弱さで泣かされてます。
> 4式や紫電改だけの問題というわけでは有りません。粗悪な
> 材料によって末期では品質は更に悪化したともいわれてます。
> 脚柱は官給品ですので、3式や5式だけが特別、ということも
> ありません。3式のころに、川崎が貯め込んだ首無し飛燕に
> 装備した脚柱の質がまだよかったのでしょう。5式も量産を
> 続けていくうち脚に泣かされるようになるのはそう遠く
> 無かったと言えます。その前に終戦を迎えちゃったのですが。

 同じ品質低下が起こったとしても、機体が軽い方がまだましだったのではと思いす。

> というより、空戦の理想は一撃離脱です。格闘戦は敵が気づいて回避し、
> その回避に追従して起こる戦闘形態ですから。その理想の状況ですら
> 新人ならばうちもらすこともあるわけですから、逃げる手段がある、
> ということが新人の為の戦闘機には必要です。

>  で、旋回機動。これはエネルギーをロスするだけの機動です。
> 集団で寄ってたかられたら、海面にまで追い落とされいずれは
> 撃墜されます。下手なパイロットから先に狙うのがスコアを延ばす
> コツですから、そういう局面にさらされないとも限りません。

>  よって、
>  ・水平速度で勝る
>  ・上昇力で勝る
>  ・降下速度で勝る
>  のいずれかしかとる手段はないのです。

 編隊空戦による一撃離脱が理想だというのは分かるのですが、日本の航空部隊はあらゆる面で編隊空戦に向いていません。無線や地上のレーダー施設等の邀撃管制システムを整えて、完調の四式戦や紫電改を大量に配備してしっかり訓練したパイロットを乗せて戦えればいいのですが・・・

>  5式と2式単戦を比べると、
>  水平速度:2式の勝ち
>   上昇力:2式の勝ち
>  降下速度:同程度
>  と、ほぼ全面的に2式の方が優れています。
>  米軍機の物量の前では5式も2式も似たようなものでしょうが、
> それでもまだ上昇力が5式比で極めて大きく、時速で20km/h勝る
> 2式の方がまだ「まし」と思います。

 え、そうなのですか。それなら二式単戦の生産を中止して四式戦に切り替えなければ良かったのに。
 でも、「五式戦より二式戦の方が高性能」と言うパイロットの証言は見たことがありません。うーん日本のパイロットは軽戦でないと駄目なのかなあ。


1582 [1579] [1584]
re:編隊も組めない腕で空戦できるかなぁ?
SADA(99/8/10 17:38)

> いや、編隊を組んだまま、戦闘するのが難しいと言う意味です。
>日本のパイロットは戦闘開始前までは何とか編隊を組んでいても、
>戦闘にはいるとすぐバラバラになってしまったらしいですから。

 陸軍の重戦闘機歓迎派のパイロットは逆に2式単戦・4式にとりつかれ、
編隊空戦もこなしたそうですが。陸軍の当時の主力戦闘機は1式であり、
主に97式から育った格闘戦命のパイロットが主流ですから、そういう
熟練にとっては編隊空戦など「かったるい」ということになっちゃったと
思います。
 「なんで撃墜戦果を自分で奪いに行けない戦闘隊形の必要があるのか?」
ということなんでしょう。

 陸軍の航空用兵側ではドイツの影響で軽戦闘機に早々に見切りを付けて
重戦闘機を次期主力にしようともくろんでいます。その手始めとして、
迎撃機のキ44(2式単戦)が開発され、その資産を流用した次期主力、
重戦闘機キ84が開発されています。

 そういう上の決定に対して軽戦闘機を好むパイロット側は
文句を言えません。階級が低すぎるからです。その反動として
重戦闘機であるキ44やキ84の評価が低いのではないかと
邪推してしまいます。

 逆に軽戦闘機である3式・5式に対しては無条件に褒め
称えたのではないでしょうか?

 実際にはキ44は同時代のMe109の最新型に追いつき、部分的に
追い越すほどの傑作局地戦闘機です。

 343空では前線の巴戦熟練パイロットでも紫電改で編隊空戦を
やらせてますから、ようは教育の熱意の問題です。最初から
編隊空戦を教えていれば、そういうふうに育っていくのです。

>  それはそうだと思いますが、敵(この場合アメリカ陸海軍機)は
>編隊空戦、一撃離脱戦法のエキスパートです、少数機かつ無線が
>不備で僚機や地上からのレーダー情報等の支援を受けにくい状況で
>バラバラになってしまうのなら、敵と同じ編隊空戦や一撃離脱戦法で
>対抗することを考えるより軽快性を重視した方がいいかなと思いまして。

軽快でもとりかこまれてしまえばそれまでです。何とかして敵より
速く(逃げる or あがる or 降りる)ことができれば、囲みから
抜け出せますが。囲まれているのはろくな空戦経験も無いパイロットと
いうことをお忘れなく。

>  同じ品質低下が起こったとしても、機体が軽い方が
>まだましだったのではと思いす。

2式の方が機体は軽いのです。着陸速度は速いですが、
これは慣れの問題です。はじめて配属された部隊が2式
単戦部隊なら、べつだん問題ではないと思います。Me109や、
Fw190より遅いのですから。熟練が1式と比較しすぎることが
問題を大袈裟にしています。

>  編隊空戦による一撃離脱が理想だというのは分かるのですが、
>日本の航空部隊はあらゆる面で編隊空戦に向いていません。無線や
>地上のレーダー施設等の邀撃管制システムを整えて、完調の四式戦や
>紫電改を大量に配備してしっかり訓練したパイロットを乗せて戦えれば
>いいのですが・・・

要撃レーダーが満足じゃないから上昇力の優れた機体で少しでも優位をとって、
数的に劣るから一撃だけかけて逃げよう、という考え方も有りますよね :-)

>  え、そうなのですか。それなら二式単戦の生産を中止して
>四式戦に切り替えなければ良かったのに。

 4式の誉が完全調子なら、2式単戦よりさらに20km/h速いです。
残念なのは、その完全調子を出すのが難しかったことですが。
 2式の弱点は他にも、武装がちょい劣る(12.7mm×4)、
航続力が小さい(1000km)というのも有ります。ま、
その代わり、とんでもない上昇力(6000mまで4.5分)が有りますが。
 5式が出てくるような末期になるとほとんど迎撃戦ですから、
こっちの方が重要ですよね。

>  でも、「五式戦より二式戦の方が高性能」と言うパイロットの証言は
>見たことがありません。うーん日本のパイロットは軽戦でないと駄目
>なのかなあ。

 軽戦闘機に洗脳されていた、というのが本当のところでしょう。
つまり、もし日本の大多数のパイロットが欧州に突如ワープさせ
られたとしたら、初陣パイロットよりなおタチが悪い。


1584 [1582] [1593]
日本の航空部隊に本格的な編隊空戦ができたのでしょうか
yari(99/8/11 01:30)

>  陸軍の重戦闘機歓迎派のパイロットは逆に2式単戦・4式にとりつかれ、
> 編隊空戦もこなしたそうですが。陸軍の当時の主力戦闘機は1式であり、
> 主に97式から育った格闘戦命のパイロットが主流ですから、そういう
> 熟練にとっては編隊空戦など「かったるい」ということになっちゃったと
> 思います。
> 「なんで撃墜戦果を自分で奪いに行けない戦闘隊形の必要があるのか?」
> ということなんでしょう。

え、陸軍の戦闘機隊で編隊空戦をこなせた隊があったのですか。知りませんでした。編隊空戦で米軍に対抗するのは無理なので、ロッテ戦と格闘戦を組み合わせた戦法を研究していたという話は見たことがあるのですが。どこの戦隊かご存じでしたら御教示ください。

>  陸軍の航空用兵側ではドイツの影響で軽戦闘機に早々に見切りを付けて
> 重戦闘機を次期主力にしようともくろんでいます。その手始めとして、
> 迎撃機のキ44(2式単戦)が開発され、その資産を流用した次期主力、
> 重戦闘機キ84が開発されています。

 84はもちろん重戦ですが、44ほど極端な設計にはなってはいないと思うのですが。設計段階でわざわざ翼面積の大きな主翼に換装しているぐらいですから、格闘性能を完全には捨ててはいないと思いますが。

>  そういう上の決定に対して軽戦闘機を好むパイロット側は
> 文句を言えません。階級が低すぎるからです。その反動として
> 重戦闘機であるキ44やキ84の評価が低いのではないかと
> 邪推してしまいます。

>  逆に軽戦闘機である3式・5式に対しては無条件に褒め
> 称えたのではないでしょうか?
 
 実戦部隊のパイロットだけではなく、97戦から五式戦まで、あらゆる戦闘機に搭乗し、発言力の強い審査部や明野の偉い人達も五式戦を絶賛していました。
 それでも手放しで褒め称える事はなく、三式戦1型は上昇力の不足、五式戦は機首を短縮したことからくる縦の安定性の悪化を指摘していたはずです。

>  343空では前線の巴戦熟練パイロットでも紫電改で編隊空戦を
> やらせてますから、ようは教育の熱意の問題です。最初から
> 編隊空戦を教えていれば、そういうふうに育っていくのです。

比較的練度の高いパイロットをかき集めてきて、無線を整備して彩雲を揃えて、あの戦況の中周囲の状況お構いなしであれだけしっかり訓練をできれば、確かにそうかもしれませんが、あれだけ優遇されながら、343空が50機台の戦闘機を送り出せたのは最初の1回だけで、後は2〜30機台だったことを考えると日本の航空隊が本格的な編隊空戦を実行できたかというのには疑問符がつくと思います。
 それに紫電改は速度はそんなに速くないですし、上昇力も良くないですし、自動空戦フラップを付けて格闘性能にもこだわっている点を考えると、本当に編隊空戦、一撃離脱戦法に向く機体だったのかなあと思います。

> 軽快でもとりかこまれてしまえばそれまでです。何とかして敵より
> 速く(逃げる or あがる or 降りる)ことができれば、囲みから
> 抜け出せますが。囲まれているのはろくな空戦経験も無いパイロットと
> いうことをお忘れなく。
> 要撃レーダーが満足じゃないから上昇力の優れた機体で少しでも優位をとって、
> 数的に劣るから一撃だけかけて逃げよう、という考え方も有りますよね :-)

 五式戦だと、上昇力はF6Fを上回っていたようなので、囲まれても高度の優位を失わずに離脱できそうですし(もっとも、入れ替わり立ち替わり攻撃されたら辛いでしょうけど)、少しでも優位をとって、数的に劣るから一撃だけかけて逃げよう、という戦法もとれたのではないかと思います。


1593 [1584] [1595]
re:日本の航空部隊に本格的な編隊空戦ができたのでしょうか
SADA(99/8/11 10:29)

> え、陸軍の戦闘機隊で編隊空戦をこなせた隊があったのですか。
>知りませんでした。編隊空戦で米軍に対抗するのは無理なので、
>ロッテ戦と格闘戦を組み合わせた戦法を研究していたという話は
>見たことがあるのですが。どこの戦隊かご存じでしたら御教示ください。

 編隊空戦は嘘かも。単なる一撃離脱戦だったかもしれない。
今日職場に(爆)持ち込んでいる資料が「第二次大戦軍用機ハンドブック」
なんで、そこの記述から行くと、2式を使いこなした例としては、
緒戦に東南アジアに派遣された「かわせみ部隊」や、末期の帝都防空戦
まで幅広く活躍した・・・とあるのですが。

他にあったのかなぁ・・・。

>  84はもちろん重戦ですが、44ほど極端な設計にはなっては
>いないと思うのですが。設計段階でわざわざ翼面積の大きな
>主翼に換装しているぐらいですから、格闘性能を完全には捨てては
>いないと思いますが。

 それを言ったら、44だって空戦フラップを付けてるわけですから、
格闘性能を完全には捨ててないですよね。:-)

 実際に、Me109に巴でほぼ勝ちましたし(優位に追い回しながら
雲に逃れられた)。

 日本の重戦闘機は一撃離脱を重視しながらも、どこかで格闘戦を
捨て切れてないのです。44よりもさらに巴を捨てたはず
(空戦フラップの類が全く無い)の雷電で、巴をやってF6Fを
撃墜した例も有りましたし。

>  実戦部隊のパイロットだけではなく、97戦から五式戦まで、
>あらゆる戦闘機に搭乗し、発言力の強い審査部や明野の偉い人達も
>五式戦を絶賛していました。

 97戦から・・・ですか。軽戦闘機に染まった人たちですね。こういう
人がキ44やキ84を云々する資格はないです。練習過程を終えて、
初めての戦闘機が44というようなパイロットでも平気で着陸できた、
という話が伝わってますから、44の「着陸の難しさ」は誇大にすぎるのです。
 逆に、甘い43になれてしまったベテランは44を「恐い戦闘機だ」と
思ったとか。初めての戦闘機が迎撃限定・少数配備の44だったか、
主力の43だったかによって評価が180度入れ替わる戦闘機です。

 そして、新米にはそういう先入観など無いですから、もうあとは空中
性能で「攻撃する手段(敵が来襲する前に優位を確保できる驚異的上昇力・
降下力)」「逃げる手段(速力・驚異的上昇力・降下力)」を用意して
いる戦闘機の方がいいんです。

> 343空が50機台の戦闘機を送り出せたのは最初の1回だけで、
>後は2〜30機台だったことを考えると日本の航空隊が本格的な
>編隊空戦を実行できたかというのには疑問符がつくと思います。

 20機も出れば十分に編隊空戦が可能ですがね。

>  それに紫電改は速度はそんなに速くないですし、上昇力も
>良くないですし、自動空戦フラップを付けて格闘性能にも
>こだわっている点を考えると、本当に編隊空戦、一撃離脱戦法に
>向く機体だったのかなあと思います。

 降下速度では雷電を凌いでます。でこぼこ表面の層流翼は、
失速特性が悪そうで、空戦フラップが無ければ格闘戦など
できそうに見えません。空戦フラップによって海軍の
パイロットの格闘性能要求を満たせた機体、というのが
正直なところだと思います。その結果、戦法を選ばず、
一撃離脱も格闘戦もできる、新米が乗っても大丈夫な
機体になったのですが。

 一撃離脱特性は、海軍では雷電に次ぐ。そして、雷電ほど
操縦は厳しくない。本格重戦闘機4式をやや格闘戦寄りに
チューンした。そういう性格の機体だったと思います。
 当時の主力は陸軍は4式、海軍はいまだに零戦だった事を
忘れないでください。

>  五式戦だと、上昇力はF6Fを上回っていたようなので、
>囲まれても高度の優位を失わずに離脱できそうですし
>(もっとも、入れ替わり立ち替わり攻撃されたら辛いでしょうけど)、
>少しでも優位をとって、数的に劣るから一撃だけかけて逃げよう、
>という戦法もとれたのではないかと思います。

「第二次大戦軍用機ハンドブック」では、F6Fは毎分1040m。5式は
5000mまで6分なんで、上回ってないんじゃないかなぁ・・・。


1595 [1593] [1597]
re:実力で勝る敵を倒すには
dg(99/8/11 11:58)

>  そして、新米にはそういう先入観など無いですから、もうあとは空中
> 性能で「攻撃する手段(敵が来襲する前に優位を確保できる驚異的上昇力・
> 降下力)」「逃げる手段(速力・驚異的上昇力・降下力)」を用意して
> いる戦闘機の方がいいんです。

>> 343空が50機台の戦闘機を送り出せたのは最初の1回だけで、
>>後は2〜30機台だったことを考えると日本の航空隊が本格的な
>>編隊空戦を実行できたかというのには疑問符がつくと思います。

>>  それに紫電改は速度はそんなに速くないですし、上昇力も
>>良くないですし、自動空戦フラップを付けて格闘性能にも
>>こだわっている点を考えると、本当に編隊空戦、一撃離脱戦法に
>>向く機体だったのかなあと思います。

>  降下速度では雷電を凌いでます。でこぼこ表面の層流翼は、
> 失速特性が悪そうで、空戦フラップが無ければ格闘戦など
> できそうに見えません。空戦フラップによって海軍の
> パイロットの格闘性能要求を満たせた機体、というのが
> 正直なところだと思います。その結果、戦法を選ばず、
> 一撃離脱も格闘戦もできる、新米が乗っても大丈夫な
> 機体になったのですが。

>  一撃離脱特性は、海軍では雷電に次ぐ。そして、雷電ほど
> 操縦は厳しくない。本格重戦闘機4式をやや格闘戦寄りに
> チューンした。そういう性格の機体だったと思います。
>  当時の主力は陸軍は4式、海軍はいまだに零戦だった事を
> 忘れないでください。

>>  五式戦だと、上昇力はF6Fを上回っていたようなので、
>>囲まれても高度の優位を失わずに離脱できそうですし
>>(もっとも、入れ替わり立ち替わり攻撃されたら辛いでしょうけど)、
>>少しでも優位をとって、数的に劣るから一撃だけかけて逃げよう、
>>という戦法もとれたのではないかと思います。

> 「第二次大戦軍用機ハンドブック」では、F6Fは毎分1040m。5式は
> 5000mまで6分なんで、上回ってないんじゃないかなぁ・・・。

硫黄島から飛んでくるP-51でも、近海の空母から飛んでくるF6Fでも、
飛行機の性能・平均的な飛行士の技量・数、いずれの面でも、当時の
日本の迎撃戦闘機隊の実力を上回っていた・と思います.

