スピットファイア
Spitfire


初期型

 初期型は、定速式3翅プロペラファストバック片側3本の排気管が標準的スタイルである。また、右翼下面のラジエターと左翼下面の滑油冷却器の形状と大きさが全く異なるため、著しい左右非対称形状であることも特徴となっている。
Mk.1の初期生産型は固定2翅プロペラを装備し、キャノピー形状も以後のものと異なる。
Mk.1後期生産型とMk.2の一部は2段可変ピッチ3翅プロペラを装備している。
Mk.6は4翅プロペラである。
Mk.5から増漕が装備可能となる。スリッパ型で90gal.と99gal.の2種類があり、以降のほとんどの型が装備できるようである。

 英本土航空決戦でハリケーンとともに制空権を死守したのはMk.1・Mk.2である。
 幅広いバリエーションを持つMk.5は最多生産型となり、北アフリカ・アジア太平洋方面にも送られたが、ドイツ空軍の新型機Fw190に対しては不利な戦いを強いられた。また、零戦に対しては惨敗を喫したともいわれている。

偵察型
 スピットファイアは早くから写真偵察機として転用されており、Mk.1〜Mk.5をベースとした改造機が造られていた。PR.A〜Gと呼ばれたこれらの機体は、武装を全廃し、主翼または胴体内にF.8またはF.24型航空カメラ2〜3台を装備していた。
 この中でも翼内に500リットルのタンクを持つPR.Dは、PR.Mk.4と改称され、多数造られた。
 PR.Mk.7は機銃装備の偵察型。PR.Mk.13はPR.Mk.7のエンジンを変更した低高度型である。

型番号 エンジン
(R.R.マーリン)
主翼 武装 尾翼 尾輪 生産数 備考
Mk.1 2/3 標準 A/B 標準 固定 1556 装甲板なし
1938年6月 納入開始
Mk.2 12 標準 A/B 標準 固定 971 Mk.1の性能向上型
装甲板を装備
Mk.3 20 切断 標準 引込み 2 Mk.V の先行試作型
増加装甲・胴体構造強化
PR.Mk.4 45/46/50/50A
/55/55M/56
標準 D 標準 固定
229
F.24型航空カメラx2?
Mk.5 F用:45/46/50/50A
/55/56
LF.用:45M/50M/55M
標準/切断 B/C 標準 固定 6479 F./LF.
出力向上・ニーズの多様化に対応
熱帯用防塵フィルター装備機あり
1942年1月 配備開始
Mk.6 47 延長 A/B 標準 固定
97
HF.
与圧キャビン装備
PR.Mk.7 45/46 標準 A 標準 固定
47
F.24型航空カメラx2
PR.Mk.13 32 標準 A 標準 固定 26 F.24型航空カメラx2


参考データ

スピットファイアMk.1A
乗員 1
全幅 11.22m
全長  9.11m
全高
主翼面積
自重
総重量 2,950kg
エンジン ロールスロイス・マーリン3
液冷V型12気筒
1030hp
プロペラ デ・ハビランド可変3翅
最大速度 583km/h(5,600m)
巡航速度
上昇力 770m/min
上昇限度 9,670m
航続距離 925km
武装 A翼

スピットファイアMk.5B
乗員 1
全幅
全長  9.11m
全高
主翼面積
自重 2,300kg
総重量 3,080kg
エンジン ロールスロイス・マーリン
液冷V型12気筒
1,185〜1,230hp
プロペラ ロートル定速式3翅
最大速度 600km/h(6,000m)
巡航速度
上昇力 1,450m/min
上昇限度 10,800m
航続距離 760km〜1,600km
武装 B翼

作成:どんべ