すーだら無責任男(99/2/12 14:46)
北朝鮮の脅威なんて、「脅威」というほどのもんじゃないでしょう。 騒いでいるのは、日本だけかも。 以下は、日刊ゲンダイからの引用です。
▼ 北朝鮮は内部崩壊か自滅の道を進むだけ ▼
自自連立政権があおり立てる北朝鮮の軍事的脅威は、果たして現実に存在す るものなのか。確かに金正日政権には、日本の頭越しにミサイルを飛ばすなど、 理解しにくい行動が多い。フセイン同様、世界の問題児であるのは事実である。 だが、軍部を握り、強固な体制を築いているように見える金正日体制の実態 はヨレヨレ政権だ。 「国内は食糧危機にあえぎ、一説には餓死者は300万人に達している。外国 からの食糧援助も軍事用に転用され、一般市民には回されてないようです。金 正日体制への国民の不満は募る一方で、テネット米CIA長官は上院の公聴会 で、“一般国民ばかりか軍部や治安機関でも犯罪や規律の乱れがひどい”“あ らゆる階層で金正日を批判する傾向が強まっている”と証言しています。金総 書記らを警護する護衛司令部の中に3個大隊1500人のクーデター鎮圧部隊 を最近設置したのは、そのためとみられています」(北朝鮮事情通) 各地で暴動が頻発しているとも伝えられている。韓国への亡命者も増える一 方だ。昨年1年間で72人だったのに、この1月だけで19人が韓国に逃れて いる。 今のままいけば、金正日体制はジリ貧だ。日本や米国にミサイルをブチ込む と息巻いているのは、体制危機の裏返し。国の内側から崩壊するのは時間の問 題で、ヘタに手を出さず、放っておけばいいのである。 「仮に北朝鮮が暴走して韓国に攻め込んだところで、在韓米軍の前にはひとた まりもありません。北朝鮮の軍事力はイラクの数十分の一程度の実力しかなく、 兵器も米軍と比べればミサイルと火縄銃ほどの差がある。38度ラインには米 軍の1個師団が待ち構えているから、北朝鮮の兵士は軍事境界線を越えてきた 途端にたたきつぶされてしまう。その結果、北朝鮮は自滅の道を歩むだけです」 (軍事ジャーナリスト・神浦元彰氏) 韓国全土を火の海にするようなことは、まずあり得ないのである。
▼ 北も米韓も戦争する気はなし ▼
それに、金正日政権は、日本を本気で攻撃ターゲットにしているわけではな い。北朝鮮の主たる敵は、核査察を強く求める米国であり、その米国と軍事的 に一体化している韓国だ。米国の使い走りでしかない日本は、その対象外と言 っていい。慶応大教授の小此木政夫氏(現代朝鮮政治)がこう言う。 「北朝鮮にとって、日本はあくまで戦後賠償=経済援助を引き出す相手でしか ありません。日本上空にテポドンを撃ち上げたのは、それをスムーズに進める ための荒っぽい“交渉手段”、いわば脅しです。日本に軍事の矛先を向けてい るわけではなく、再びミサイルを発射するようなこともないでしょう。もちろ ん、北朝鮮は米軍と事を構えるのは絶対に避けたいし、米国も、自国が戦場に なる韓国も、戦争はやりたくない。北朝鮮をめぐる流れは“米国の軍事力によ る解決”から、“交渉による打開”に完全に傾いているのです」 一時、軍事的決着に傾いていた米国も、昨年末のクリントン訪韓以降、柔軟 姿勢に転換している。北朝鮮が日本に挑発的言辞を弄しているのは、「少し脅 しをかければ、すぐに屈服する」(神浦元彰氏=前出)とみての政治的駆け引 きにすぎない。 現下の朝鮮半島情勢をクールに分析すれば、「北朝鮮が暴走して日本にミサ イルを撃ち込む」というのは、絵空事でしかない。
▼ 日本だけが“北の脅威”をあおり立てている ▼
“北の脅威”をことさら強調する日本政府のやり方は、当の米国でも「戦争熱 が過ぎる」と顔をしかめる向きが多い。 「米国は朝鮮問題で“切迫した危機感”を持っていません。先月来日したコー エン米国防長官は“3月危機も4月危機もない。米国はそんな情報を流したこ とはない”と強調していました。横田・三沢両基地で開いた米軍兵士との対話 集会でも、話題に上ったのはもっぱらイラク問題で、朝鮮情勢についてはほと んど質問がなかったといいます」(外務省関係者) 金大中政権の韓国も反応は同じだ。小此木政夫氏(前出)が言う。 「いま“朝鮮半島危機”を声高に唱えるのは、国際情勢からみてズレていると しか言いようがありません。韓国の当局者は、“日本はそんなに韓国に戦争を させたいのか”と戸惑っているほどです」 百歩譲って、北朝鮮が日本に軍事的なちょっかいを出してきたとしよう。そ れでも、ガイドライン関連3法案がすべて成立しなくても十分にやっていける。 日米安保の枠内で対処すればいいからだ。 「日本が直接攻撃を受けた時のために安保条約があるのですから、それに合わ せて今のガイドラインを一部修正すればいいだけの話です。しかし、新ガイド ラインは、“周辺事態”という海外の有事に、自衛隊を動員して米軍の手足に しようというもので、日本防衛とは全く性格が違う。“北朝鮮が攻めてくる危 機があるから、新ガイドライン関連法案を早く整備する必要がある”という論 理は、完全に矛盾しているのです」(神浦元彰氏=前出) 小渕政権のやっていることは、国民を欺くゴマカシである。
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