グレートレークスXTBG-1

 1934年6月30日付で発注された、建造中の新鋭空母ヨークタウン級に搭載すべき次期艦攻の要求仕様に従って開発された機体である。
 ダグラスTBDと同期ということになる。
 新機軸をこれでもかと満載したXTBD-1の保険として、XTBG-1は手堅く複葉でまとめられていたが、少なくとも外見や機内レイアウトはかなりのチャレンジを試みている。
 下の写真を見るとよくわかるが、前方の一段低いキャノピー内に爆撃手が入り、中央に操縦手、その後ろに無線手という配置になっている。
 爆撃手席はエンジン防火壁の直後になる。機首には主脚ハウジングとノルデン爆撃照準器がつくので、エンジンの下はほとんど壁のようになっている。TBDの水平爆撃照準器も同じような位置にあるのだが、もう少しスマートに処理されている。
 操縦手の視界を確保するために複葉のスタッガーを大きくつけて下翼を後ろに寄せている。
 魚雷や爆弾は胴体下に半埋込みのような感じで搭載する。爆弾(魚雷)架は駐機状態でほぼ水平になっているわけで、飛行中は弾頭は頭下げになることになる。
 見た目ほど飛行特性は悪いものではなかったが、XTBD-1が圧倒的な好成績を収めたために競作からは早期に脱落させられた。XTBG-1は試作機1機の製作にとどまった。

(文章:まなかじ)


XTBG-1試作1号機です。

諸元
全幅12.80m
全長10.69m
全高4.59m
全備重量4,224kg
武装7.62mmコルト・ブローニングM2機銃*2(前方固定*1 後席旋回*1) 2000lb魚雷*1または1000lb爆弾もしくは500lb爆弾*2、または100lb爆弾*12
発動機P&W XR-1830-60 ツインワスプ 空冷星型14気筒 800馬力
最高速度297km/h
実用上昇限度6,000m
乗員3名

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