此奴らを倒すには、送り狼作戦しかないと思うのですが.
米戦闘機の群れを見つけ、それを監視し続ける.
彼らは増槽を落とし、地上目標の銃撃を始める(F6Fは、新潟近海の
船を銃撃するほど、侵入していた).
この段階では、機材の品質も、平均錬度も低下していた日本防空部隊では
かなわない.

地上を荒らし回った米戦闘機も、いずれ帰り道につく.
この期を狙って、日本戦闘機は、戦闘態勢をとり、
上から下から襲撃する.米機は、それなりに搭乗員も疲労しているだろうし、
帰りの燃料も心配.

これがうまくできた部隊が「活躍し、戦果を上げた」といわれ、できなかった
部隊は、被害を重ねた、ということのように思います.
いま伝えられている戦記は、それが飛行隊上層部にいた将校のものだと
自分達の作戦指導の是非にかかわるので、そのへんが明らかにされていない
可能性がある(機体のせいにしたり、搭乗員のせいにしたり)し、
現場指揮官くらすの手記だと、地上を荒らし回る米機に手を出さずにいると、
「臆病もの」などといわれかねないにで、そのへんにはふれず・とか、
下っ端飛行士だと、「なんで、あれを攻撃しないんだ」とか血気にはやった
立場からのものが多そうだし・・・


1597 [1595] なし
日本機では追撃が難しい
SADA(99/8/11 12:52)

> 硫黄島から飛んでくるP-51でも、近海の空母から飛んでくるF6Fでも、
> 飛行機の性能・平均的な飛行士の技量・数、いずれの面でも、当時の
> 日本の迎撃戦闘機隊の実力を上回っていた・と思います.

実際、そのとおりでしょう。

> 地上を荒らし回った米戦闘機も、いずれ帰り道につく.
> この期を狙って、日本戦闘機は、戦闘態勢をとり、
> 上から下から襲撃する.米機は、それなりに搭乗員も疲労しているだろうし、
> 帰りの燃料も心配.

 敵の帰途を狙って要撃しても、P51の巡航は580km/h。
追撃戦では、追う側は追われる側の1.5倍優速が望ましいと
言われています。つまり、ほとんど捕捉できません。
 P51より巡航が遅いF6Fにしても、フルスロットルで
引き離されたらそれまでです。
 仮にその戦い方をするにしても、とりあえず、上昇力と最高速度が
高い事が望ましいでしょう。だから2式、となるわけです。


1580 [1579] なし
私が5式を信頼しない訳・・・枯れてない(^^;;
SADA(99/8/10 17:06)

タイトルについて。

 どんな兵器でも、それが用兵側にとって使いやすい兵器であれば
歓迎されます。しかし、人間の欲に限りが無い以上、その兵器の
欠点を見つけ出してしまい、その克服を迫るのが常です。その不満に
対し一通りの対応をした(枯れた)ものが、一応の完成形となるわけ
です。で、3式のエンジンが足りないから金星をつけた、という即席
兵器に対し、不満の声が聞こえなかったのがすごい疑問なわけです。
「はたして、ほんとうにその兵器を使い込んでいるのかいな?」
と。

 あれだけ大好評を博した零戦も速力向上、高速時の横転性改良の
要望が高まったのです。後半からの防弾装備は敵に対応してやむを得ず、
でしたけど。なんの声もあがらなかった5式は、本当にパイロットが
言う通りの万能の機体だったのかな、と。

 ちょっと気になる点としては、
 ・大アスペクト比ゆえの横転性の低さ
 ・低下した速力
 このぐらいはカタログや写真から読み取れますが、他にも3式で
暴ききれなかった欠点、空冷に換装することによる欠点が有ったかも
しれません。

 それら探求する時間も無いうちに日本は敗戦を迎えたわけですから、
手放しに5式を陸軍最高の戦闘機、と呼ぶことに抵抗を覚えるのです。


1577 [1575] [1598]
二式よりは五式
ささき(99/8/10 15:38)

>  米軍機の物量の前では5式も2式も似たようなものでしょうが、
> それでもまだ上昇力が5式比で極めて大きく、時速で20km/h勝る
> 2式の方がまだ「まし」と思います。
うーん、どうでしょうかねぇ。
確かに鍾馗の加速力と上昇力は日本機の中では雷電と並んでズバ抜けて
いますが、でか頭と高翼面過重による離着陸の困難さは、97戦で
教育を受けたパイロットには御しがたいものだったのではないでしょうか。
末期の空中戦というと、私は来襲する艦載機や戦爆連合を受け身で
迎撃するスタイルを想定してしまいます。先に高度の優位を取っていれば
鍾馗の真価も発揮できるでしょうが、おっとり刀で飛び出せばカモになる
ばかりに思えるのですが。いくら鍾馗の上昇力や加速性が優れていると
いってもあくまで対日本機の話で、相手が F4U や P51 なら明らかに不利
でしょう。まだしも五式でヒラヒラ回避しているほうが生き残るチャンスが
ありそうに思えます。
…なんて言うのは硫黄島で坂井三郎氏が見せた「12対1」の印象が
強烈すぎるのかも知れません。新米に坂井氏のような絶妙の回避ができる
はずもなく、よってたかって袋叩きにされるだけでしょうね。うむむ…(-_-;

「末期日本防空戦のような絶望的な戦闘に新米は出さないこと!」

と言っては身も蓋もありませんケド。数と体勢で勝っていれば重戦一撃
離脱も功を奏するでしょうが、圧倒的不利ならば離脱しようにも離脱する
先がないので、軽戦で逃げ回ったほうがいいように思えます(少なくとも
FSMではその傾向が強いです)。実際の空戦ではどうなのかわかりませんが…。


1598 [1577] [1615] [1603]
五式よりは二式
SADA(99/8/11 14:39)

> うーん、どうでしょうかねぇ。
> 確かに鍾馗の加速力と上昇力は日本機の中では雷電と並んでズバ抜けて
> いますが、でか頭と高翼面過重による離着陸の困難さは、97戦で
> 教育を受けたパイロットには御しがたいものだったのではないでしょうか。

 実は、軽戦闘機での戦歴の長いパイロットはこれを酷評したそうなんですが、
新米パイロットは「着陸がやりずらいとは思わなかった」というんですね。
見た目ほどひどいものではなさそうで。

 雷電にしてもそうですが、いかにパイロットの保守性が迎撃重戦の
出番を摘み取ったかと思うと・・・。

 もっとも、雷電は無茶な機動をするとすぐ失速する傾向が有り、
パイロットは「悪い飛行機に乗せられた」という印象を抱いていた、
という記述が碇義郎著「紫電改」にあります。
 重戦の戦い方を知らないと飛ぶのが危険、という飛行機ですから、
その分は2式よりは熟練者向けだったといえます。

> 末期の空中戦というと、私は来襲する艦載機や戦爆連合を受け身で
> 迎撃するスタイルを想定してしまいます。

 わたしもそうです。(^^;;サイレンが鳴り響く中、
あわただしくエンジンをまわす整備員、コクピットに
飛び込むパイロットの姿・・・

敵機が来襲する前にどこまで高度を取れるかが勝負です。

> 先に高度の優位を取っていれば鍾馗の真価も発揮できるでしょうが、
>おっとり刀で飛び出せばカモになるばかりに思えるのですが。いくら
>鍾馗の上昇力や加速性が優れているといってもあくまで対日本機の話で、
>相手が F4U や P51 なら明らかに不利でしょう。まだしも五式でヒラ
>ヒラ回避しているほうが生き残るチャンスがありそうに思えます。

 職場に持ち込んでる(爆)資料が「二次大戦機ハンドブック」しか
無かったので、それから見る限り、2式単戦の上昇力はF7FやF8Fに対して
大きく劣るものの、F6FやP51よりわずかに優れているようです。(F4Uに
関しては数値が無かったです)


1615 [1598] [1629]
使い方の問題かも
ささき(99/8/15 04:16)

アリゾナの砂漠をドライブしながら五式や F6F のことを考えていました。
坂井三郎の「硫黄島 12 vs 1 の死闘」を何度も反芻しながら。

F6F はこの時の相手を「ヘタクソ揃いでバカの一つ覚えみたいに
急降下をかけてきた」と回想しています。坂井氏はこれを低速の
左旋回(零戦のフライトエンベロープが最高に発揮される領域)で
回避しつづけ、何度か F6F の背後を取って反撃すら試みています。
しかし、反撃は「後方に別の一機が」付けていたために失敗します。
見方をかえれば、急降下しか知らないヘタクソでもサッチ・ウェーブ
による相互防御だけは叩き込まれており、バカの一つ覚えの繰り
返す限りにおいて、ヘタクソの乗った F6F は超ベテラン坂井氏の
乗る零戦に対して優位を保てたのです。

F6F はこういう使い方をするべき機体であり、こういう使い方が
実践されたからこそ太平洋で勇名を馳せたのだと思います。
しかし興味ぶかいのは、F6F は対零戦必勝兵器として設計された
わけではない、という事実です。F4F のパワーアップ版にすぎず、
特にこれといった欠点もないかわりにズバ抜けた高性能でもない
平凡機。この平凡機をどう使えば「空飛ぶ芸術品」である零戦に
勝てるのか、米軍は実戦レポートの研究な鹵獲零戦との模擬空戦を
通じてシステマティックに解析し、その結果をマニュアル化し、
戦闘機教練過程に組み込んで徹底し叩き込んだようです。

対して日本軍はカタログ的に「より優れた戦闘機」を作ることに
血眼になりすぎ、「使い方」の研究は現場パイロットの独力に
任されてしまった感があります。
雷電や鍾馗は優れた潜在力を持ちながらも、一部航空隊のベテラン
しかその本当の使い方を知らず、そのノウハウを中央で吸い上げて
マニュアル化し普及させるような努力はついぞ行われずじまいでした。

五式戦が「名機」と呼ばれるのは、発動機の信頼性や程々の武装・防御の
バランスももさることながら、97戦以来確立してしまった陸軍的な空戦
技法に(偶然ながら)最適の空戦性能を備えた機体だったからではないで
しょうか?

こういう機体が終戦まぎわに登場し、評価されてしまったこと自体が
日本の国力の限界を示しているように思えます。


1629 [1615] [1631]
re:使い方の問題かも
SUDO(99/8/17 02:17)

> 対して日本軍はカタログ的に「より優れた戦闘機」を作ることに
> 血眼になりすぎ、「使い方」の研究は現場パイロットの独力に
> 任されてしまった感があります。
> 五式戦が「名機」と呼ばれるのは、発動機の信頼性や程々の武装・防御の
> バランスももさることながら、97戦以来確立してしまった陸軍的な空戦
> 技法に(偶然ながら)最適の空戦性能を備えた機体だったからではないで
> しょうか?

となると
既存の方法論の延長で、それなりに運用出来る5式の方が
運用方法から新たに作成しなければならない2式よりも
総合的には良いのではないでしょうか(笑)

それと、5式を装備した部隊が
3式と屠龍からの転換だってのも重要です
とくに2式複戦って、完全に「重戦闘機」ですよね
つまり5式の部隊は重戦に馴れた連中が運用してたのでは無いでしょうか?

また、整備性はどうでしょうか?
あの疾風を100%稼働させた47戦隊ですら
2式の稼働率は8割程度だったのです
他の部隊で運用したら3式戦や4式戦と似たようなコトになったのでは?

鐘馗を使いこなせるだけの潜在力は日本に無かったのかも・・・・


ちなみに、私は5式よりも鐘馗の方が好きですからね(笑)


1631 [1629] [1639]
re:使い方の問題かも
ささき(99/8/17 05:52)

> となると
> 既存の方法論の延長で、それなりに運用出来る5式の方が
> 運用方法から新たに作成しなければならない2式よりも
> 総合的には良いのではないでしょうか(笑)
そうなんですよね。「使い方」の問題まで視野に入れると、
もはや機体の問題ではなくなってしまうんですよね。
アメリカがやったようなマスプロ方式による中庸パイロットの
大量生産というのは、日本は真似したくてもできなかったし、
仮に真似したとしても…国力が圧倒的に違うのだから、
同じ手を使って勝てるわけがないのですよね。
そもそもアメリカ相手に正面から喧嘩売ろうってのが間違い、と
言ってしまえば元も子もないのですが。短期決戦で局地的な勝利を
得て講和に持ち込むなら軽戦+熟練の少数精鋭パイロットでも立派な
戦果が上がることは実戦で証明されていて、悪いのはその勝利に味を
占めてズルズル長期戦に突入してしまったことですよねぇ。

> それと、5式を装備した部隊が
> 3式と屠龍からの転換だってのも重要です
> とくに2式複戦って、完全に「重戦闘機」ですよね
> つまり5式の部隊は重戦に馴れた連中が運用してたのでは無いでしょうか?
うーん、どうでしょう。屠龍は重い飛行機ですが決して高速一撃離脱の
機体ではないし、いわゆる「重戦」とは言いがたいような気がします。
むしろ単発機の軽快さに喜んで旋回戦闘を好みそうに思いますが。

> また、整備性はどうでしょうか?
> あの疾風を100%稼働させた47戦隊ですら
> 2式の稼働率は8割程度だったのです
> 他の部隊で運用したら3式戦や4式戦と似たようなコトになったのでは?
それは知りませんでした。
「雷電」の稼働率が悲惨だったことは知っていましたが…。
なんせ機種転換訓練の必須項目に「エンジン停止時の不時着法」があるの
ですから、零戦から来た人は「エライ飛行機に乗せられたな」と思ったこと
でしょう(^_^;)
鍾馗は南方に出てそこそこ活躍もしているし、雷電はもちろん疾風や飛燕
よりはマシな稼働率を持っていると思っていたのですが。

> 鐘馗を使いこなせるだけの潜在力は日本に無かったのかも・・・・
そうかもしれませんね。基礎工業力、整備力、パイロット養成に必要な
潜在能力などを総合して考えると、アメリカのようにマニュアル化された
編隊一撃離脱でジワジワと相手を追いつめてゆく戦法は、日本は取り
たくとも取れない、あるいは取っても押し負けるという状態だったの
かもしれません。結局相手が悪かった…悪すぎたということなので
しょうか(;_;)

> ちなみに、私は5式よりも鐘馗の方が好きですからね(笑)
私は五式も鍾馗もあまり好きじゃないんです、本当のことを言うと(^_^;)


1639 [1631] [1643]
初心者に巴ができるかどうか、という原点に行き着く
SADA(99/8/17 11:07)

>> となると
>> 既存の方法論の延長で、それなりに運用出来る5式の方が
>> 運用方法から新たに作成しなければならない2式よりも
>> 総合的には良いのではないでしょうか(笑)
> そうなんですよね。「使い方」の問題まで視野に入れると、
> もはや機体の問題ではなくなってしまうんですよね。

 テーマは「新米パイロットにとって一番いいのは」ですので、
つまり、「ガッグル」向けの機体で一番いいのは、と考えて
いいと思います。そうなってくると末期日本では「急旋回せず
そのまま機首を引き上げれば絶対逃げ切れる」と簡潔に逃げる
手段を解説できる2式の出番のような気がします。

# F8FやF7Fが出てきたらそれも通用しないけど。

 果して新米にF6FやP51をきりきりまいさせるような巴戦が
できたかどうか・・・。5式となると、登場時期が時期だけに、
こういう議論になってしまうわけで。

 日本の場合は、実は5式でも2式でもなく、中国戦線〜太平洋戦初期の
「隼 or 零戦」が正解なのでしょう。
周囲にベテランがいるから、自分がヘマしてもカバーしてもらえるわけで。
下手すりゃ姿を見ただけで逃げ出すわけで。

>> また、整備性はどうでしょうか?
>> あの疾風を100%稼働させた47戦隊ですら
>> 2式の稼働率は8割程度だったのです
>> 他の部隊で運用したら3式戦や4式戦と似たようなコトになったのでは?

