試作局地戦闘機 「秋水」J8M1

ドイツからの技術交換協定により 潜水艦でもってきた Me163Bの設計図をもとに 昭和19年に海軍と三菱で機体の製作を始めました。ロケットエンジンは陸軍が担当して 総力をあげて 製作しました。

わずか11月で仕上げた1号機は犬塚大尉の試験飛行中 エンジン停止によって殉職しました。

甲液(80%過酸化水素、オキシノリン、バイロ燐酸ソーダ添加)
乙液(水化ヒドラジン、メタノール混合液、銅シアン化カリ添加) などという保管の困難な燃料と 燃焼時間が7.8分と短いことから ドイツでも基地上空だけの迎撃に使用されたようですから 実用になったかは疑問です。

秋水改について 秋水の航続時間の短さを改善するため陸軍は航空 工廠で秋水改キ202を計画しました。基礎形と構造 図面の審査終了段階で終戦になりました。 外観は秋水より少し大きく流線形化した感じです。 特呂3号液体燃料ロケット(最大推力2000kg)で 動力飛行時間が10分28秒程度になる予定でした。 降着装置は投下式車輪と橇のままです。 計画値は 全幅9.75m 全長7.10m 全高2.512m 主翼面積 18.4平方m 全備重量5.1t 最大速度900km/h 上昇力10000m迄3分30秒 武装30mm砲×2 です。 ドイツではMe163を改良し完全引込式三車輪降着 装置をつけたMe263を試作しました。これでも航続 時間は15分です。
訓練用機体MXY8は滑空練習用として木製グライダーが 製作されました。
乗員1名
全幅9.5m
全長5.95m
全高2.7m
自重1445kg
総重量3000kg
エンジンKR10型薬液ロケット特呂二号
最大速度800km/h
航続時間7.8分
上昇限度12000m
武装 30mm X 2(前方固定)