カプロニ Ca.114

 曲技練習機であるCa.113を発展させた複葉単発単座戦闘機で、1932年のイタリア空軍の次期主力戦闘機の仕様に沿ったものである。
 Ca.113と同じく木金合製の複合構造で、主翼は全木製、胴体は鋼管骨組に合板張り、単張間の通常形式の複葉機である。
 試作機(MM.223)の発動機はピアッジオP.IXであった。
 試作機は1933年に初飛行し、審査の結果も決して悪いものではなかったが、より優れていたフィアットCR32に敗れ、イタリア空軍では不採用となった。
 元来、既に好評を博しているCR30の小改良機であるCR32の勝利はほとんど確実視されており、Ca.114は当て馬も同然ではあった。
 カプロニとしては海外に販路を求め、1935年にペルー空軍がエンジンをマーキュリー、機銃をヴィッカースとした上で本機を採用、12機の完成機と24機分のノックダウン組立部品を輸入した。
 これらペルー空軍機は1941年に起きたエクアドルとの紛争で実戦に参加した。

(文章:ダリオ・マナカジーニ)


イタリアでの機影。尾翼のみペルー空軍の塗装としています


ペルー空軍機。派手めなマーキングは何かの記念塗装のようです

諸元(ペルー空軍機)
全幅10.50m
全長7.46m
全高2.75m
翼面積26.40m2(25.68m2とする資料もあり)
自重1,050kg(装備込み1,310kg)
全備重量1,400kg
離陸最大重量1,660kg
武装7.7mmヴィッカースE機銃*3
発動機ブリストル・マーキュリーIV 空冷星型9気筒 420馬力
最高速度337km/h
実用上昇限度8,000m
航続距離600km
乗員1名

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