 他の部隊でもやはり8割稼動できるなら、3式や4式よりは
ずっとましだと思いますが。なかなか2式の稼働率の話は
あがってきません。ひどい機体だからあがってくるわけで、
2式の稼働率は当時としては平均的なものだったのでは
ないでしょうか?

>> 鐘馗を使いこなせるだけの潜在力は日本に無かったのかも・・・・
> そうかもしれませんね。基礎工業力、整備力、パイロット養成に必要な
> 潜在能力などを総合して考えると、アメリカのようにマニュアル化された
> 編隊一撃離脱でジワジワと相手を追いつめてゆく戦法は、日本は取り
> たくとも取れない、あるいは取っても押し負けるという状態だったの
> かもしれません。結局相手が悪かった…悪すぎたということなので
> しょうか(;_;)

 いいえ、取らなければならなかったのです。短い訓練時間で空戦できる
ように仕込めなかったからこそ、基礎操作だけ教えて特攻機に突っ込む
ような悲劇が生まれたのです。

 取る手段も、ドイツを手本にしていればいいわけで。

 じゃあなぜできなかったのか。やはり、隼や零戦で軽戦闘機が
成功しすぎたため、重戦闘機に対するアレルギーができてしまったのでしょう。


1643 [1639] [1645]
re:初心者に巴ができるかどうか、という原点に行き着く
yari(99/8/17 16:13)

どうもお久しぶりです。
別スレッドの件なのですが

>「第二次大戦軍用機ハンドブック」では、F6Fは毎分1040m。5式は
>5000mまで6分なんで、上回ってないんじゃないかなぁ・・・。

このサイトの「軍用機の話題コーナー」の胃袋3分の1さんのコーナーでは、F6F-3の上昇時間は4572mまで7分42秒とありました。ただ、上昇時間と上昇率は単純な比較はできないとのことです。五式戦で戦ったパイロットの方はF6Fより上昇性能は上だったと証言されていましたが、本当のところ戦闘状態での上昇力はどっちが上だったのか非常に興味があります。五式戦は旋回上昇性能が良かったそうですが、どうだったのでしょうか。

>  テーマは「新米パイロットにとって一番いいのは」ですので、
> つまり、「ガッグル」向けの機体で一番いいのは、と考えて
> いいと思います。そうなってくると末期日本では「急旋回せず
> そのまま機首を引き上げれば絶対逃げ切れる」と簡潔に逃げる
> 手段を解説できる2式の出番のような気がします。

 いかに上昇力が優れていても、単純な上昇に入って、速度が落ちてしまうと、もし少し高位に敵機がいた場合絶好の的になってしまいそうな気がします。上昇に入って速度が下がったF6Fを隼だったか三式戦1型だったかが狙い撃ちにしたとの戦記を昔読んだような気がします。

>  果して新米にF6FやP51をきりきりまいさせるような巴戦が
> できたかどうか・・・。5式となると、登場時期が時期だけに、
> こういう議論になってしまうわけで。

 97戦でそれなりに訓練を積んだパイロットなら、意外とできてしまうかもしれません。新米には空戦の状況を冷静に判断しなければできない編隊空戦、一撃離脱戦法より、がむしゃらに食らいついて行くだけの巴戦の方が向いてたかも・・・
昭和20年2月16日の米機動部隊による関東空襲では、バラバラで邀撃に上がった日本側もそれなりに善戦してたみたいですし。

>  他の部隊でもやはり8割稼動できるなら、3式や4式よりは
> ずっとましだと思いますが。なかなか2式の稼働率の話は
> あがってきません。ひどい機体だからあがってくるわけで、
> 2式の稼働率は当時としては平均的なものだったのでは
> ないでしょうか?

 47戦隊で整備を担当した刈屋大尉は、戦隊が二式戦から四式戦に機種改変したさい、「かえって整備が楽になった」と証言されています。あの悪名高い四式より、二式の方が難しかったのかな、と思ってしまいます。


1645 [1643] [1648]
五式伝説を打ち破れ?
SADA(99/8/17 18:01)

> このサイトの「軍用機の話題コーナー」の胃袋3分の1さんの
>コーナーでは、F6F-3の上昇時間は4572mまで7分42秒と
>ありました。ただ、上昇時間と上昇率は単純な比較はできないと
>のことです。

そのとおりです。しかし、その続きをご覧ください。
(以下引用)
「F6F」は2段2速過給器を備えるうえに、日本機には
装備されていない「中間冷却器(インタークーラー)」を
装備しているせいもあり、高空性能が「零戦」のそれを大幅に
上回ります。だから、実際は3000mを越えたあたりから
「F6F」の方が上昇率が良くなっていきます。つまり「零戦」は、
離陸滑走距離が短いのと低空での上昇率がよいという利点を
生かして3000mまでに大幅な貯金を作っておいて、
3000mから6000mの間にその貯金を少しずつ使い
つつも、貯金を使い果す前に6000mに到達する。
(引用終わり)

 つまり、零戦や5式のような軽戦闘機は「初期」上昇力が大きいので
あり、全般的な上昇力はむしろ低いものと考えられます。実際、
5式の上昇時間は3式より低下してますし。

 もっとも、縦の巴戦をやるぶんにおいてはそれで十分なのですが、
いざ逃げようとしたときに「上昇して離脱」という状況では使えない
でしょう。

 また、比較の相手はF6F-3ですが、F6Fの最多型がF6F-5ですので、
それと比較しないと。今日は資料を職場に持ち込んでないので
忘れましたが、5ですと水メタ噴射を使えませんでしたっけ?

 二式ほど桁外れの上昇時間になってくると、上昇力の面でも
問題ないとは思いますが。

>五式戦で戦ったパイロットの方はF6Fより上昇性能は上だったと
>証言されていましたが、本当のところ戦闘状態での上昇力はどっちが
>上だったのか非常に興味があります。五式戦は旋回上昇性能が良かった
>そうですが、どうだったのでしょうか。

 何度も書きますが、旋回性能のいい機体とは、旋回しても速度の
落ちにくい機体といえます。パイロットは旋回性能と回頭性能を
ごっちゃにして話している事が有りますので、注意が必要です。
(同様に、速力と加速力、上昇力と初期上昇力の混同にも注意が必要です。)

 三式から五式への変換において、出力増強は抗力の増加を
補えず、実質的な出力は低下したと私は見ています。
http://www.platon.co.jp/~vought/BBS/ap/flashviw.cgi?no=1613&reno=1611
 よって、そんな機体が三式より旋回性能や上昇性能が
いいわきゃありません。
 巴に持ち込んでも、三式・五式ともども翼幅12mという高アスペクト。
とても横転率がいい機体ではありません。反対側に離脱されてしまいます。

>  いかに上昇力が優れていても、単純な上昇に入って、
>速度が落ちてしまうと、もし少し高位に敵機がいた場合
>絶好の的になってしまいそうな気がします。

そりゃそのとおりです。
ですが、敵のいる方向に離脱はしませんよねぇ:-P

>  97戦でそれなりに訓練を積んだパイロットなら、
>意外とできてしまうかもしれません。新米には空戦の状況を
>冷静に判断しなければできない編隊空戦、一撃離脱戦法より、
>がむしゃらに食らいついて行くだけの巴戦の方が向いてたかも・・・

 そりゃ逆です。一撃離脱戦では後方の監視は寮機にまかせ、とにかく
しゃりむり突っ込むわけですから。逆に巴で敵の後ろに食いついている、
というのは、振り放されないように敵の機動を監視しつつ、自分も
やられないように後方も監視しなければならないわけですから、どっちが
楽かは自明の理ですよね。

 それに、「97戦でそれなりに訓練を積んだ」ということは、
「新米パイロット」の条件からかなり外れるように思うのですが。
本題からいってATsuさんが97戦で訓練を積めるとも思えませんし。

>  47戦隊で整備を担当した刈屋大尉は、戦隊が二式戦から
>四式戦に機種改変したさい、「かえって整備が楽になった」と
>証言されています。あの悪名高い四式より、二式の方が
>難しかったのかな、と思ってしまいます。

 でも、総じて4式の稼働率の悪さばかり喧伝されてますよね。
その辺に関する考察も欲しいところです。なにせ、2式の整備が
大変だった、という声は、4式や3式に比べるとずっと小さいよう
ですから。

# 実は二式はほとんど整備しなくても飛んじゃったのに、
# 四式は整備するのが前提で整備をしやすく作ってあった・・・・とか。
# それなのに、47戦隊の整備員がくそまじめで、二式だろうが四式だろうが
# 毎日整備を欠かさなかった・・・てなことになると、
# 「二式より四式のほうが楽だ」発言になりますよね :-)


1648 [1645] [1660]
re:五式伝説を打ち破れ?
丈夫(99/8/17 19:45)

>  でも、総じて4式の稼働率の悪さばかり喧伝されてますよね。
> その辺に関する考察も欲しいところです。なにせ、2式の整備が
> 大変だった、という声は、4式や3式に比べるとずっと小さいよう
> ですから。

> # 実は二式はほとんど整備しなくても飛んじゃったのに、
> # 四式は整備するのが前提で整備をしやすく作ってあった・・・・とか。
> # それなのに、47戦隊の整備員がくそまじめで、二式だろうが四式だろうが
> # 毎日整備を欠かさなかった・・・てなことになると、
> # 「二式より四式のほうが楽だ」発言になりますよね :-)


でも生産数は3式戦で2式単戦の2倍以上で、4式戦になると
3倍近いですよね。


1660 [1648] [1670]
数量の問題でもなさそう。
SADA(99/8/18 09:48)

> でも生産数は3式戦で2式単戦の2倍以上で、4式戦になると
> 3倍近いですよね。

発動機数でいくと100式重爆のU型にも装備されてますので、
(650機生産×2基)それに二式単戦U型の生産数(1150機以上)が
加わるとそれほどの大差はないです。

それなのに整備が大変という話はあがってこないんですよね。
数量の問題ではなさそうで。

航空機の整備の大半は発動機と火器に費やされると思いますが、
火器は却って混載している三式、四式の方が大変だと思いますし・・・。
かといって、発動機の問題も数が少ないから見過ごされた・・・ということも
無さそうですので、

> # 実は二式はほとんど整備しなくても飛んじゃったのに、
> # 四式は整備するのが前提で整備をしやすく作ってあった・・・・とか。
> # それなのに、47戦隊の整備員がくそまじめで、二式だろうが四式だろうが
> # 毎日整備を欠かさなかった・・・てなことになると、
> # 「二式より四式のほうが楽だ」発言になりますよね :-)

こういう想像をしてしまうわけで。(^^;;


1670 [1660] [1671]
re:数量の問題でもなさそう。
丈夫(99/8/18 15:50)

>火器は却って混載している三式、四式の方が大変だと思いますし・・・。

火器については混載で無い二式単戦はII型丙だけでは?
II型乙のホ301を装備してない機体は単一火器でしょうけど。

ちなみに、モデルアート臨時増刊の日本航空機辞典・上巻には
二式単戦については整備作業の困難さ、発動機の不調、百式重爆
については、稼働率が97式重爆に劣る、取り扱いが不便等の
記述がありました。


1671 [1670] なし
re:数量の問題でもなさそう。
SADA(99/8/18 16:39)

> 火器については混載で無い二式単戦はII型丙だけでは?
> II型乙のホ301を装備してない機体は単一火器でしょうけど。

おっしゃる通りっす。 二型=12.7mm統一、と思い違いをしてました。

> ちなみに、モデルアート臨時増刊の日本航空機辞典・上巻には
> 二式単戦については整備作業の困難さ、発動機の不調、百式重爆
> については、稼働率が97式重爆に劣る、取り扱いが不便等の
> 記述がありました。

 ふむ。誉ほどではないと思いますが、多かれ少なかれ整備が
面倒な点はあったようですね。

 相手は1500hp大型エンジンの傑作、火星。最終的には1850hp
程度まで成長する余裕の合ったエンジンです。比較対象も
悪すぎたのでしょう。素直に火星搭載の二式、百式が
出ていればよかったのですが。


1603 [1598] [1605]
re:五式よりは二式
W・アデマイド(99/8/12 00:54)

、2式単戦の上昇力はF7FやF8Fに対して
> 大きく劣るものの、F6FやP51よりわずかに優れているようです

鍾馗の上昇力は、少なくとも低高度では、P51をはるかに上まわっていたようです。P51は、高度にもよりますが、馬力加重が大きいので、6100mまで7分18秒と、はるかに劣速の零戦や紫電21型とほぼ同程度でしかないそうです。
 私は日本機の中では、2式単戦が一番好きな機体なので、これの3型として………護or火星2○型搭載+推力単排気管+重武装+(重量増加対応分の)翼面積増加………した機体が登場しなかったことは残念でなりません。米軍機相手でも、中高度までで好条件なら、結構良い勝負出来たかも知れません。史実の3型は誉なので、不可です。実質上意味無しですから。
 でも5式も、大戦末期の破滅的状況下では、「優れた」戦闘機だったと思います。悲しいですけど。


1605 [1603] [1611] [1609]
5式駄作疑惑。
SADA(99/8/12 19:49)

> 鍾馗の上昇力は、少なくとも低高度では、P51をはるかに
>上まわっていたようです。P51は、高度にもよりますが、
>馬力加重が大きいので、6100mまで7分18秒と、はるかに
>劣速の零戦や紫電21型とほぼ同程度でしかないそうです。

そうなんですか。米軍機は上昇率、日本機は高度到達時間で
上昇力をあらわす事がおおいので、比較するのが結構大変ですよね(^^;;

>  私は日本機の中では、2式単戦が一番好きな機体なので、
>これの3型として………護or火星2○型搭載+推力単排気管+
>重武装+(重量増加対応分の)翼面積増加………した機体が
>登場しなかったことは残念でなりません。米軍機相手でも、
>中高度までで好条件なら、結構良い勝負出来たかも知れません。

翼面積増加は必要ですかね?出力と火力強化だけで十分だと思いますが。
いずれにしても、P-51の巡航より遅い5式とは桁違いの戦闘能力を
持つに違い有りません。

>  でも5式も、大戦末期の破滅的状況下では、「優れた」
>戦闘機だったと思います。悲しいですけど。

実は、「どっち」の流れたページでいまだに残り火がくすぶってまして(笑)、
そこでのの意見の交換の結果、私には、
「陸軍の単発戦闘機の性能進歩は2式で終わってたんじゃないか」
と感じました。
 5式と2式のスペックを比べると、全備で重量は2式の方が300kg軽く、
発動機の定格もほぼ一緒、速度は2式の方が20km/h程速く、上昇力は
2式が大きく優る。旋回(回頭)性能は逆に5式が大きく優れる。

と、5式は2式に翼面積を足して遅くし、その分旋回性と少し武装を強化した。
同じポテンシャルに有りながら味付けを180度変えた。そういう機体に
思えるのです。

ですから、それが2年半も遅く出てくる事事体が間違っている駄作だと。
私にはそう思えてならないのです。


1611 [1605] [1613] [1612]
5式の機体より陸軍が………
FIX(99/8/12 23:44)

5式が日本陸軍最強戦闘機なわけないじゃないですか。
だってあれの設計、1943レベルでしょう。空力的には飛燕と同じで、エンジンその他の信頼性だけが頼り。誉のトラブルがなかったらまず疾風には勝てない機体です。

ただ、弁護させてもらえば5式の機体(≒飛燕のエンジン関係以外)は1943レベルの技術力としては非常によくできています。1943時点での米軍機と遜色ないと思います。1943の時点で、5式戦が飛燕のかわりに採用されていれば、重戦の2式、中戦の3式(=史実の5式)の組み合わせで、なかなかの戦果をあげてくれたはずです。誰もが認める整備の簡易さは、ニューギニアあたりの使用には向いていますし。

そう考えると、液冷の飛燕、なんて意味のない機体だったんでしょう。
日本の技術力では、いきなり液冷発動機付き航空機に挑戦は無理だったんですね。


1613 [1611] [1649]
開発力と量産能力と整備能力を分ける必要があります。
SADA(99/8/14 13:55)

> 5式が日本陸軍最強戦闘機なわけないじゃないですか。
> だってあれの設計、1943レベルでしょう。空力的には
>飛燕と同じで、エンジンその他の信頼性だけが頼り。
>誉のトラブルがなかったらまず疾風には勝てない機体です。

 実は、「どっち」でくすぶってるスレッドで書いたんですが、
三式から五式への変換は回頭性が高まっただけで、むしろ
戦闘機としての性能は全般的に低下した、と見るのが正解のようです。

 その証拠が「ソ連におけるLa-3からLa-5への変換例」にあります。
La-3からLa-5への空冷換装では、600hp増強され、時速は70km
増えています。つまり、空冷への転換による抵抗増加はそれほど
ひどいものではない、ということが証明されています。

