ブラックバーン B−20

B−20

 翼端のフロートばかりか胴体下のフロートも引き込みにして飛行艇ながら 陸上機並みの高性能を狙った機体。

 イギリスのブラックバーン社は、飛行艇でありながら陸上機並みの性能を持ち、 また、滑水時に主翼の迎角と滑走角度が最適に調整できるようにするために主 フロートを引き込み式にした機体を製作しました。
 エンジンには、当時イギリス製としては最強の、しかし、あまりの故障の多さで アブロ・マンチェスターやホーカー・トーネードを葬り去ったロールス・ロイス 「バルチュア」を使用していました。この液冷X型というきわめて複雑で神経質な エンジンはさすがのロールス・ロイスでもものにできず(というより、第二次大戦中は ついにどこのメーカーもものにできなかった)、生産を強行したマンチェスターも、 すぐにマーリン4発に改設計されたランカスターに置き換えられました。
 この機体、主フロートは胴体下面に、補助フロートは外側引き込み式に翼端に格納 できるようになっており、予定どおりの高性能を発揮しました。しかしながら、イギリス 自体がドイツ軍の侵攻という未曽有の危機にさらされたため、このような機体を開発 している場合ではなくなったために計画を中止させられてしまいました。


諸元
全幅(m) 25.1(フロート上げ)
全長(m) 21.2
全高(m)  7.7(艇体下げ)
全備重量(s) 15,876
エンジン ロールス・ロイス バルチュア
液冷X型24気筒 1750馬力×2
最大速度 492q/h
巡航速度 322q/h
航続距離 2,400q
爆弾 500ポンド×8