サーブ J21

J21

 史上、唯一実用化された推進式プロペラを持つレシプロ単発単座戦闘機。


 現在でも独力で進歩的な航空機を作り続けるスエーデンのサーブ社は、第二次大戦 中から数々の機体を独力で開発、生産していました。その中でも、このJ21は、 サーブの面目を躍如するラディカルな設計で、双胴形式を採用し、中央胴体後部に エンジンを装備してその後端のプロペラを駆動するという形態をとっていました。 特に推進式プロペラを採用したというのは、レシプロの単発単座戦闘機としては 史上唯一の例で、サーブの技術力の高さを彷彿とさせるものです。
 この進歩的な設計が幸いして、性能的にも最大速度で同一エンジンを装備した Me109Gを上回り、良好な操縦性を持つなど、なかなかのものを持っていました。 また、推進式プロペラ配置のおかげで単発機でありながら機首に武装を集中配置でき、 射撃性能を高めることに成功しています。(13.2o×2は双胴ブームの先端)
 機体の仕上がりを見ても、個人的には、むしろ日本よりも高い技術力を感じずには いられません。


諸元 A−2
全長(m) 10.47
全幅(m) 11.65
翼面積(u) 22.20
全備重量(s) 4,168
武装 20o×1,13.2o×4
エンジン DB605B 液冷倒立V型12気筒 1475馬力
最大速度 643q/h

生産機数:298機