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カプロニ・カンピニ N1

N1

 初飛行当初、世界初のジェット機として大々的に宣伝された、ジェット機のような 機体。

 1940年、イタリアは突如としてプロペラを推進力としない「ジエット機」の 飛行に世界で始めて成功したことを世界中に発信しました。初飛行は8月28日でした。
 しかし、完成した実際の機体の動力は、今で言うターボジェット・エンジンとは いささか趣が異なるもので、圧縮空気に燃料を混合し爆発させて推進力とするという 点では確かにジェット機でしたが、その空気の圧縮にレシプロ・エンジンを使用して いるという、いささか中途半端なものでした。
 また、ジェット・エンジン部分が発生する推力もお話にならないほど低いもので、 タリエドからギドニアまでの270qを飛行した際の平均速度がわずか210qで 逆の意味で世界を愕然とさせました。
 ただ単にプロペラなしで飛行できるだけの、このような機体がものになるはずもなく、 この1機のみで開発中止となりしました。

 ちなみに、この機体が世界初のジェット機というのは正しくなく、実際は1年も 前にドイツでHe178が初飛行に成功しており、しかもこちらは通常形式の「正当な」 ターボジエット機でした。しかし、ドイツはこれを秘匿したため、この事実がわかった のは戦後のことでした。

諸元 C.C.2
全幅(m) 15.8
全長(m) 12.95
自重(s) 3,640
全備重量(s) 4,217(離陸最大)
エンジン イソッタ・フラスキーニ アストロ14C40
空冷複列星型14気筒 900馬力×1
ジエット 推力500s×1
最大速度 330q/h(3,000m)