1938年の輸出向け新型高速戦闘爆撃機を求める仕様書に応えた機体。
全体にアメリカのノースロップP-61に似た外見の双発双胴に中央ナセルを有する三座機であるが、サヴォイア・マルケッティらしく中央ナセルと胴体部は木製骨組にジュラルミン外被を張り、尾部は木製であった。
尾輪は両胴体の後端にあり、要するに主車輪と合わせて四輪車状態である。
武装は12.7ミリのブレダSAFATを2門前方固定装備とし背面旋回銃座にも1挺、爆弾は胴体内に500kgを収容する。
装備エンジンはDB601A(1350馬力)が予定されたが、大戦勃発によりイタリアは輸出向けの機体にDB601を使用することができなくなり、これにより計画は頓挫した。
設計は1939年中に完了したものの、試作作業は上記理由により取り掛かることができず、試作機の完成は1940年末にずれこんだ。
輸出の見込みがほとんどなくなったことに加え、実戦装備としてはメッサーシュミットBf110ないし試作中のRo.58に見劣りすると見られたことから、1942年に計画は中止され、これを基礎としてSM.91の計画に発展させることとなった。
全幅 | 14.50m |
---|---|
全長 | 12.10m |
全高 | 3.50m |
翼面積 | 32.50m2 |
自重 | 5,000kg |
全備重量 | 7,000kg |
武装 | 12.7mmブレダSAFAT機銃*3(前方固定*2 後席旋回*1) 爆弾500kg |
発動機 | ダイムラーベンツDB601A 液冷倒立V型12気筒 1175馬力 |
最大速度 | 560km/h |
実用上昇限度 | 8,700m |
航続距離 | 1500km(500kg爆装で750km) |
乗員 | 3名 |