 三式から五式への変換においては、La-5の600hp増加に対し300hpだけ
しか増えていないわけですから、百歩譲って増加しないというのを認め
るにしても(実際には微増してくれないと困る)、せめて速力の現状
維持程度はしてもらわないと困るのですが、実際には15km/hダウンと
なっています。

 つまり、空冷化の手法がまずかったと。私が五式を駄作と見るのも、
時期的な問題だけではなく、ここに一因があります。

 また、推力と抗力が釣り合ったところで最高速度が決まりますから、
実質的には出力低下、と見るべきです。
 実際、300kg軽くなったのにもかかわらず、上昇力は低下しました。
高度5000mまでの到達時間が30秒も遅くなっているのです。

 誘導抵抗は三式のまま、推力が減ったわけですから、旋回性能も
実際にはダウンした、と見るべきです。旋回性能のいい機体という
のは、同じ軌道をたどって旋回しても他の機体よりエネルギーの
失い方が少ない機体、ということですから。

 五式が得たのは操縦桿の意のまま自在に機首を振れる、回頭性だけ
なのです。
 回頭性のいい機体、というのは、言いかえれば舵が効く、
とも言えます。無理やり首を振れるわけですから、三式より無茶な
機動をすることは容易といえます。

 しかし、一度三式がその後を捕らえたら、たちまち三式が
追いつき、射撃位置につけてしまうでしょう。五式は無茶な
機動によってかわしますが、それはエネルギーを大幅に失うことに
なり、速度、あるいは高度で大きく劣ることになるのです。
 単機ならなんとか五式はかわしつづけられるでしょうが、
実戦なら無茶な機動で回避し、エネルギーを失ったところを
寮機に撃墜されるはずです。無茶な機動を連続して繰り返すと、
速力が低下し、無理やり機首を引き上げて回避しようとすると、
失速してしまうのです。

> ただ、弁護させてもらえば5式の機体(≒飛燕のエンジン関係以外)は
>1943レベルの技術力としては非常によくできています。1943時点での
>米軍機と遜色ないと思います。

日本のペラは欧米に対し15年から10年は遅れていました。そのうえ、
1200hpそこそこのエンジンです。それでむしろ591km/hも出せたのですから、
同時期の米英機より優れた設計と言えます。

>1943の時点で、5式戦が飛燕のかわりに採用されていれば、
>重戦の2式、中戦の3式(=史実の5式)の組み合わせで、
>なかなかの戦果をあげてくれたはずです。誰もが認める
>整備の簡易さは、ニューギニアあたりの使用には向いていますし。

 既にBUNさんが書いてますが、金星が1500馬力を出したのは
後のことです。あの当時で1500馬力以上で実績のあったエンジンは
護・火星・ハ109(2式単戦搭載)といった、大直径エンジンであり、
それを三式の機体に乗せるのは無理があったでしょう。それよりは、
2式の胴体で軽戦闘機を作るほうが早かったと思うのですが、
中島は夢の発動機、誉を積んだ新設計を開始していました。

> そう考えると、液冷の飛燕、なんて意味のない機体だったんでしょう。

 アメリカでは自動車が普及し、エンジンに対する知識も普及していて、
航空用のコツだけをつかめば誰でも整備員になれる、そういうお国柄だった
のに対し、日本はまだまだ自動車は金持ちの持ち物、エンジンなんて
入隊してされてはじめてみる、なんて人がほとんどです。その中でもさらに
ごくわずか、高稼働率を叩き出した部隊があったのですから驚きです。
 そういう部隊にだけ集中配備していれば、状況は若干ましだったかも
しれません。

> 日本の技術力では、いきなり液冷発動機付き
>航空機に挑戦は無理だったんですね。

 開発能力と製造・実用化能力、整備能力の大きな落差が
戦前日本の工業技術の特徴であり(例:八木アンテナ−>レーダー)、
この差が縮まらなかったことが、日本機の稼働率を引き下げる
要因だったと思われます。


1649 [1613] [1654] [1651]
三式戦より五式戦のほうが上昇力が劣る?
yari(99/8/17 20:51)

『戦闘機「飛燕」技術開発の戦い』(碇義朗著)についてた諸元表によると、5000メートルまでの上昇時間は

三式戦一型 7分
三式戦二型 6分30秒
五式戦一型 6分

となっていました。

 また文中には「高空性能の良い司令部偵察機用のエンジンであるため上昇力も素晴らしく、1万メートルまでの上昇時間はキ61−U改にくらべ大幅に向上した」との記述もあります。
 空気抵抗は速度の二乗に比例して増加します。空力的に三式戦二型より劣る五式戦の最高速度が劣るのは分かりますが、レシプロ機が上昇中にそんなにスピードが出せるとはとても思えないので、三式戦二型とほぼ同出力で330kgも軽く、高空性能も悪くないエンジンを積んだ5式戦の上昇力が三式戦二型に劣るとは信じ難いです。


1654 [1649] [1661] [1659]
re:三式戦より五式戦のほうが上昇力が劣る?
フッフール(99/8/18 00:23)

> 『戦闘機「飛燕」技術開発の戦い』(碇義朗著)についてた諸元表によると、5000メートルまでの上昇時間は

> 三式戦一型 7分
> 三式戦二型 6分30秒
> 五式戦一型 6分

> となっていました。

>  また文中には「高空性能の良い司令部偵察機用のエンジンであるため上昇力も素晴らしく、1万メートルまでの上昇時間はキ61−U改にくらべ大幅に向上した」との記述もあります。
>  空気抵抗は速度の二乗に比例して増加します。空力的に三式戦二型より劣る五式戦の最高速度が劣るのは分かりますが、レシプロ機が上昇中にそんなにスピードが出せるとはとても思えないので、三式戦二型とほぼ同出力で330kgも軽く、高空性能も悪くないエンジンを積んだ5式戦の上昇力が三式戦二型に劣るとは信じ難いです。

はじめまして,フッフールです.このコーナーに書き込むのは初めてです.
yariさんが述べている「戦闘機飛燕技術開発の戦い」の275ページに書かれている「三式戦闘機一型の上昇時間:5000メートル/7分」というデータは,胴体に20ミリ機関砲を搭載するため機首を20センチ程延長して,自重がそれまでの一型乙の2380キログラムから2630キログラムに増えた一型丁のものです.
ちなみに,一型乙の上昇時間は5000メートル/5分30秒となっていますが,
実戦では上昇でF6Fを引き離そうとしても果たせず,追いつかれて撃墜(パイロットは無事)されてしまったというエピソード(244戦隊)があります.
おそらく,ハ40は試作品を除いて1175馬力なんて出していなかった(たとえベテラン整備兵ががんばっても材料や加工技術や補機類の面でオリジナルとは程遠いから)と思うのですがどうでしょうか.
それと五式戦についてですが゜,上昇力では確実に好調の三式戦を凌いでいたと思います.機首が多少太くなったくらいでペラの効率ってそんなに落ちないと思うのですが.それに五式戦の機首周りの設計ってオイルクーラーを除いてはそんなに問題ないと思いますが.あとハ112エンジンもハ140より軽く,しかもやや後ろに取り付けられていますし.
堀越二郎著:「零戦」に載っていたのですが五式戦は戦後米軍のテストで,「時速423マイルの優速機」と判定されたそうです.


1661 [1654] [1672] [1662]
re:三式戦より五式戦のほうが上昇力が劣る?
SADA(99/8/18 10:58)

まとめてレス。

>>  また文中には「高空性能の良い司令部偵察機用の
>>エンジンであるため上昇力も素晴らしく、1万メートルまでの
>>上昇時間はキ61−U改にくらべ大幅に向上した」との記述もあります。

生産数がT型に比べて皆無に近いU型と比べられても(^^;;

>>  空気抵抗は速度の二乗に比例して増加します。空力的に
>>三式戦二型より劣る五式戦の最高速度が劣るのは分かりますが、
>>レシプロ機が上昇中にそんなにスピードが出せるとはとても
>>思えないので、三式戦二型とほぼ同出力で330kgも軽く、
>>高空性能も悪くないエンジンを積んだ5式戦の上昇力が三式戦
>>二型に劣るとは信じ難いです。

でも実際に上昇時間は悪化してます。上昇力では5式は3式に劣ってるのです。

> はじめまして,フッフールです.このコーナーに書き込むのは
>初めてです.

いらっしゃいませ。けんけんがくがくの論争をするのがこの
コーナーの存在意義ですから、これからもどしどし書き込んでってください。

> yariさんが述べている「戦闘機飛燕技術開発の戦い」の275ページに
> 中略
>グラムに増えた一型丁のものです.

この上昇率の低下した一型丁をベースに二型、さらには二型改が作られ、
その首無しを5式に転用したんですね。
だから「三式よりは向上した。」という評価が出てくるわけか。

でも、一型の乙、丙よりは上昇力は落ちていたようで。

> ちなみに,一型乙の上昇時間は5000メートル/5分30秒となって
>いますが,

一型丙でもそのようです。マウザー20mm砲を翼に追加したタイプで、
火力では一型丁より若干優りそうです。搭載機銃のカタログは
12.7mm×2、20mm×2で一緒ですけど。

> 実戦では上昇でF6Fを引き離そうとしても果たせず,追いつかれて
>撃墜(パイロットは無事)されてしまったというエピソード(244
>戦隊)があります.

 ま、これは当然ですね。F6F-5の上昇力は毎分1050mでしたから、
3式だろうと5式だろうと追いつかれちゃいます。

> おそらく,ハ40は試作品を除いて1175馬力なんて
>出していなかった(たとえベテラン整備兵ががんばっても材料や
>加工技術や補機類の面でオリジナルとは程遠いから)と思うの
>ですがどうでしょうか.
> それと五式戦についてですが゜,上昇力では確実に好調の三式戦を
>凌いでいたと思います.

一型丁、二型(試作のみ)相手という意味でなら賛成。

二型改(こっちが三式の発動機強化型の本命だった)相手ならわからない。
多分負けると思う。

一型の甲乙丙相手なら確実に負ける。

二型は搭載エンジンの強化と、主翼、機体の大型化を図った、
と有るのに対し、二型改は主翼は一型丁のものを使っているため、
翼面馬力は二型よりも向上しているので。
50hp程5式より小さいようですが、空力的に優れた機首形状ですし。

>機首が多少太くなったくらいでペラの効率ってそんなに落ちないと
>思うのですが.それに五式戦の機首周りの設計ってオイルクーラーを
>除いてはそんなに問題ないと思いますが.

 んー、でも実際に1型より速度は遅くなってますので、
出力の増加は抵抗の増加に追いつけなかったのではないかと。
だから駄作だと思うわけで。

 600hp大きい空冷にして、La-5は70km/hも速くなったけど、
5式でも同様の事になる・・・とでも?
ということは、金星の直径であと300馬力あれば、戦時の日本で
660km/hの戦闘機が完成するということですけど・・・?

どうも信じがたい。だって、ペラ・発動機技術が格段に
進んでいるはずのドイツのFw190よりさらに速い事に
なっちゃいますから。

>あとハ112エンジンもハ140より軽く,しかもやや後ろに
>取り付けられていますし.

この文意味不明。後ろにつけたからどうだ、というのでしょ?
ここで話題にしている速力・上昇力に関係する話とは思えないのですが。


1672 [1661] [1678]
re:三式戦より五式戦のほうが上昇力が劣る?
フッフール(99/8/18 20:22)

> まとめてレス。

>>>  また文中には「高空性能の良い司令部偵察機用の
>>>エンジンであるため上昇力も素晴らしく、1万メートルまでの
>>>上昇時間はキ61−U改にくらべ大幅に向上した」との記述もあります。

> 生産数がT型に比べて皆無に近いU型と比べられても(^^;;

>>>  空気抵抗は速度の二乗に比例して増加します。空力的に
>>>三式戦二型より劣る五式戦の最高速度が劣るのは分かりますが、
>>>レシプロ機が上昇中にそんなにスピードが出せるとはとても
>>>思えないので、三式戦二型とほぼ同出力で330kgも軽く、
>>>高空性能も悪くないエンジンを積んだ5式戦の上昇力が三式戦
>>>二型に劣るとは信じ難いです。

> でも実際に上昇時間は悪化してます。上昇力では5式は3式に劣ってるのです。

>> はじめまして,フッフールです.このコーナーに書き込むのは
>>初めてです.

> いらっしゃいませ。けんけんがくがくの論争をするのがこの
> コーナーの存在意義ですから、これからもどしどし書き込んでってください。

>> yariさんが述べている「戦闘機飛燕技術開発の戦い」の275ページに
>> 中略
>>グラムに増えた一型丁のものです.

> この上昇率の低下した一型丁をベースに二型、さらには二型改が作られ、
> その首無しを5式に転用したんですね。
> だから「三式よりは向上した。」という評価が出てくるわけか。

> でも、一型の乙、丙よりは上昇力は落ちていたようで。

>> ちなみに,一型乙の上昇時間は5000メートル/5分30秒となって
>>いますが,

> 一型丙でもそのようです。マウザー20mm砲を翼に追加したタイプで、
> 火力では一型丁より若干優りそうです。搭載機銃のカタログは
> 12.7mm×2、20mm×2で一緒ですけど。

>> 実戦では上昇でF6Fを引き離そうとしても果たせず,追いつかれて
>>撃墜(パイロットは無事)されてしまったというエピソード(244
>>戦隊)があります.

>  ま、これは当然ですね。F6F-5の上昇力は毎分1050mでしたから、
> 3式だろうと5式だろうと追いつかれちゃいます。

>> おそらく,ハ40は試作品を除いて1175馬力なんて
>>出していなかった(たとえベテラン整備兵ががんばっても材料や
>>加工技術や補機類の面でオリジナルとは程遠いから)と思うの
>>ですがどうでしょうか.
>> それと五式戦についてですが゜,上昇力では確実に好調の三式戦を
>>凌いでいたと思います.

> 一型丁、二型(試作のみ)相手という意味でなら賛成。

> 二型改(こっちが三式の発動機強化型の本命だった)相手ならわからない。
> 多分負けると思う。

> 一型の甲乙丙相手なら確実に負ける。

> 二型は搭載エンジンの強化と、主翼、機体の大型化を図った、
> と有るのに対し、二型改は主翼は一型丁のものを使っているため、
> 翼面馬力は二型よりも向上しているので。
> 50hp程5式より小さいようですが、空力的に優れた機首形状ですし。

>>機首が多少太くなったくらいでペラの効率ってそんなに落ちないと
>>思うのですが.それに五式戦の機首周りの設計ってオイルクーラーを
>>除いてはそんなに問題ないと思いますが.

>  んー、でも実際に1型より速度は遅くなってますので、
> 出力の増加は抵抗の増加に追いつけなかったのではないかと。
> だから駄作だと思うわけで。

なるほど,ということは,五式戦の評価が高かったというのは,エンジンさえ完璧なら性能に勝るにもかかわらず,本来の性能を発揮していない三式戦よりはましだった,ということですね。


>  600hp大きい空冷にして、La-5は70km/hも速くなったけど、
> 5式でも同様の事になる・・・とでも?
> ということは、金星の直径であと300馬力あれば、戦時の日本で
> 660km/hの戦闘機が完成するということですけど・・・?

