全翼機のジェット戦闘機というだけでも相当な変わり者なのに、主翼を使って敵機を 切断して墜とすことも考慮していたという破天荒な機体。 XP−56の失敗にも懲りず、特殊な形態によって飛躍的な性能向上を達成する航空機 を作ろうという思想にとらわれたノースロップ社では、今度はロケットモーターを動力と する全翼戦闘機の開発に着手しました。その後、動力はジェットエンジンに変更されはした ものの、全翼機という基本形態はそのままで、ついには初飛行にまでこぎつけることに 成功したのです しかし、従来機に比べ特殊な操縦機構を必要とする全翼機である上に翼端のエレボンで 横の操縦を行おうというさらにこった操縦機構を採用したのがたたったのか、初飛行時に 15分飛行した後、横転から回復できなくなってそのまま墜落してしまいました。そのお かげであっという間に開発中止になったのでした。 それにしても、主翼の前縁に特殊鋼を装着して相手に体当たりして撃墜するという思想が 本当に採用されたかはかなり疑わしく、それ以前に戦法的に、また、パイロットの士気的に それが可能だったかを疑わずにはいられません。 また、パイロットが腹這いに寝そべった姿勢で操縦するというのも「?」ですね。 同社は現在に至るまで、この全翼機という形態にこだわり続け、ついにB−2という 全翼爆撃機を生み出し、空軍に制式採用されたのでした。ここまでこだわってしまうと 個人的には手放しで拍手を送りたくなります! |
諸元 | B |
全幅(m) | 11.58 |
全長(m) | 4.26 |
全高(m) | 2.13 |
翼面積(u) | 25.82 |
自重(s) | 2,649 |
全備重量(s) | 3,932 |
エンジン |
ウェスチングハウス19B ターボジェツト×2 推力619s |
燃料 | 1,130リットル |
最大速度 | 880q/h |
上昇率 | 1,621m/分 |
実用上昇限度 | 12,192m |
航続距離 | 1,598q | 武装 | M2 12.7o×4 |