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特殊な形式のエンジンを特殊な形態の機体に装着して失敗してしまった戦闘機。 1939年12月18日に米陸軍から出された単発迎撃機の仕様に応募した8社の 中から3社が残り、ヴァルティーのXP−54もその中に選ばれました。 逆ガル翼の屈折部から双ブームを後方に伸ばし、双垂直尾翼とその間をつなぐ矩形の 水平尾翼を持つという当時としては極めて独創的なデザインを採用していました。 駆動系もエンジンを中央胴体のコクピット後方に装備し後端の推進式プロペラを 駆動するという凝った設計を採用し、また、エンジン自体も当初はH型のX−1800、後に 水平対向のO−1230を2基上下に組み合わせたターボ過給器つきH型24気筒の XH−2470という、まだ、試作段階であった凝ったものの装備を予定していました。 しかし、いくら基礎工業力の高いアメリカといえどこれはいささか冒険が過ぎて、 完成した1号機は主にエンジンが原因で文字通りトラブル続出の機体となり、さらに、 XH−2470エンジン自体も製造中止となったため、自然消滅的に本機の試作も中止 になってしまいました。 本機の一番「架空機」っぽいところは、操縦席に乗り込むのに胴体下面からエレベー ター式上がっていくところで、飛行中の緊急時も下方に射出するような仕掛けになって いました。 |
| 諸元 | |
| 全幅(m) | 16.4 |
| 全長(m) | 16.68 |
| 全高(m) | 4.41 |
| 翼面積(u) | 42.36 |
| 自重(s) | 6,923 |
| 全備重量(s) | 8,270 |
| エンジン |
ライカミングXH−2470−1 液冷H型24気筒ツインターボ 2300馬力 |
| 燃料 | 844/1,374リットル |
| 最大速度 | 648q/h(8,700m):予測値 |
| 巡航速度 | 528q/h |
| 上昇率 | 701m/分 |
| 実用上昇限度 | 10,424m |
| 航続距離 | 1,368q | 武装 | T12/13 37o×2,M2 12.7o×2 |