スピットファイア
Spitfire


タイプ300
 スピットファイア原型初号機。方向舵の分割ラインとプロペラがテスト中に変更された他、長いピトー管・尾脚のソリ・片側6本の排気管がMk.1量産型と異なる点である。
 全面シープレーングレーに塗装され、s/n「K5054」が胴体と尾翼に書かれている。
 1937年2月のテストで、ハリケーンの507km/hを大きく上回る566km/hの速度をを記録し、英空軍関係者を驚愕させた。
 大幅な変更なしに量産に移行した完成度の高さに設計者ミッチェルの非凡さを感じるが、彼は量産機を見ることなく死亡。ジョセフ・スミスがあとを引き継いだ。

スピード・スピットファイア
 ドイツに対抗して速度記録樹立を目的にした機体。Mk.1の1機に特別仕様のマーリン3を搭載し、キャノピーを変更、枕頭鋲にするなどの改造が施されている。
 1939年1月に完成したが、ドイツのHe100やMe209が相次いで速度記録を樹立したため、計画は放棄された。

水上機
 ノルウェー戦を前に、Mk.1に双フロートを付けた機体が造られたが、飛行特性が悪く放棄された。
 後、Mk.5に双フロートを付け、プロペラを4翅に変更、尾翼を下方に大型化したものが3機造られた。テストの結果、性能的に満足なものと判断されたが、戦況の変化で必要性が薄れ、量産には至らなかった。
 最大速度は619km/hを記録し、日本軍の「強風」より高性能だったともいわれているが、航続距離はわずか580kmに過ぎなかった。

複座練習機
 戦後に造られたもの。公式に英空軍の所有となった2機の他、余剰になった機体が輸出のために複座に改造された。

作成:どんべ