> どうも信じがたい。だって、ペラ・発動機技術が格段に
> 進んでいるはずのドイツのFw190よりさらに速い事に
> なっちゃいますから。

>>あとハ112エンジンもハ140より軽く,しかもやや後ろに
>>取り付けられていますし.
>                                  

この文意味不明。後ろにつけたからどうだ、というのでしょ?
> ここで話題にしている速力・上昇力に関係する話とは思えないのですが。

話題からずれてしまったようです。すみません。


1678 [1672] [1688] [1679]
re:三式戦より五式戦のほうが上昇力が劣る?(激長文)
SADA(99/8/19 11:35)

> なるほど,ということは,五式戦の評価が高かったというのは,
>エンジンさえ完璧なら性能に勝るにもかかわらず,本来の性能を
>発揮していない三式戦よりはましだった,ということですね。

昨夜職場から帰宅する前に見ていたんですが。一晩考えました。

結論から言えば、そのとおりです。

 一型丙で、20mmのマウザー砲を内蔵していましたので、それより
コンパクト・軽量弾丸で反動が少ないホ5を内蔵しても強度的問題は
なかったと思います。

 一型丙から先の機体はホ5を胴体に搭載するためだけに、胴体を
大型化して重量増加を招いた改悪ではないかとの疑念を抱いてます。
それを果たして2型/改で馬力増加した発動機で対応できたか。

 できなかったのでしょう。2型改より300kg軽くなった5式でさえも
上昇力で一型の甲乙丙に劣ったのですから。

 稼働率の話を抜きにすれば、三式は、「一型の甲乙丙は優秀機、
それ以降は出力増加にもかかわらず凡作化」と総括できると思います。

 五式は、「凡作の三式二型改よりはましだったのかもしれない」といえる
程度だと思います。速度には機体重量はあまり影響しませんから、速いのは
三式二型改であるのは確実だと思います。ハ140と金星の出力は同等ですが、
抗力の増加した分、5式は速度性能と高速旋回性能で劣るでしょう。
3式は液冷発動機ですので、高々度性能も劣るかもしれません
参考:
http://www.platon.co.jp/~vought/text/tuji05.htm

 逆に、300kg軽くなった分だけ、上昇力と低速旋回性能、回頭性で優る
はずです。

これに発動機の調子が入るから、「五式は三式より強い」になるのでしょう。
本調子の三式一型甲乙丙には五式は勝てないと思います。

次に、本題「末期日本で新米パイロットに最適の機体は何だったか」に
移ります。

・米軍は軽戦の巴に対する対策をしっかり立てていた

 零戦を捕獲する前から、米海軍のエースは零戦にはサッチ・ウィーブ
戦法で挑むようにし、自分が単機のときは逃げろ、というアドバイスを
していました。
 この指導が正しかった事は、米軍が零戦を捕獲し、テストをしたときに
裏付けられます。
 ・低速旋回性能は優れている
 ・初期上昇力がよく、出し抜けに500m程上昇して背後を取れる
  (いきなり宙返りできるってことかな?)
 ・高速で舵が重く、操縦困難に陥る
 ・防弾が皆無に等しい
 こうして、日本機と戦うときは編隊空戦を徹底する事を陸海軍自身の
手で・・・もっと具体的に言えば、促成パイロットの養成段階で
叩き込まれてます。どういう事かというと、坂井三郎のような歴戦の
エースが振り回さない限り(あるいは振り回しても)、お互いの後ろを
カバーし合って、隙を見せないのです。その証拠に、飛行性能において
すべて劣るはずのF4Fのスコアの方が、零戦にやられた数よりも多いのです。

 日米の新米のレベルが違うといってしまえばそれまでですが、
飛行性能が僅差で優る状態でこのありさまです。F6Fや、P51を装備した
中期以降では、巴戦で射撃チャンスを得る事は皆無に等しかった
でしょう。坂井三郎が12機に囲まれたときも、逃げ回るだけでなく、
反撃を試みるものの、後方に別の一機がカバーしていたために
失敗したのです。
 新米ならどうなるかは言うまでもないと思います。

・F6Fの旋回性能は零戦をしのぐ

 F6Fの「翼のちぎれそうな」高速旋回についていくのは
できなかったという台詞を複数のパイロットが語っています。

 旋回とは、進行方向に対し、横方向の力をかけることで向心力を
生み出して、曲がる事です。操縦捍を横に倒して、ロールしてから、
操縦捍を引けば、旋回します。このとき、操縦捍を倒す、という
行為は揚力を横に向け、引くという行為は進行方向に対して
迎え角を増して揚力を増大させることです。迎え角が増す以上、
抗力も増えます。つまり、高度一定で旋回をすれば、高度は
変わらないのに、速度が低下することになります。これを
回避するには、
 ・翼面荷重を軽くして迎え角が少なくても曲がれるようにする
 ・抗力に負けないくらい、発動機出力を増す
 ・抗力を減らす
 P51は空力的洗練によって、抗力を減らしました。
 F6Fは単なるF4Fのパワーアップ版にすぎませんが、出力が倍に
なり、さらに主翼面積も増やされたことは、重量増加分を補って
あまりあったのです。

 しかし、半径を小さくしてくると、少しでも迎え角を増さないと
その半径で回り切れませんから、回頭性が重要になってきます。
さらに旋回に必要な向心力は機体重量の倍、3倍となってきます。
 こうなると、出力倍増でも抗力減少でも追いつきません。翼面積
増大も同様です。機体を軽くするほうが効いてきます。
 ただ、そういう戦いには入らないよう米軍側は徹底されてますから、
この能力を生かす機会はあまり有りませんでした。

 五式戦の「旋回性がいい」というのは、この領域を指すと思われます。

・日本機は横転性が悪い。そのなかでも特に3式、5式、紫電系統が悪い

 日本では運動性がいい機体=回頭性がいい機体、とほぼ同義でしたので、
横転に関する話があまりされてきませんでした。アメリカでのテストの結果、
日本機中もっともいい雷電がF6Fより優り、P-51より劣る、となっています。
また、これは翼幅が密接に影響してきます。零戦でも末期は翼幅11mでした。
三式、五式、紫電系統は、翼幅12mですので、横転率は相当悪そうです。

このことから、三式、五式は敵に急降下して離脱されやすく、
自分は急降下して離脱しにくいと言えます。巴に持ち込んで、
旋回戦になっても、敵は逆方向に横転して逃げる、という手段も
とれるのです。

 逆に、二式単戦は雷電よりも翼幅が小さいですので、雷電よりは劣る
といっても、それほどひどい事にはならないと思います。

よって、五式を選ぶと、巴で戦おうとしても、
・米軍は軽戦の巴に対する対策をしっかり立てていた
・F6Fの旋回性能は零戦をしのぐ
ので、攻撃の機会は皆無に近く、

逆に
・日本機は横転性が悪い。そのなかでも特に3式、5式、紫電系統が悪い
ため、一撃をかけられ、そのまま捕捉できぬまま離脱され、
自分が逃げようにも逃げ切れない、という
ワンサイドゲームを演じられるのが関の山です。

 だったら、まだ三式戦のほうが新米にとってはいいでしょう。
稼働率が悪く、飛べないのですから。動く機体は先輩に譲って
自分は出撃しない。こっちのほうが安全です。

 ということで、やはり二式単戦になると思います。
日本機の飛行性能でF6F・P51に対し傑出している逃げ足(水平速度・
降下速度・上昇力)は、二式単戦の上昇力だけなのですから。


1688 [1678] [1689]
三式と五式の比較
SUDO(99/8/20 04:47)

>> なるほど,ということは,五式戦の評価が高かったというのは,
>>エンジンさえ完璧なら性能に勝るにもかかわらず,本来の性能を
>>発揮していない三式戦よりはましだった,ということですね。
> 結論から言えば、そのとおりです。

ちょっと面白い物を見つけました
自分のPCの中に有った表なので
一次文献の在処が不明なんですが
キ100の最大速度の、高度に伴う変化です
陸軍資料では
1K/500
2K/520
3K/539
4K/536
5K/551
6K/575
7K/568
8K/556
9K/542
10K/527

川崎資料では
高度/T型/U型
1K/510/500
5K/567/560
6K/580/570
8K/570/585
10K/535/590

速度が全てでは無いのですが
高度馬力の変化等からキ61の速度変化を考慮すると
キ100が速度でキ61−T型と同等なのは
3000以下と6000以上での領域と思われます

3000以下なら、T型乙と比べて
1割重くなってますが、馬力で2割強勝ってるので>公称出力で
速度同等、翼面加重1割悪、馬力加重1割良、総合的に対等

反対に、4000以上だと、馬力差は1割で
速度やや悪、翼面加重1割悪、馬力加重同等
負けですね
まあ、ハ40の全開高度を越えれば、馬力加重で勝り速度も並ぶので
なんとか対等になれるかもしれない・・・・かな?

T型丁相手だと
重量がキ100とほぼ同じで、速度特性はT型乙よりやや悪い程度
3000以下なら楽勝でしょうが、4000以上では
速度やや負ける、翼面加重同等、馬力加重同等で
速度差はハ40の全開高度を境に逆転できそうですから
上手く上に持ち込むか、思い切って3000以下に落とすコトで
対等以上の性能を発揮できると想像出来ます

U型相手だと、面白いです
U型は全備で3825と極端に重たく>疾風より重い
キ100比で1割上です
全開高度と出力では、ハ112と同等で、全域で速度で優勢
馬力加重と翼面加重で1割負けていても、高速領域ならU型の勝ちでしょう
低速に引き込めば、なんとかなりそうですが・・・
陸軍の模擬空戦で高高度での一撃離脱でU型に負けるのが判ります

低空でも、ハ140が水メタ使ったら
1350馬力とは112の1速と同じ出力を発揮するので
速度1割弱悪、翼面加重、馬力加重1割良、となり
巴に持ち込んで、低速空戦にすれば勝てる>負けないが正しいか
速度差から空戦のイニシアチブを握れるかどうかは難しいでしょう

総合結果
キ100は
キ61−T乙>やや下、T丁>優位、U型>やや下

ちなみに、キ61のT乙とUでは、馬力1割強違って
重量で2割違い、速度は全域でやや優位で、低空と高空で顕著
高速領域に持ち込めばU型、巴に持ち込めばT型乙の勝ち
イニシアチブは速度で勝るU型のもの>なんか日本軽戦とF6Fみたい(笑)

キ100は、キ61の潜在性能の絞りカスを再利用した飛行機で
応急処置としては悪くない
新しい戦術の研究も要らないし、整備は楽だし
機体は幸運にも(?)在庫沢山有るし
まともな戦争計画を持たなかった日本に相応しい、ドロナワ戦闘機ですね(笑)

あらゆる意味で、改革を必要とした二式単戦と比べるのは
やっぱし、色々間違ってるように感じましたね
せめて97戦の時代から、高速重戦派閥を作っておかないと・・・


1689 [1688] [1693] [1690]
やはり、陸軍の現場が遅れていたか・・・。
SADA(99/8/20 12:00)

> 総合結果
> キ100は
> キ61−T乙>やや下、T丁>優位、U型>やや下

まあ、1丁は重量増加に対し馬力増強が
行われなかったので、劣って当然ですが。

> ちなみに、キ61のT乙とUでは、馬力1割強違って
> 重量で2割違い、速度は全域でやや優位で、低空と高空で顕著
> 高速領域に持ち込めばU型、巴に持ち込めばT型乙の勝ち
> イニシアチブは速度で勝るU型のもの>なんか日本軽戦とF6Fみたい(笑)

一乙にハ140を付けていれば・・・・と思ってしまう今日このごろ。
でも、それを言ったら、一型の機体に金星を乗っけてしまえば
もっと凄い上に使いやすい機体になったか。

> キ100は、キ61の潜在性能の絞りカスを再利用した飛行機で
> 応急処置としては悪くない
> 新しい戦術の研究も要らないし、整備は楽だし
> 機体は幸運にも(?)在庫沢山有るし
> まともな戦争計画を持たなかった日本に相応しい、ドロナワ戦闘機ですね(笑)

なんというか、開発計画を乱造しすぎましたよね。
キの120まで連番なんだから。

# 一銭五厘のはがきで呼び出して歩兵部隊を作るんじゃないんだから。

> あらゆる意味で、改革を必要とした二式単戦と比べるのは
> やっぱし、色々間違ってるように感じましたね

 得意な空戦のベクトルが違ってますからね。直接比べるのは
間違ってるのでしょう。
 ただ、今回は「新米パイロット」という条件がつきましたので・・・。
 末期の新米となると、たいした飛行時間を飛んでないと思いますので、
それだったら、逃げ足のしっかりした飛行機が第一条件になるん
じゃないかな?と。巴はやはり、腕できまりますから。
 F6Fを巴に巻き込んで雷電で撃墜した例もありましたし。
# 翼面荷重はF6Fの方が低い。

 逃げ足の判断基準だったら、降下速度、水平速度、上昇離脱力の
どれかで、スカラーで判断可能です。そのスカラーで判断する限り、
五式はどれもF6FやP51に劣るじゃないかと。だから違うぞと言ってる
わけで。二式は上昇離脱力でF6FやP51より優ってるじゃないか。
だからこいつだろ、と。
 
 対米消耗戦となった時点で、それに対応して戦力の促成確保の
方法を模索していなければなりませんでした。復活後数年で大空軍国に
なったドイツを見ていればそれは見つけられたはずです。空戦の一撃
離脱化がそれだったのです。

# 戦闘機の高速化要求、防弾要求、火力要求によって
# 重戦化してきた方が大きいけど。

 日本では要員を確保したものの、現場に一撃離脱思想が理解されず、
促成で戦力にすることができなかったから特攻に使っちゃいましたが(;_;)

> せめて97戦の時代から、高速重戦派閥を作っておかないと・・・

 偉いさんは研究した。そういう機体も配備した。現場に嫌われた。
気がついたら嫌った機体の嫌った戦術しか敵に通用しなくなっていた。
これだけの事でしょう。

 海軍の雷電と一緒。もっとも、間を埋める存在の紫電・紫電改が
ほぼ同時期に出てきて、まともな運用がされて、少なからぬ戦果を
上げたのが海軍の違いですか。

# 雷電にのめり込みながら、よくも「飛行艇屋」川西に局戦の
# 自主制作許可を出したものだ。


1693 [1689] [1694]
re:やはり、陸軍の現場が遅れていたか・・・。
SUDO(99/8/21 04:57)

>> 総合結果
>> キ100は
>> キ61−T乙>やや下、T丁>優位、U型>やや下
> まあ、1丁は重量増加に対し馬力増強が
> 行われなかったので、劣って当然ですが。

武装強化がされてるので
完全な改悪だとは言えませんが
なんとなく零戦を思わせる悲しさですね(;_;)


>> ちなみに、キ61のT乙とUでは、馬力1割強違って
>> 重量で2割違い、速度は全域でやや優位で、低空と高空で顕著
>> 高速領域に持ち込めばU型、巴に持ち込めばT型乙の勝ち
>> イニシアチブは速度で勝るU型のもの>なんか日本軽戦とF6Fみたい(笑)

> 一乙にハ140を付けていれば・・・・と思ってしまう今日このごろ。
> でも、それを言ったら、一型の機体に金星を乗っけてしまえば
> もっと凄い上に使いやすい機体になったか。

U型はT丁にハ140と「ばらすと」を載せた機体ですから
バラスト関係さえなんとかなるなら
かなり優れた飛行性能は出せるでしょうね・・・でも、武装は?

機首に20mmを備えたT丁、U型、キ100と
12.7mmしか無いT乙では、かなり差が出そうですし
翼にMG151/20を装備したT丙は、旋回性能が悪くなったと言われてますよね
おそらく慣性モーメント増大に伴う、ロール性能の悪化でしょう
重量増加やバランス変化を判っていながら
敢えてT型丁で機首装備に走った遠因も、ロール性能に有りそうです

12.7*4の武装が、充分なのかどうか、それが鍵になりそうですね

ちなみに、T乙の時点で、空冷を考えた場合
選択できるユニットって、せいぜい金星50番台ですから
ハ112(金星60番)と比べると、公称出力で約1割弱落ちます
T型丁とキ100が重量同等だったコトを考えると
プレ・キ100は、T型乙とほぼ同じ重量と見て良いでしょう

発動機を手近に資料のあった、99艦爆22型の金星54型で見ると
離昇1300、1速1200/3K、2速1100/6.2K
3000以下なら
馬力加重で1割良、翼面加重同じ、速度は負ける
総合的に対等かな?

ハ40の全開高度付近4500前後では
速度差が大きく、馬力・翼面加重が同じ
負けますね

6000以上だと
速度はやや劣位、馬力加重でかなり優位
ここなら、勝てるかな?

たまたま、参考にした発動機が
全開高度が高い、金星54だったので
6000以上ならT型乙以上になっちゃいました(笑)

う〜みゅ、これだったら
1943末期までに応急的に戦力化しおいて
空力の洗練と発動機の金星60番へ変更した、真キ100を開発してれば
以外と有力な戦力になった可能性がありますね(笑)

>> あらゆる意味で、改革を必要とした二式単戦と比べるのは
>> やっぱし、色々間違ってるように感じましたね
>  得意な空戦のベクトルが違ってますからね。直接比べるのは
> 間違ってるのでしょう。
>  ただ、今回は「新米パイロット」という条件がつきましたので・・・。

ええ、それが問題なんですよね
新米で有る以上、戦い方を誰かが教える必要があるのですよね

302空で雷電を駆り
F13やF6F(しかも同じ日に2機)すら撃墜した坪井大尉は
予備学生出身だったそうです、典型的な「新米」ですね
352空の幹部搭乗員も予備学生が多かったそうです

新米の方が、素直に新戦法に馴染めるのは事実ですしが
かれらを指導したのは、数少ないラバウルからの生き残りだったので
熟練者も雷電の使い方の確立に熱心だったと思われます

上層部が旋回性能に固執しながら
前線レベルでは一撃離脱重視に走った海軍
反対に上層部が重戦を向いてるのに
部隊では軽戦闘機を愛した陸軍

妙な対比ですね
海軍の上層部が、重戦重視派閥だったら
烈風は疾風っぽい飛行機になったのかな?


