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フィアットCR42 ファルコ

 前作CR32がなかなかの名機に仕上がった為にイタリアに於いては当然の様に後継複葉戦闘機が計画され、CR40、CR41等の試作を経て、CR42が開発されるに至ることとなる。エンジンは840馬力に強化され、複葉機としては快速な420km/hの最大速度を発揮する近代的複葉戦闘機として完成し、1938年には初飛行にこぎ着け、その後はイタリア空軍の主力戦闘機として生産が続けられ、イタリア降伏のその時までフィアットの生産ラインはCR42を送り出し続けた。運用実績に於いても、開戦から北アフリカ撤退まで昼間戦闘機として活躍した他、全身に黒色の夜間迷彩を身に纏い、消炎排気管を取り付けた夜間戦闘機として連合軍重爆撃機を邀撃し、さらにイタリア降伏後もドイツ空軍によって夜間攻撃飛行隊として地上攻撃にも活躍し続けた実績を持つ傑作複葉戦闘機である。加えて、エンジンをより強力なDB601Eに換装した試作機CR42DBは最大速度520km/hを発揮し、もはや零戦をも凌ぐ制空戦闘機に発達するに至る。
 ただ、僅かに問題があるとすれば、国内に於いては本機の初飛行の前年に同じくフィアットのG50戦闘機が初飛行し、CR42よりも少し早く生産機が出始めており、また国外では、当然の事ながら世界戦闘機界での同期生はスピットファイア等であるという周囲の状況であろう。
(文章:キソッタ・ホラスキーニ)


諸元
全幅9.2m
全長8.27m
全備重量2,300kg
武装12.7mm 機銃*2 爆弾200kg
発動機フィアットA74RC 840馬力
最高速度430km/h
実用上昇限度10,200m
航続距離780km

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