海戦55周年 マリアナに七面鳥はいなかった? : BUN(99/5/18 00:17)
re:海戦55周年 マリアナに七面鳥はいなかった? : 大戦略 太郎(99/6/1 13:31)
re:海戦55周年 マリアナに七面鳥はいなかった? : KI-100(99/5/21 22:08)
100機かもしれません。 : BUN(99/5/22 04:45)


1030 Root [1042] [1031]
海戦55周年 マリアナに七面鳥はいなかった?
BUN(99/5/18 00:17)


 日米機動部隊の最大の決戦だったマリアナ沖海戦は御存知の通り惨敗に終わっていますが、
ミッドウエーやレイテに比べ、劇的な展開が少ないせいか、あまり突っ込んだ検証が
なされていないように思えます。中でも無念なのはあの「七面鳥狩り」なのですが、
それについて若干の考察を加えたく思いました。

「七面鳥狩り」はいつ、誰に対して起きたのか

 海戦二日目、一九日の空戦のことと断定できる。一八日は出撃中止、二〇日は夜間攻撃のみ。
そして、第一次攻撃を行った、三航戦と一航戦の二派の攻撃隊に発生した。
敵を見ずにグアムに向かった二航戦の第二次攻撃隊の損害も加えてよいと考えられる。

疑問点
1. 各編隊とも敵機数を約40機と報告している。一方的な空戦をするには機数が
少なすぎないか?接敵できた米軍機は意外に少なかった?
2. 特に三航戦に対する米側の撃墜報告は25機(戦史叢書)であり、実際の損害より
少ないのは何故か?実際の戦果は報告を下回るはず。
3. 128機の規模で、96機の損害を出した一航戦攻撃隊は一〇五三に攻撃を
開始するまで「ほぼ全機揃っていた」との彗星隊長機の報告があり、
一一一〇の離脱まで17分しか時間がない。約40機(日本側報告なので
過大の可能性有)のF6Fの撃墜数としては無理がないか?
4. 空振りに終わった二航戦第一次攻撃隊は他編隊と同じく40機以上の敵と
空戦に入った末に帰還しているが、その損害は49機中7機でしかない。
攻撃無しの空戦のみの損害はこの程度なのではないか?

推論
1. 一方的な空戦により大損害を喫したのはグアム着陸時を奇襲された二航戦の
99艦爆と彗星の部隊のみであり、未帰還機の過半は対空砲火と編隊解散後の
帰投失敗による自爆と推定できそうである。(特に最大の損害を出した一航戦は
   乱戦の中、空母を探して対空砲火の中、艦隊上空を進撃した。)

  以上の点から、マリアナ沖の七面鳥狩りは米軍の「ホラ」半分の話の可能性があると
考えます。「未熟な搭乗員が次々に」といった通説より、机上の空論でしかなかった
アウトレンジ戦法による長距離攻撃が損害を激増させていたことが想像できるのでは
ないでしょうか。ちなみに攻撃隊全てに対する損害率は七割以下でブーゲンビルの時より
少ない、と考えることもできます。

  また、奇矯な説でしたでしょうか?
 それはともかく、当時の未帰還搭乗員に合掌。


1042 [1030] なし
re:海戦55周年 マリアナに七面鳥はいなかった?
大戦略 太郎(99/6/1 13:31)

もし日本にも錬度があり十分な数の戦闘機が艦隊を護衛して、VT信管などつかっていたら、両軍は数日で艦載機が全滅してそののち艦隊決戦にでもなっていたのでしょうか?あまり艦隊に防空能力が強くなると航空機では攻撃できなくなり戦艦や水雷戦隊が活躍する海戦になってしまうのでしょうか?

意見まっています。


1031 [1030] [1032]
re:海戦55周年 マリアナに七面鳥はいなかった?
KI-100(99/5/21 22:08)

> 疑問点
> 1. 各編隊とも敵機数を約40機と報告している。一方的な空戦をするには機数が
> 少なすぎないか?接敵できた米軍機は意外に少なかった?

資料なんぞ全然持っていないし、別に反論したいわけでもありません。ただ一冊の本に書いてあったことだけを書き込みます。
「零戦空戦記」白浜芳次郎著 河出書房新社 P83〜P85の記述によると、「太陽を背にしたグラマン約40機の攻撃を受けて翔鶴零戦隊が空中戦に入り、さらに左前方から突撃してくるグラマン約40機に大鳳戦闘機隊が対抗し、続いて攻撃隊の側面に回り込んだ約20機のグラマンに瑞鶴戦闘機隊の一部が突撃」とあります。ターキーシュートがあったかどうかは別にしても、第一次攻撃隊は合計約100機のグラマンに襲われたのではないでしょうか。


1032 [1031] なし
100機かもしれません。
BUN(99/5/22 04:45)

その可能性は十分あります。
 第一次攻撃隊の零戦48機中、31機が未帰還になっていますが、これの全てが
空戦の損害とは考えられませんが、戦史室が調査した以上の敵戦闘機と空戦していた
可能性は確かにあります。

 マリアナの機動部隊搭載機の編制は興味深いことに、米機動部隊の67%(合計288機)の
攻撃兵力を持っていたのに対し、戦闘機は32% 151機の兵力しかありませんでした。
 機動部隊の各航空隊の本来の定数ではそれぞれ、50%前後の比率なのですが、
爆戦の搭載など、苦しい工夫の結果とは言え、この海戦には攻撃力偏重という日本海軍の
悪しき伝統がよみがえっているのです。
 ですから一番槍をつけた三航戦第一次攻撃隊は爆戦47天山7に対してわずか14機の
零戦(しかも艦の直衛には4機しか残らない)のみが随伴していました。
 直掩機の不足という事実も損害を拡大した大きな要因です。

 いかに500キロで突進する彗星主体で編成された一航戦攻撃隊とはいえ、
100機も来られたら一撃や二撃受けても不思議ではありませんが、それにしたって
零戦が定数通りの比率で70機以上いれば、100機くらい来ても何とか...。
誰が考えたんだ、こんな編制を?
 軍令部の考えた新戦術が大損害の原因だったという事実が、将校主体に残された
戦史の中で、搭乗員の技量未熟という、直接軍令部一課に責任のない通説によって
都合良く隠蔽されているのではないかと思い、こんな説を掲げてみたのです。


 でもレスがついて良かった。楽しいですね。零戦話は。


FlasH BBS Pro v1.41 [Shigeto Nakazawa]