って、日本機で一番新米向けって
大戦末期なら47戦隊限定で疾風なんですよね(笑)
稼働率最高、たぶんそれなりに性能も出てる
以前は鐘馗使ってたから、他よりも重戦運用に馴れてる
無線だってちゃんと聞こえるし・・・・

ああ、普通に飛べる疾風って凄いかも(笑)


1694 [1693] [1699] [1696]
そう、疾風が普通に飛べるなら凄いです。
SADA(99/8/21 12:00)

> 武装強化がされてるので
> 完全な改悪だとは言えませんが
> なんとなく零戦を思わせる悲しさですね(;_;)

 対爆撃機用としてなら使えるけど、それだったら双発戦闘機の方が
火力強化の影響も少ないわけで。速度性能に不満のある日本の
双発戦ですが、二式単戦や飛燕のように出力向上が行われていれば、
性能は増加しないにしても、低下も無かったはずです。

# ナセルだけ替えりゃいいんだから、発動機交換は単発よりずっと楽なはず。

> おそらく慣性モーメント増大に伴う、ロール性能の悪化でしょう
> 重量増加やバランス変化を判っていながら
> 敢えてT型丁で機首装備に走った遠因も、ロール性能に有りそうです

もともとロールは遅かったと見られてますから、さらに
低下したんじゃ、やってられなかったか。いっそのこと
エンジンが一個しかない、双発戦闘機と考えて、ホ5を
4門翼にのっけてしまう。

> 12.7*4の武装が、充分なのかどうか、それが鍵になりそうですね

対戦闘機戦ならば、なんとかなった・・・と思う。

> ちなみに、T乙の時点で、空冷を考えた場合
> 選択できるユニットって、せいぜい金星50番台ですから

ハ109が5cmだけ大きいけど・・・無理かな?金星60と同等出力。30kg程重いだけ。
排気量が五リットルほど大きいから、中島にありがちなハッタリ出力、と
いうわけでも無さそう。

> う〜みゅ、これだったら
> 1943末期までに応急的に戦力化しおいて
> 空力の洗練と発動機の金星60番へ変更した、真キ100を開発してれば
> 以外と有力な戦力になった可能性がありますね(笑)

やっぱり、現地テストは必須ですね。やっていれば、
こんな精密兵器、最前線で使えたもんじゃない、として、
とっとと作れたはずなのですが。

 同じように、二式単戦に、翼面積20m^2ぐらいの
翼を付けた軽戦闘機にすれば、もっと速く同等の
戦力が出来上がります。

> 上層部が旋回性能に固執しながら
> 前線レベルでは一撃離脱重視に走った海軍
> 反対に上層部が重戦を向いてるのに
> 部隊では軽戦闘機を愛した陸軍
> 妙な対比ですね
> 海軍の上層部が、重戦重視派閥だったら
> 烈風は疾風っぽい飛行機になったのかな?

そして、堀越さんは念願の「胴体の細い重艦上戦闘機」 を
生み出す、と・・・。ただ、その前に紫電改艦上型が制式に
なっているかもしれませんが。

> って、日本機で一番新米向けって
> 大戦末期なら47戦隊限定で疾風なんですよね(笑)
> 稼働率最高、たぶんそれなりに性能も出てる
> 以前は鐘馗使ってたから、他よりも重戦運用に馴れてる
> 無線だってちゃんと聞こえるし・・・・
> ああ、普通に飛べる疾風って凄いかも(笑)

F6Fには水平速度で逃げ切れるかもですが、P51相手に
逃げ切るにはどうするんでしょ・・・?それとも
疾風って低空で速かったんだっけ?

elevonの速度−高度Javaグラフ(http://www.csd.uwo.ca/~pettypi/elevon/gustin_military/perf/perf.html
に日本機も乗せて欲しいところですね。


1699 [1694] なし
re:そう、疾風が普通に飛べるなら凄いです。
SUDO(99/8/22 01:55)

>> 武装強化がされてるので
>> 完全な改悪だとは言えませんが
>> なんとなく零戦を思わせる悲しさですね(;_;)
>  対爆撃機用としてなら使えるけど、それだったら双発戦闘機の方が
> 火力強化の影響も少ないわけで。速度性能に不満のある日本の
> 双発戦ですが、二式単戦や飛燕のように出力向上が行われていれば、
> 性能は増加しないにしても、低下も無かったはずです。

同感ですが
発動機2つ用意するだけの資力も整備力も無さそうです(;_;)

>> おそらく慣性モーメント増大に伴う、ロール性能の悪化でしょう
>> 重量増加やバランス変化を判っていながら
>> 敢えてT型丁で機首装備に走った遠因も、ロール性能に有りそうです
> もともとロールは遅かったと見られてますから、さらに
> 低下したんじゃ、やってられなかったか。

乙型比で、ロールに入るのが遅く
ロールの収まりも悪くなったんでしょうねえ・・・・

>> 12.7*4の武装が、充分なのかどうか、それが鍵になりそうですね
> 対戦闘機戦ならば、なんとかなった・・・と思う。

やっぱし、少し不足ですよね(;_;)

>> ちなみに、T乙の時点で、空冷を考えた場合
>> 選択できるユニットって、せいぜい金星50番台ですから
> ハ109が5cmだけ大きいけど・・・無理かな?金星60と同等出力。30kg程重いだけ。
> 排気量が五リットルほど大きいから、中島にありがちなハッタリ出力、と
> いうわけでも無さそう。

あと5cmですか・・・
たぶん、増大した馬力(金星50比)と空力のトレードオフでしょうね
でも、この時点でやっておけば、リファイン型も期待できるかも
Fw190AにTa152Hの主翼つけたような感じかなぁ(笑)


>> う〜みゅ、これだったら
>> 1943末期までに応急的に戦力化しおいて
>> 空力の洗練と発動機の金星60番へ変更した、真キ100を開発してれば
>> 以外と有力な戦力になった可能性がありますね(笑)
> やっぱり、現地テストは必須ですね。やっていれば、
> こんな精密兵器、最前線で使えたもんじゃない、として、
> とっとと作れたはずなのですが。

もっとも、キ100だって
ハ140が、にっちもさっちもいかなくなってからですが
問題の萌芽は相当早期だったと思いますね
設計者が言うように、ためらいが有ったってのも有りそうです


>  同じように、二式単戦に、翼面積20m^2ぐらいの
> 翼を付けた軽戦闘機にすれば、もっと速く同等の
> 戦力が出来上がります。

鐘馗の対抗馬がハ60で
ハ60を、主翼を大型化して軽戦化したのが
キ61の基本コンセプトとも言えるので
二式単戦の軽戦化は、まさしく、空冷三式戦かもしれませんね(笑)
完成時期もキ61と似たようなものでしょうから
より「早期に」実現したかどうかは判りません(;_;)

閑話休題
零戦の発動機って金星と栄ばかり話題ですが
瑞星って、最終的な出力は栄と同等なんですよね
より小さいんだし
根性で瑞星で究極小型に走っても面白かったかな?(笑)

>> 海軍の上層部が、重戦重視派閥だったら
>> 烈風は疾風っぽい飛行機になったのかな?
> そして、堀越さんは念願の「胴体の細い重艦上戦闘機」 を
> 生み出す、と・・・。ただ、その前に紫電改艦上型が制式に
> なっているかもしれませんが。

まあ、どっちでも良いのですが(笑)

>> って、日本機で一番新米向けって
>> 大戦末期なら47戦隊限定で疾風なんですよね(笑)
>> 稼働率最高、たぶんそれなりに性能も出てる
>> 以前は鐘馗使ってたから、他よりも重戦運用に馴れてる
>> 無線だってちゃんと聞こえるし・・・・
>> ああ、普通に飛べる疾風って凄いかも(笑)
> F6Fには水平速度で逃げ切れるかもですが、P51相手に
> 逃げ切るにはどうするんでしょ・・・?それとも
> 疾風って低空で速かったんだっけ?

疾風のハ45は1速1890馬力、1800mですから
2000m近辺では、結構速いと思いますが、P51の方が速いはずです

> elevonの速度−高度Javaグラフ(http://www.csd.uwo.ca/~pettypi/elevon/gustin_military/perf/perf.html
> に日本機も乗せて欲しいところですね。

米海軍機とかも欲しいですね
このグラフを見てて、思ったのですが
速度を馬力で稼ぐタイプと、空力で稼ぐタイプで
速度変化率がちょっと違うのですよね
空力型は、低空でもそれほど落ち込まないのに対して
馬力型は、大気密度の変化に敏感です

敢えて言うなら、疾風が馬力型、P51は空力型です
比較的似た出力特性の機種の変化率等から推測すると
2000m近辺での両者の速度は
疾風が550ぐらい、P51は600以上と思われます
馬力荷重では圧勝なんですけどねえ・・・・


1696 [1694] なし
疾風はいつまで普通に飛べたか?
BUN(99/8/21 14:14)

 ハ45のような高性能エンジンに必須な高品質燃料の供給は
どうなっていたのか、全力運転できるかどうかの問題なので
カタログデータの比較の参考までにちょっとだけ調べてみました。

陸軍のガソリンは、一般に海軍に比べて低オクタン価の87オクタンと
言われていますが、実態はもう少し複雑だったようです。

八七航空揮発油、九一航空揮発油、一〇〇航空揮発油の三種が供給されており、
例えば、十七年の南方軍交付燃料は八七に対して同量の九一が交付されていて、
それとほんの僅かな一〇〇航空揮発油が地域限定で供給されている、
という内容で、南方からの輸入が途絶する十九年後半まではほぼ同様の状況だったと
思われます。

91オクタン燃料は意外に多く供給されており、陸軍燃料は全く低品質という訳ではなかった。
そして、だからこそ疾風が誉=ハ45を採用できた、と。

これらは恐らく機種別に振り分けられたと思われ、一〇〇航空揮発油は交付された地域などから
百式司偵用の特別燃料だったと想像できます。
そうすると、22戦隊が戦った十九年夏頃は戦闘機用に九一揮発油が交付されていた
(特に疾風に優先交付された可能性が強い)と思われます。

 燃料の品質が急落する十九年末以降は疾風がまともに飛べる訳が無く、
叩かれっぱなしの誉=ハ45のせいばかりでは無いようです。

 飛燕、疾風等の戦闘機用高性能エンジンには九一揮発油が供給され、
爆撃機用エンジンには八七揮発油が供給されたとすれば、
実戦での性能発揮に大きく影響していた可能性があります。

疾風ってやっぱ相当速かったんじゃないかな、と思う今日この頃・・・。


1690 [1689] なし
re:やはり、陸軍の現場が遅れていたか・・・。
フッフール(99/8/20 13:23)

>> 総合結果
>> キ100は
>> キ61−T乙>やや下、T丁>優位、U型>やや下

> まあ、1丁は重量増加に対し馬力増強が
> 行われなかったので、劣って当然ですが。

>> ちなみに、キ61のT乙とUでは、馬力1割強違って
>> 重量で2割違い、速度は全域でやや優位で、低空と高空で顕著
>> 高速領域に持ち込めばU型、巴に持ち込めばT型乙の勝ち
>> イニシアチブは速度で勝るU型のもの>なんか日本軽戦とF6Fみたい(笑)

> 一乙にハ140を付けていれば・・・・と思ってしまう今日このごろ。
> でも、それを言ったら、一型の機体に金星を乗っけてしまえば
> もっと凄い上に使いやすい機体になったか。

DB601Aa(1175hp)ではなくDB601E(1350hp)をライセンス生産していればもっといい飛行機になったのに…と思っています。
飛燕は確かに良い機体ですが1175馬力ではちょっと物足りない感じがします。
あと,一型乙の機体に金星より小さい栄21型を載せて,オイルクーラーを一式戦のようなリング状にしてもいいんじゃないかなと。そうすれば,五式戦のように胴体下面に大きなフィレットを被せる必要はありませんし。もちろん水滴型風防にします。あと胴体後部下面を少し削って主翼中央下面を再設計して出来上がり!
零戦52型より強かったりして。あっ,でもこんなことしたらこれ以上改良できませんね。(^^;)


1679 [1678] [1680]
re:三式戦より五式戦のほうが上昇力が劣る?(激長文)
フッフール(99/8/19 13:53)

>> なるほど,ということは,五式戦の評価が高かったというのは,
>>エンジンさえ完璧なら性能に勝るにもかかわらず,本来の性能を
>>発揮していない三式戦よりはましだった,ということですね。

> 昨夜職場から帰宅する前に見ていたんですが。一晩考えました。

> 結論から言えば、そのとおりです。

>  一型丙で、20mmのマウザー砲を内蔵していましたので、それより
> コンパクト・軽量弾丸で反動が少ないホ5を内蔵しても強度的問題は
> なかったと思います。

>  一型丙から先の機体はホ5を胴体に搭載するためだけに、胴体を
> 大型化して重量増加を招いた改悪ではないかとの疑念を抱いてます。
> それを果たして2型/改で馬力増加した発動機で対応できたか。

>  できなかったのでしょう。2型改より300kg軽くなった5式でさえも
> 上昇力で一型の甲乙丙に劣ったのですから。

>  稼働率の話を抜きにすれば、三式は、「一型の甲乙丙は優秀機、
> それ以降は出力増加にもかかわらず凡作化」と総括できると思います。

>  五式は、「凡作の三式二型改よりはましだったのかもしれない」といえる
> 程度だと思います。速度には機体重量はあまり影響しませんから、速いのは
> 三式二型改であるのは確実だと思います。ハ140と金星の出力は同等ですが、
> 抗力の増加した分、5式は速度性能と高速旋回性能で劣るでしょう。
> 3式は液冷発動機ですので、高々度性能も劣るかもしれません
> 参考:
http://www.platon.co.jp/~vought/text/tuji05.htm

>  逆に、300kg軽くなった分だけ、上昇力と低速旋回性能、回頭性で優る
> はずです。

> これに発動機の調子が入るから、「五式は三式より強い」になるのでしょう。
> 本調子の三式一型甲乙丙には五式は勝てないと思います。

> 次に、本題「末期日本で新米パイロットに最適の機体は何だったか」に
> 移ります。

> ・米軍は軽戦の巴に対する対策をしっかり立てていた

>  零戦を捕獲する前から、米海軍のエースは零戦にはサッチ・ウィーブ
> 戦法で挑むようにし、自分が単機のときは逃げろ、というアドバイスを
> していました。
>  この指導が正しかった事は、米軍が零戦を捕獲し、テストをしたときに
> 裏付けられます。
>  ・低速旋回性能は優れている
>  ・初期上昇力がよく、出し抜けに500m程上昇して背後を取れる
>   (いきなり宙返りできるってことかな?)
>  ・高速で舵が重く、操縦困難に陥る
>  ・防弾が皆無に等しい
>  こうして、日本機と戦うときは編隊空戦を徹底する事を陸海軍自身の
> 手で・・・もっと具体的に言えば、促成パイロットの養成段階で
> 叩き込まれてます。どういう事かというと、坂井三郎のような歴戦の
> エースが振り回さない限り(あるいは振り回しても)、お互いの後ろを
> カバーし合って、隙を見せないのです。その証拠に、飛行性能において
> すべて劣るはずのF4Fのスコアの方が、零戦にやられた数よりも多いのです。

>  日米の新米のレベルが違うといってしまえばそれまでですが、
> 飛行性能が僅差で優る状態でこのありさまです。F6Fや、P51を装備した
> 中期以降では、巴戦で射撃チャンスを得る事は皆無に等しかった
> でしょう。坂井三郎が12機に囲まれたときも、逃げ回るだけでなく、
> 反撃を試みるものの、後方に別の一機がカバーしていたために
> 失敗したのです。
>  新米ならどうなるかは言うまでもないと思います。

> ・F6Fの旋回性能は零戦をしのぐ

>  F6Fの「翼のちぎれそうな」高速旋回についていくのは
> できなかったという台詞を複数のパイロットが語っています。

>  旋回とは、進行方向に対し、横方向の力をかけることで向心力を
> 生み出して、曲がる事です。操縦捍を横に倒して、ロールしてから、
> 操縦捍を引けば、旋回します。このとき、操縦捍を倒す、という
> 行為は揚力を横に向け、引くという行為は進行方向に対して
> 迎え角を増して揚力を増大させることです。迎え角が増す以上、
> 抗力も増えます。つまり、高度一定で旋回をすれば、高度は
> 変わらないのに、速度が低下することになります。これを
> 回避するには、
>  ・翼面荷重を軽くして迎え角が少なくても曲がれるようにする
>  ・抗力に負けないくらい、発動機出力を増す
>  ・抗力を減らす
>  P51は空力的洗練によって、抗力を減らしました。
>  F6Fは単なるF4Fのパワーアップ版にすぎませんが、出力が倍に
> なり、さらに主翼面積も増やされたことは、重量増加分を補って
> あまりあったのです。

