メッサーシュミットお得意の政治手腕でMe109の後継機を狙いながら、開発の まごつきにより試作に終わった機体。 メッサーシュミット社は1941年からBf109の後継機と してMe309を開発していましたが、とうとううまくいかず、1943年半ばに 開発を放棄しました。それに替わってBf109Gの機体を流用して開発 したのが本機で、Me309の開発失敗直後であるにもかかわらず空軍からの発注に 成功したあたりにメッサーシュミットお得意の政治手腕の臭いがプンプンと漂います。 しかしながら、機体自体はなかなか優秀なもので当時開発中だったFw190Dと ほぼ同等の性能を示しました。しかし、採用したエンジンのDB603の供給不足が 懸念されたのと、Fw190Dのほうが生産ラインの切り替えが容易だという理由で 1944年に不採用になりました。 まあ、このころになると政治うんぬんは言ってられ ない状況でしたから、これもいたしかたないところでしょう。 なお、本機は世界速度記録機のMe209とは、名前は同じながらなんの関係も ありません。 諸元 全長: 9.62m 全幅: 10.95m 翼面積: 17.15u 自重: 3,475s 全備重量:4,200s 武装: 不明 エンジン:DB603A−1 液冷倒立V型12気筒 1,750馬力 最大速度:660Km/h(6,000m):ブースト不使用時 巡航速度:490Km/h 航続距離:1,300q |