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マッキMC.201

 1940年に計画されたMC.200の性能向上案である。
 840馬力のエンジンで最大速度512km/hを発揮するという極めて効率のよいMC.200であるが、絶対的な性能不足は如何ともし難く、イタリア空軍としても何とかせねばならないとの思いは強かった。
 これに対し、マッキ社のカストルディ技師はMC.200を更に絞り込み、1000馬力を発揮するはずのフィアットの新型発動機A76 RC40を組み合わせることで、空戦性能を低下させることなく高速化を図ろうとした。
 下の要目諸元を見てわかるように、自重と全備の差はわずかに350kg程度で、航続力や武装には思い切って目を瞑った設計となっている。
 空軍はこの設計を承認し、2機の試作契約(MM.436/437)を結んだ。
 しかし、A76 RC40の完成はベタ遅れに遅れ、試作1号機(MM.436)は結局MC.200と同じA74 RC38を装着して1941年8月に完成した。8月25日に初飛行を果たし、最大速度は535km/hと、A74 RC38でもMC.200を更に上回った。
 とはいうものの、DB601を搭載するMC.202の試作機もほぼ同時期に飛んでおり、またA76 RC40は一向に完成する見込みが立たなかった。
 試作機はそれぞれMM.8616/8617と番号替えされつつ、1942年6月頃までギドニア実験場で維持されていたが、この時点でもまだA76 RC40は全くものになっていなかった。
 A76 RC40の開発は中止となり、これに伴ってMC.201の計画も正式に中止され、以降はMC.202に集中することと決定された。
(文章:ダリオ・マナカジーニ)


機首上面のライン、胴体銃部の処理、MC.200初期型ともまた異なるキャノピーなどが見てとれます。
諸元(A76発動機搭載時の予定値)
全幅10.58m
全長8.18m
全高3.51m
翼面積16.80m2
自重1,949kg
全備重量2,385kg
武装12.7mmブレダSAFAT機銃*2
発動機フィアットA76 RC40 空冷星型14気筒1000馬力
最大速度550km/h(4,400m)
巡航速度460km/h
実用上昇限度9,000m
航続距離600km
乗員1名

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