>  しかし、半径を小さくしてくると、少しでも迎え角を増さないと
> その半径で回り切れませんから、回頭性が重要になってきます。
> さらに旋回に必要な向心力は機体重量の倍、3倍となってきます。
>  こうなると、出力倍増でも抗力減少でも追いつきません。翼面積
> 増大も同様です。機体を軽くするほうが効いてきます。
>  ただ、そういう戦いには入らないよう米軍側は徹底されてますから、
> この能力を生かす機会はあまり有りませんでした。

>  五式戦の「旋回性がいい」というのは、この領域を指すと思われます。

> ・日本機は横転性が悪い。そのなかでも特に3式、5式、紫電系統が悪い

>  日本では運動性がいい機体=回頭性がいい機体、とほぼ同義でしたので、
> 横転に関する話があまりされてきませんでした。アメリカでのテストの結果、
> 日本機中もっともいい雷電がF6Fより優り、P-51より劣る、となっています。
> また、これは翼幅が密接に影響してきます。零戦でも末期は翼幅11mでした。
> 三式、五式、紫電系統は、翼幅12mですので、横転率は相当悪そうです。

三式戦の横転性と高速時の操縦性は,それ程悪くはなかったようです。
 一般的に,翼幅が大きい飛行機は横転性に劣ると言われていますが 
 補助翼の設計次第ではカバーすることが出来るそうです。
 二式と三式を乗り比べたある68戦隊員の証言です。
 「二単(二式戦)に比べて振動が少なく,補助翼も軽い。」
 (渡辺洋二著「液冷戦闘機飛燕」101ページより引用)
 また,他の戦記ものでは,高速でダイブしながら左右に反転して逃げるP47に
 追いすがり,撃墜するシーンが出できます。
 これは他の二式戦ならともかく,零戦や一式戦ではまず出来ない行為です。  
 

> このことから、三式、五式は敵に急降下して
  離脱されやすく、
> 自分は急降下して離脱しにくいと言えます。巴に持ち込んで、
> 旋回戦になっても、敵は逆方向に横転して逃げる、という手段も
> とれるのです。

>  逆に、二式単戦は雷電よりも翼幅が小さいですので、雷電よりは劣る
> といっても、それほどひどい事にはならないと思います。

> よって、五式を選ぶと、巴で戦おうとしても、
> ・米軍は軽戦の巴に対する対策をしっかり立てていた
> ・F6Fの旋回性能は零戦をしのぐ
> ので、攻撃の機会は皆無に近く、

> 逆に
> ・日本機は横転性が悪い。そのなかでも特に3式、5式、紫電系統が悪い
> ため、一撃をかけられ、そのまま捕捉できぬまま離脱され、
> 自分が逃げようにも逃げ切れない、という
> ワンサイドゲームを演じられるのが関の山です。

>  だったら、まだ三式戦のほうが新米にとってはいいでしょう。
> 稼働率が悪く、飛べないのですから。動く機体は先輩に譲って
> 自分は出撃しない。こっちのほうが安全です。

>  ということで、やはり二式単戦になると思います。
> 日本機の飛行性能でF6F・P51に対し傑出している逃げ足(水平速度・
> 降下速度・上昇力)は、二式単戦の上昇力だけなのですから。


1680 [1679] [1682]
re:三式戦より五式戦のほうが上昇力が劣る?(激長文)
SADA(99/8/19 15:24)

レスを付けるときには、あまり関係ない文章はカットするようにしましょう(^^;;

>>  日本では運動性がいい機体=回頭性がいい機体、とほぼ同義でしたので、
>> 横転に関する話があまりされてきませんでした。アメリカでのテストの結果、
>> 日本機中もっともいい雷電がF6Fより優り、P-51より劣る、となっています。
>> また、これは翼幅が密接に影響してきます。零戦でも末期は翼幅11mでした。
>> 三式、五式、紫電系統は、翼幅12mですので、横転率は相当悪そうです。
>>
> 三式戦の横転性と高速時の操縦性は,それ程悪くはなかったようです。
>  一般的に,翼幅が大きい飛行機は横転性に劣ると言われていますが 
>  補助翼の設計次第ではカバーすることが出来るそうです。

 確かに、Fw190なんかは、ワイヤーを介さず、全部ソリッドで
連結しているから横転性は驚異的だった、なんて話を聞いた事が
有ります。でも、日本機はそういう工夫をしていなかったので、
主翼の幅=横転率とみていいと思います。

>  二式と三式を乗り比べたある68戦隊員の証言です。
>  「二単(二式戦)に比べて振動が少なく,補助翼も軽い。」
>  (渡辺洋二著「液冷戦闘機飛燕」101ページより引用)

補助翼が軽いってことは、補助翼面積が小さい・・・。
効きが悪いって事じゃありません?対象となる速度で
「適度に」重いくらいじゃないと、並みの横転性を
確保できないでしょう。


1682 [1680] [1683]
re:三式戦より五式戦のほうが上昇力が劣る?(激長文)
フッフール(99/8/19 16:42)

> レスを付けるときには、あまり関係ない文章はカットするようにしましょう(^^;;
 御指摘ありがとうございます。 

>  確かに、Fw190なんかは、ワイヤーを介さず、全部ソリッドで
> 連結しているから横転性は驚異的だった、なんて話を聞いた事が
> 有ります。でも、日本機はそういう工夫をしていなかったので、
> 主翼の幅=横転率とみていいと思います。

三式戦の操縦系統は,方向舵はワイヤー連結ですが,補助翼と昇降舵はソリッ
 ド連結になっていました。

> 補助翼が軽いってことは、補助翼面積が小さい・・・。
> 効きが悪いって事じゃありません?対象となる速度で
> 「適度に」重いくらいじゃないと、並みの横転性を
> 確保できないでしょう。
  
 外国の戦闘機って日本機より補助翼面積が少なく見えるのですが。


1683 [1682] [1684]
三式の横転率
SADA(99/8/19 17:06)

> 三式戦の操縦系統は,方向舵はワイヤー連結ですが,補助翼と昇降舵はソリッ
>  ド連結になっていました。

と、いうことは「たるみ」によって軽く感じる、ということは
無いですね。それなのに「軽い」というのですから、これはもう
デフォルトのセッティングから見て効きが悪い、とみていいでしょう。
# もっとも、その時の速度も重要ですけど。

>  外国の戦闘機って日本機より補助翼面積が少なく見えるのですが。

その前に主翼面積すら少ないので、横転に対する
モーメントそのものが少ないのですが。


1684 [1683] [1685]
re:三式の横転率
フッフール(99/8/19 17:15)

>> 三式戦の操縦系統は,方向舵はワイヤー連結ですが,補助翼と昇降舵はソリッ
>>  ド連結になっていました。

> と、いうことは「たるみ」によって軽く感じる、ということは
> 無いですね。それなのに「軽い」というのですから、これはもう
> デフォルトのセッティングから見て効きが悪い、とみていいでしょう。
> # もっとも、その時の速度も重要ですけど。

 デフォルトのセッティングとはどういう意味でしょう? 
 (まだまだ勉強不足のフッフール^^;)


1685 [1684] [1700]
SADA(99/8/19 18:19)

>  デフォルトのセッティングとはどういう意味でしょう? 
>  (まだまだ勉強不足のフッフール^^;)

 操縦捍を横に倒すと補助翼が動作するわけですが、低速で
効くようにするにはどうするかというと、操縦捍を倒したときに
舵角を大きくとってやればいいわけです。
 しかし、高速になると、そういう舵では重くて操縦できなく
なってしまうのです。

かといって、高速で適度な重さを持つようにセッティング
すると、今度は低速での操作がスカスカになってしまい、
舵が全く効かなくなってしまうのです。

この速度差、WW2の初頭ごろから無視できなくなってきました。

欧米機では低速格闘戦をあきらめ、一撃離脱という
手段で逃げましたが、日本では軽戦闘機支持者が主流、
でも高速も要求されている。どうすればいいのか。

日本で最初に解決したのが零戦。操縦系統に通常より細い
ワイヤーを使って、高速の重い舵では伸びて適度な重さ、
適度な舵角を操縦捍に伝える、という方法で解決しています。
(もっとも、それでも時速450km程度から操縦困難になってきます)

 私が知っているのは、あとは川西。
リンケージの連結個所にてこリンクをかまし、
操縦捍からの接続は力点に、舵からの接続は
作用点になります。
 離着陸時は支点−作用点間を広げて舵角を増し、
 通常時では支点−作用点間を狭めて舵角を狭めたのです。

おそらく、三式、五式でも同様に離着陸時と
通常時で舵角をきりかえる仕掛けはあったと思います。

だから、「デフォルトの」がつくわけです。

また、通常飛行状態で「舵が軽い」ということは「舵が利かない」と
ほぼ同義ということの説明にもなります。もちろん物には限度が
ありますが、舵はある程度重いほうが利くのです。

 欧米人は日本人に対し平均的に筋力がありますから、日本人が
重くて動かせないような舵でも動かしてしまうでしょう。だから
こそ、翼幅14mのTa152Hでも原形機Fw190の横転率から考えれば、
まだまだ日本機を上回りそうだ、なんてことになるわけで。


1700 [1685] [1711] [1701]
日野軍曹はこう言っていますが
yari(99/8/22 09:10)

「秘めたる空戦」(松本良男著 光人社NF文庫)を早速買ってきたのですが、本文中、整備担当の日野軍曹がパイロットの松本少尉に、「主翼のアスペクト比は7.2もあるんです。これは他に類を見ません。翼長は20平方メートルあります。運動性能と高高度性能はは抜群ですよ。旋回性能がよい飛行機は、横転が不得意だと言われていますが、三式戦は違います。補助翼の大きさと位置が理想的なので横転も自由にやれます。」と説明するシーンがあります。

 この日野軍曹、川崎航空機に六ヶ月派遣されており、三式戦の整備と性能について熟知していたそうです。豊富な経験と知識を元に松本少尉の三式戦を徹底的にチューンナップするのですが(機体の軽量化(−150kg)、エンジンのパワーアップ(+1%)等)なかでも凄いのが、ラジエーターを、空気抵抗を減らすために胴体の後部に移し、半埋め込み式に取り付けた事です。(これってたしかP−51と同一の手法だったような・・・ 土井さんよりすごいかも。)
結果として、松本少尉の三式戦一型乙は、最大速度606km、高度5000mまでの上昇時間5分20秒にまで性能アップしています。(従軍していた川崎航空機の技師が計測)
 三式戦の空力や機体構造に熟知した日野軍曹が「横転も自由自在にやれる。」と言っているので、三式戦の横転性能は良かったのではと私は思います。

 あとこれは立ち読みですが、丸メカニックの「三式戦/五式戦/99双軽」には、ロッド式の操縦系統はワイヤー式のそれと比べて、摩擦抵抗が少ないため軽いのが長所だとありました。二式戦より補助翼が軽かったのは、おそらく二式戦の補助翼がワイヤー式だったのではないか思うのですが。

最後にF6Fの上昇力についてですが、「世界の傑作機 グラマンF6F」(これも立ち読み)によると、上昇率は
F6F−3 1067m/min
F6F−5 908m/min
となっていました。カタログ値を見る限り、F6F−5の上昇率はF6F−3に比べてかなり劣っているようです。


1711 [1700] なし
re:日野軍曹はこう言っていますが
SADA(99/8/23 10:36)

>「主翼のアスペクト比は7.2もあるんです。これは他に類を見ません。
> 中略
>  三式戦の空力や機体構造に熟知した日野軍曹が「横転も自由自在に
>やれる。」と言っているので、三式戦の横転性能は良かったのではと
>私は思います。

>  あとこれは立ち読みですが、丸メカニックの「三式戦/五式戦/99
>双軽」には、ロッド式の操縦系統はワイヤー式のそれと比べて、摩擦
>抵抗が少ないため軽いのが長所だとありました。二式戦より補助翼が
>軽かったのは、おそらく二式戦の補助翼がワイヤー式だったのでは
>ないか思うのですが。

私も同じく立ち読みです。
>おそらく、三式、五式でも同様に離着陸時と
>通常時で舵角をきりかえる仕掛けはあったと思います。
と書いていましたが、なかったようです。となると、
「横転が自由自在にできる」速度域がどこか、という
問題に突き当たります。それが一撃離脱空戦の速度域だったから、
Fw190は驚異的横転性能で旋回で後ろにつくスピットの反対側に
抜け出せたのです。
 逆に、横転が自由自在にできた速度が巴をやるような
低速だったら、零戦のように「高速では操縦不能になる」ことに
なります。舵角の調整機能が無い限り、高速で操舵できる舵は
低速で効きませんし、低速で効く舵は逆に重過ぎて操舵不能に
なります。

 ロッド式が優れているのは事実です。ですが、それが
そのまま横転性能につながるわけでもありません。ワイヤー式でも
舵角を大きくすれば横転性能がよくなりますし。

 また、二型でホ5をわざわざ胴体に内蔵したのは何の為か。
1丙でマウザー砲を翼に内蔵しており、それより10kg軽いホ5は
翼に内蔵しても横転性能はかえってよくなったはず。許容範囲に
収まるはずなのです。

 ホ5を翼に内蔵できなかった、と丸メカニックには書いて
ありますが、だったら器材の密集した胴体より、翼を改造する
ほうが簡単なはず。重量増加も少ないはずです。
 スピットだって翼端を切り落とした低空用の翼、延長した
高々度用の翼、武装を7.7mm×8の翼、20mm×4の翼、7.7mm,12.7mm
それぞれ二挺の翼と、翼とエンジンだけでサブタイプを作って
いるのです。胴体はそれほどいじられてません。

 実際には三式1甲乙の横転率は一撃離脱を使わなかった日本人
パイロットにも許容範囲ぎりぎりであったことを示唆している
と思われますが。

 一丙の火力増加と横転性低下とは果たしてつりあったのか。
つりあわなかったから、一丁で重量の大幅増加を覚悟して
胴体の延長、ホ5の胴体内蔵に挑んだのでしょう。20mmの
ペラ同調も世界に類が無いかなりの冒険ですし。


1701 [1700] [1713]
re:日野軍曹はこう言っていますが
フッフール(99/8/22 10:21)

> 「秘めたる空戦」(松本良男著 光人社NF文庫)を早速買ってきたのですが、本文中、整備担当の日野軍曹がパイロットの松本少尉に、「主翼のアスペクト比は7.2もあるんです。これは他に類を見ません。翼長は20平方メートルあります。運動性能と高高度性能はは抜群ですよ。旋回性能がよい飛行機は、横転が不得意だと言われていますが、三式戦は違います。補助翼の大きさと位置が理想的なので横転も自由にやれます。」と説明するシーンがあります。

>  この日野軍曹、川崎航空機に六ヶ月派遣されており、三式戦の整備と性能について熟知していたそうです。豊富な経験と知識を元に松本少尉の三式戦を徹底的にチューンナップするのですが(機体の軽量化(−150kg)、エンジンのパワーアップ(+1%)等)なかでも凄いのが、ラジエーターを、空気抵抗を減らすために胴体の後部に移し、半埋め込み式に取り付けた事です。(これってたしかP−51と同一の手法だったような・・・ 土井さんよりすごいかも。)
> 結果として、松本少尉の三式戦一型乙は、最大速度606km、高度5000mまでの上昇時間5分20秒にまで性能アップしています。(従軍していた川崎航空機の技師が計測)
>  三式戦の空力や機体構造に熟知した日野軍曹が「横転も自由自在にやれる。」と言っているので、三式戦の横転性能は良かったのではと私は思います。

「秘めたる空戦」のプロローグで疑問に思ったことがあるのですが,松本さんが乗っていた「(増加)試作機」は,主翼の7,7ミリ機銃(増加試作機は12,7ミリ4門装備)や燃料タンクの絹フェルト被覆からして,一型甲だったのではないかと思っています。試作機の燃料タンクは裸のはずです。ということは,一型甲の重量は,松本さんのセリフからして,一型乙よりかなり軽かったのではと思います。

小山進著「ああ飛燕戦闘隊」で,著者の乗る三式戦一型甲が,高速でダイブしながら左右に反転して逃げるP47に追いすがり,撃墜するシーンが出てきます。
P47は高速時の操縦性が高く補助翼の効きも良いので,時速約500キロ以上で旋回等を行った場合,零戦や隼ではまず追従出来ません。
また,著者は,P38を攻撃して離脱する際,「この超高速にもかかわらず,三舵は見事な効きを示してくれる」と述べています。

