特殊な場所のエンジン配置を特異な形態の機体に実施して失敗してしまった機体。 この機体もXP−54,XP−55と同じ要求仕様に基づいて試作されました。ただ、 この機体だけはエンジンに初飛行時にはすでに実績のできていたR−2800を使用して おり、その点でのエンジンの信頼性に悩まされることはありませんでした。 しかし、発熱量の大きい大排気量の空冷エンジンを冷却するのには、やはり主翼付け根に 開口した空気吸入口だけでは不足で、常に冷却不足に悩まされることになります。 また、設計の不手際から重心位置が後退していて安定性の不足を引き起こしましたが、 これは後に安定性を向上させる目的で垂直尾翼を増積したことにより、さらに重心位置が 後退するという、このとき同時に行った重心位置の補正対策を相殺する皮肉な結果を招き ました。 結局はこの重心位置の不適正さが致命傷となり、本機もまた制式採用されるには至り ませんでした。 |
諸元 | |
全幅(m) | 12.95 |
全長(m) | 8.38 |
全高(m) | 3.35 |
翼面積(u) | 28.52 |
自重(s) | 3,946 |
全備重量(s) | 5,148 |
エンジン |
P&WR−2800−29 空冷複列星型18気筒 2000馬力 |
燃料 | 1,211リットル |
最大速度 | 748q/h(7,620m) |
巡航速度 | 605q/h |
上昇率 | 847m/分 |
実用上昇限度 | 10,058m |
航続距離 | 724q | 武装 | M2 20o×2,M2 12.7o×4 |