1932年のRAF艦隊航空隊用の雷撃機としてブラックバーン・リポンの後継を求める要望に対し、リポンそのものを改造することで員数を確保しようという貧乏計画に基く機体である。
リポンIICを、新たな標準に基き複座を無理やり改造して三座機としても運用できるようにし、発動機を空冷のブリストル・ペガサスに強化するというのがその内容で、当初計画ではリポンVと呼ばれたが、後にB-5バフィンと改められた。
コンセプトとしてはフェアリーIIIFをゴードンに改造した例とよく似ている。
原型機はリポンからの改造で2機作られ、1932年9月には早くも初飛行し、試験の結果、概ね良好と認められて即時採用となった。
当然、構造や特徴は基本的にはリポンと変わらないが、重心合わせのために機首を伸ばして空冷星型エンジンを装着しているのが顕著な違いだが、フィンランド軍仕様のリポンとそっくりという言い方もできそうである。
64機が既存のリポンから改造された他、33機が新造され、原型機と合計して99機が製作された。
1934年に部隊就役を開始したが、元来が改造機であったこと、胴体構造に木製部分を残していたこと、主要構造材の鋼製部分の耐食性が十分でなかったことなどから艦上機としての一線寿命は短く、1936年いっぱいでシャーク及びソードフィッシュに地位を譲って艦隊航空隊からは引退している。
これに伴い、1937年から1939年にかけて、逐次比較的状態の良いもの合計29機をニュージーランド空軍向けの沿岸哨戒/雷撃機として送っている。
全機が揃ったのは1939年9月のことで、同年11月に3個植民地雷撃Sqdとして編成完結、作戦行動を開始している。この後、1940年5月に2個哨戒Sqdに改編され、1941年6月にビルドビーストが到着して交替するまで第一線に立っていた。
全幅 | 13.88m |
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全長 | 11.68m |
全高 | 3.91m |
翼面積 | 63.45m2 |
自重 | 1,444kg |
全備重量 | 3,455kg |
武装 | 7.7mmヴィッカーズ・クラスE機銃*1 (前方固定) 7.7mmルイス機銃*1(後席旋回) 爆弾最大680kgまたは魚雷*1 |
発動機 | ブリストル・ペガサスI M3 空冷星型9気筒 565馬力 |
最高速度 | 219km/h(1,981m) |
巡航速度 | 190km/h |
実用上昇限度 | 4,570m |
航続距離 | 1,706km |
乗員 | 2〜3 |