>  あとこれは立ち読みですが、丸メカニックの「三式戦/五式戦/99双軽」には、ロッド式の操縦系統はワイヤー式のそれと比べて、摩擦抵抗が少ないため軽いのが長所だとありました。二式戦より補助翼が軽かったのは、おそらく二式戦の補助翼がワイヤー式だったのではないか思うのですが。

 


1713 [1701] なし
P38相手ですかぁ?
SADA(99/8/23 11:03)

> 小山進著「ああ飛燕戦闘隊」で,著者の乗る三式戦一型甲が,
>高速でダイブしながら左右に反転して逃げるP47に追いすがり,
>撃墜するシーンが出てきます。
> P47は高速時の操縦性が高く補助翼の効きも良いので,時速
>約500キロ以上で旋回等を行った場合,零戦や隼ではまず追従
>出来ません。

反転・・・ですか。横転ではなく。P47は翼面荷重が高いので、
高G旋回をすればまず飛燕に捕まります。

> また,著者は,P38を攻撃して離脱する際,「この超高速にも
>かかわらず,三舵は見事な効きを示してくれる」と述べています。

P38は横転遅いですからねぇ・・・。エンジンという重量物が
機軸から離れているので。それと単発戦闘機である飛燕とを
比べるのが間違ってるわけで。P51相手ならどうなっていたか。
 巴を重視する日本人パイロットは逆に言うと横転−一撃離脱能力
を軽視していますので、巴ではこれだけあれば十分だ、という事も
言えるかと。


1662 [1661] [1665]
なんだか混乱してきました
yari(99/8/18 11:46)

なんだか混乱してきました。
うろ覚えなのでよく分からないのですが、
ハ140を積んで翼面積を増大させて、8機の試作のみに終わったのがキ−61Uで、
 キ−61Uの翼を1型丁のものに換装し他のがキ−61U改で制式採用されて三式戦二型になったのではないのでしょうか。
 となると三式戦二型(=キ−61U改)の上昇力は五式戦に劣ることになると思うのですが。
 
 あと、五式戦1型は三式戦1型乙より300kgも軽いのでしょうか。


1665 [1662] [1675]
悩む事ないんですよ。
SADA(99/8/18 12:08)

> なんだか混乱してきました。
> うろ覚えなのでよく分からないのですが、
> ハ140を積んで翼面積を増大させて、8機の試作のみに終わったのがキ−61Uで、
>  キ−61Uの翼を1型丁のものに換装し他のがキ−61U改で制式採用されて

ここまでは正しいです。

>三式戦二型になったのではないのでしょうか。
>  となると三式戦二型(=キ−61U改)の上昇力は五式戦に劣ることになると思うのですが。

二型と2型とU型。全部おんなじです。表記が
漢数字か、算用数字か、ローマ数字かってだけで。
よって、三式戦二型=U型、であり、U型改では無いと思います。

制式になっても、漢数字で新しく型番を付ける、といったことは
無いように思えます。

>  あと、五式戦1型は三式戦1型乙より300kgも軽いのでしょうか。

1型乙とはどうかはわかりませんが、
1型丙と比べて、自重は150kgほど増えてますが、
全備は100kg軽くなってます。
ただ、それでも上昇時間が低下しているのです。

「5式の推力増加は抵抗増加に追いつけず、却って全般的に
性能は低下した」を裏付けるものだと思えますが。

参考資料:原書房「第二次大戦 軍用機ハンドブック日本編」


1675 [1665] なし
re:悩む事ないんですよ。
フッフール(99/8/18 20:46)

>> なんだか混乱してきました。
>> うろ覚えなのでよく分からないのですが、
>> ハ140を積んで翼面積を増大させて、8機の試作のみに終わったのがキ−61Uで、
>>  キ−61Uの翼を1型丁のものに換装し他のがキ−61U改で制式採用されて

> ここまでは正しいです。

>>三式戦二型になったのではないのでしょうか。
>>  となると三式戦二型(=キ−61U改)の上昇力は五式戦に劣ることになると思うのですが。

> 二型と2型とU型。全部おんなじです。表記が
> 漢数字か、算用数字か、ローマ数字かってだけで。
> よって、三式戦二型=U型、であり、U型改では無いと思います。

> 制式になっても、漢数字で新しく型番を付ける、といったことは
> 無いように思えます。

>>  あと、五式戦1型は三式戦1型乙より300kgも軽いのでしょうか。

             自重       全備重量(キログラム)  
 3式戦1型乙     2380      3130
    1型丁     2630      3470
    2型改     2855      3825
 5式戦1型      2525      3495
    2型      2700      3670 
 モデルアート飛燕/5式戦より引用しました。
 ところで,1型甲の重量は一体どれくらいだったのでしょうか?
 「秘めたる空戦」によると,1型乙よりかなり軽かったようなのですが。

> 1型乙とはどうかはわかりませんが、
> 1型丙と比べて、自重は150kgほど増えてますが、
> 全備は100kg軽くなってます。
> ただ、それでも上昇時間が低下しているのです。

> 「5式の推力増加は抵抗増加に追いつけず、却って全般的に
> 性能は低下した」を裏付けるものだと思えますが。

> 参考資料:原書房「第二次大戦 軍用機ハンドブック日本編」


1659 [1654] なし
完全に勘違いしていたようです
yari(99/8/18 08:54)

 フッフールさんありがとうございます。そうだったのですか。完全に勘違いしていたようです。1型乙の上昇力ってそんなに良かったとは。私の知識量ではここで議論するにはちょっと無理なのかもしれません。

 五式戦の上昇力は三式戦二型や四式戦を凌いでいて、実戦部隊での性能低下もさほどではなかったのなら、そんなに捨てたものでもないような気がします。


1651 [1649] なし
補足
yari(99/8/17 21:22)

離翔出力

三式戦一型 1175hp 2500rpm
三式戦二型 1350hp 2700rpm
五式戦一型 1500hp 2600rpm

1速公称出力

三式戦一型 1100hp 高度2000m 2400rpm
三式戦二型 1250hp 高度1800m 2700rpm
五式戦一型 1350hp 高度2000m 2600rpm

2速公称出力は

三式戦一型 1100hp 高度4500m 2400rpm
三式戦二型 1260hp 高度5100m 2500rpm
五式戦一型 1250hp 高度5800m 2600rpm

となっていました。



1612 [1611] [1658]
飛燕と五式戦には謎がある
BUN(99/8/13 01:43)


> ただ、弁護させてもらえば5式の機体(≒飛燕のエンジン関係以外)は1943レベルの技術力としては非常によくできています。1943時点での米軍機と遜色ないと思います。1943の時点で、5式戦が飛燕のかわりに採用されていれば、重戦の2式、中戦の3式(=史実の5式)の組み合わせで、なかなかの戦果をあげてくれたはずです。誰もが認める整備の簡易さは、ニューギニアあたりの使用には向いていますし。

> そう考えると、液冷の飛燕、なんて意味のない機体だったんでしょう。
> 日本の技術力では、いきなり液冷発動機付き航空機に挑戦は無理だったんですね。

 金星が1500馬力を達成したのは60型からなので、空冷三式は少しアンダーパワーな機体になっていたことでしょう。
しかし、それはさておき、液冷発動機の生産に関しては技術的な問題とは何か異なるものが介在しているように思えてなりません。
川崎は既に液冷発動機の生産実績は立派にあり、技術的に難しかったと総括されるDB601系発動機そのものも、
彗星用の熱田はハイチューンの12型ですら生産過剰気味に完成品が出ています。

 何故川崎だけに愛知には全くといって良いほど無かった発動機生産の停滞が発生したのか、
しかもハ140だけではなくハ40においても19年半ばに突如発生するのか、検証の余地があると思います。
この辺の事実関係がはっきりすれば、いくつかの通説は改まるでしょう。


1658 [1612] [1664]
re:飛燕と五式戦には謎がある
SUDO(99/8/18 07:12)

> しかし、それはさておき、液冷発動機の生産に関しては技術的な問題とは何か異なるものが介在しているように思えてなりません。
> 川崎は既に液冷発動機の生産実績は立派にあり、技術的に難しかったと総括されるDB601系発動機そのものも、
> 彗星用の熱田はハイチューンの12型ですら生産過剰気味に完成品が出ています。

>  何故川崎だけに愛知には全くといって良いほど無かった発動機生産の停滞が発生したのか、

でも、液冷彗星の生産数は約1000機
キ61が約2500機
単に、稀少金属類の在庫が途切れたからなのかも・・・


1664 [1658] [1677]
re:飛燕と五式戦には謎がある
BUN(99/8/18 12:02)

> でも、液冷彗星の生産数は約1000機
> キ61が約2500機
> 単に、稀少金属類の在庫が途切れたからなのかも・・・

おお、SUDO氏も陸軍管轄の超硬工具在庫切れ説に賛同してくれるのですか。
またしても奇説を唱えたかな、と若干後悔していましたが、
心強いかぎりです。


1677 [1664] なし
re:飛燕と五式戦には謎がある
SUDO(99/8/19 03:29)

>> でも、液冷彗星の生産数は約1000機
>> キ61が約2500機
>> 単に、稀少金属類の在庫が途切れたからなのかも・・・
> おお、SUDO氏も陸軍管轄の超硬工具在庫切れ説に賛同してくれるのですか。
> またしても奇説を唱えたかな、と若干後悔していましたが、
> 心強いかぎりです。

他に、ちょっと理由が思いつかないんですよね

工具では無くて、素材かもしれないんですけど
どっちにしても、備蓄を食いつぶしたんじゃ無いかなぁと

他のエンジンでも、稀少金属・素材の不足に苦しんでますから
ハ40も同様の問題にぶち当たっただけなんだと思います
ここで、誉の様な強引な生産をしなかったトコロに
川崎の良心が伺えます>って言い過ぎかなぁ


1609 [1605] なし
その通り。
BUN(99/8/12 20:29)


> と、5式は2式に翼面積を足して遅くし、その分旋回性と少し武装を強化した。
> 同じポテンシャルに有りながら味付けを180度変えた。そういう機体に
> 思えるのです。

同感です。前にも書いたことがありますが、5式戦を誉めた搭乗員は、
二式復戦と三式戦に乗っていた人達が多数を占めています。
「あれに比べればマシ」と言っている場合が多いのです。
これに対して、鍾馗から五式に改変した部隊はありません。
記録によって比較ができないのが惜しいところ。
また、鍾馗の場合、改変するのは主に疾風なのですが、
若干特別な存在の四七戦隊等で疾風の方が評判が良かったりするところも
二式の残念なところなのです。

中島の戦闘機設計はやはり鍾馗がピークで、その後疾風、キ87と段々と
ふやけて行くようでどこかカーチスの末路を見るような印象です。


1566 [1564] [1572]
こういうのは反則かもしれないけど………
FIX(99/8/10 10:35)

 新米パイロットにとって一番安心な仕事は、カタリナorペンチュラで大西洋対潜戦闘でしょう。機長にいろいろ教えてもらえるし、飛行艇が潜水艦なんぞに撃墜される可能性はまずないし、不時着水だって安全だし、救命具は完備されているし。
 そういう話ではないのかもしれませんが、私ならこれを選びますね。

 戦闘機だったらなんといってもP-51
1)しっかりと編隊を組んで
  乱れちゃっても逃げればいい
2)照準を合わせながら
  何度もやってコツを覚えろ
3)ダイブして加速し
  加速だけなら素人でもできる
4)射撃後離脱する
  低高度域にさえ入らなければ速度でムスタングが負けることはまずない。

(Do335やTa152が出てきたら諦めですね。ジェット・ロケットだったらひたすら旋回を繰り返せば逃げられます。もちろんこっちが先に発見できればという前提付きの話ですが、先制されたら相手が隼でも落ちる時は落ちるんです)

 もちろん、戦果は度外視しています。(素人は生き残ることに価値がある)

 ついでP-47,P-38,F6Fと米軍機がずらずらと続いています。
 日本機は機体自体悪くないけど、防弾と戦場と上層部の体制が新米にはきつ過ぎる。


1572 [1566] [1576]
P-51
SADA(99/8/10 12:13)

P-51も悪くないですね。こいつの強みは、
空力的洗練の結果の巡航速度580km。まともな
レーダー探知の無い日本の場合、巡回で上空待機でも
していない限り、迎撃で捕捉するのは不可能に近い・・・(T-T)
なんといっても、5式戦の最高速度とどっこいどっこいなのですから。

 待ち伏せて上空から一撃をかけ、そのまま低空の旋回戦に
逃げ込むしか手が無い、というなんとも泣けてくる話です。


1576 [1572] なし
P-51のなきどころ
ささき(99/8/10 15:24)

> P-51も悪くないですね。こいつの強みは、
> 空力的洗練の結果の巡航速度580km。まともな
泣き所は液冷エンジンゆえに被弾に弱いこと、層流翼ゆえに低速で
失速しやすい傾向があり離着陸が少し難しかったことでしょうね。
しかしてんこ盛りのメリットが少々のデメリットなど吹き飛ばしてしまう、
敵に回せば実におそるべき戦闘機だと思います。


1565 [1564] [1570]
乗って安心アイアンワークス!
ささき(99/8/10 07:58)

> でもってF6F,F4FおよびFM2。
> 後方視界が0という最大の欠点は無線電話でカバーできたのだろうか?
ゼロじゃないですよ。F6Fは燃料タンクの上の二階建てみたいな位置に座席が
あって背の高い風防が付いており、しかも平面図を見れば後部胴体はかなり
絞られているから、側面図から想像するほど実際の後方視界は悪くなかったと
思います(そのせいで頭デッカチな不格好に見えますが)。零戦やP-51Dには
かなわなくとも、Bf109やP-40よりは遥かに後方視界は優れているはずです。
それに、ちょっとラダーペダルを踏んで滑らせば垂直尾翼の後ろも覗くことが
できるはずですし。

F4Fは轍間距離が狭くバウンドしそうなので「初心者向き」とは
ちょっと言いがたいですが、F6Fなら広い轍間距離と背の高い風防
による良好な前方視界で着艦も安心。ドジッて艦橋に主翼をひっかけて
胴体が真ッ二つにちぎれても搭乗員が無傷で這い出して来る頑丈さ。
12.7mm 6門による弾幕射撃にくわえジャイロ照準器で偏差射撃の
下手さをカバー。高速さえ維持すれば零戦乗りが舌を巻く運動性能。

単機の性能ではF4UやP51に比べ何となく物足りないものを感じますが、
初心者は編隊長機にくっついて飛ぶだけで最初は精一杯のはずですし。
何よりまず死なないこと、それでいてチャンスさえ掴めば一撃かけるだけの
運動性能を持ち合わせていること。
結論として、私はF6Fがベストだと思います。


1570 [1565] [1578]
同感ですね。
SADA(99/8/10 11:40)

> 単機の性能ではF4UやP51に比べ何となく物足りないものを感じますが、
> 初心者は編隊長機にくっついて飛ぶだけで最初は精一杯のはずですし。
> 何よりまず死なないこと、それでいてチャンスさえ掴めば一撃かけるだけの
> 運動性能を持ち合わせていること。
> 結論として、私はF6Fがベストだと思います。

米海軍の屋台骨を支えた操縦の易しさ(=促成パイロットでもどうにかなる)
は、伊達じゃないです。ちなみに、この操縦の易しさと、機体自体の
安定性を変われたF6Fは、一線戦闘機としては性能不足となった朝鮮戦争で
驚くべき使い方をされています。

何だと思います?

爆弾を抱いて、ラジコン操縦で体当たりしたのです。
F4Uが地上攻撃に勤しんでる中、次々と濃紺の破片を散らすヘルキャット・・・。
人によってはこのことでF6Fを駄作と評価する人もいますがとんでもない。

爆弾を抱きながら、それでもラジコンで操縦できるほどの安定性と
操縦性。F6Fほど、若葉マークの艦上機乗りに適した機体はなかったと
いうことの証明です。ベトナムでF4Uが同じ事をできましたか?


1578 [1570] なし
ああ、女房にしてやってもいいF6F
dg(99/8/10 16:00)

F6F信奉者の私が申し上げたいことは、おふたかたのメールで、
十二分に書かれていると思います.

残念なのは、F6Fが日本機じゃないってことだけです.
仮に機体価格が、ZEROの3倍としても、
生存性がそれ以上であれば、それだけでも
省コストに繋がったでしょう.
ましてや貴重なパイロットの命と訓練時間も.


FlasH BBS Pro v1.41 [Shigeto Nakazawa]