|
BUN(98/12/25 23:23)
大和だけではなくて実は、零戦にも食い足りない部分があるのです。
1 零戦は「ゼロライター」なのか? 零戦は果たして、世に言われるほど撃たれ弱い戦闘機なのでしょうか。 主翼に無防御のインテグラルタンクを持つ疾風等に較べると、 21型までの零戦には主翼付け根付近を除いて空中火災の原因となる燃料タンクがありません。 また火災以外にも本来安定性の高い機体でもあり、かなりの損傷に 耐えられたのではないでしょうか?(樫村機なみの片翼帰還の例もありますよね) 燃費の悪い栄21型を搭載した際に増設された翼内タンクが ゼロを「ライター」にさせたのであって、本来零戦は言われるほど脆弱でなかったのでは?
2 二号零戦の評価
32型は陸上使用を前提に採用されたとの説がありますが、当時の記録フィルムに 瑞鶴を発艦する32型が写っています。あの切断翼も艦上での取り扱いの為であるはず、 航続距離も艦爆を援護するには十分、32型は立派に艦上戦闘機であり、 また、そのように使われていると思います。 また22型は「最もバランスのとれた型」との評価がありますが、 ただ重くなっただけの21型に過ぎません。駄作といえるこの型が人気があるのは ひとえに「美人」だからかな?
3 52丙型は駄作なのか?
重いの遅いの武装が不揃いの、と評価の低い52丙型ですが、 米軍に評判の良かったFM2に較べて飛行性能は十分リードを保っています。 空戦ではF6FよりFM2優位とする評価もあるのですから、 1000馬力級艦戦として十分な性能を保持していた、と評価すべきでしょう。 非効率的と批判される13ミリと20ミリの混載の問題も、 米軍も採用したエリコン系のMG−FFLの弾道は13ミリと遜色無く、 また、20ミリ5挺を搭載するのは明らかに無理。13ミリのみでは対大型機は苦しい。 ですから結構合理的な選択だったように思えませんか? 13ミリを降ろした写真も残っていますが、あれは重い52丙の軽量化の為ではなく 生産が間に合わず非搭載となったものと当時の機銃の生産事情から推察します。 スピットもMe109もFw190もB29の尾部銃座も混載です。
4 零戦は後継機に悪影響を与えたか?
旋回性能の良い零戦の評価が高い為に烈風はいたずらに翼面積を増やし、 艦攻のような機体になった、と言われていますが、本当でしょうか? 翼面積や、寸法を比較すると末期に開発された超二千馬力級の戦闘機達と さして違いはありません。ハー43やハー44を積んだ機体というのは あの程度が当たり前で、しかも艦戦なのです。 むしろ、馬力強化はそれに見合った機体の大型化を伴った方がうまく行く、という 良い教訓(96艦戦からの切り替え時)を零戦は残したと言って良いのでは?
零戦に贔屓の引き倒しかもしれませんが、皆様、如何お考えでしょうか?
BUN
|