航空史上、最初でそして現在まで最後の、実戦化されたロケット動力戦闘機。 水化ヒドラジンと過酸化水素などというめちゃめちゃ危ないものを燃料として いたため事故が絶えず、その燃料は人体を溶かすほどのものでもありました。 また、その滞空時間の短さも特筆もので、1万メートルまで全力で上ってしまうと そのまま帰ってきても、帰りは滑空飛行と言うものすごさで、これもまた空前絶後 ですね! 第二次大戦機としては超高速のため、ほとんど撃墜されることはありませんでしたが、 逆に目標に対する照準が定めにくいため敵機を撃墜することも難しく、公式に報告されて いる撃墜数はたったの7機というありさまで、コストパフォーマンスの低さでも超特筆 ものでもありました。 日本でもこれを「秋水」として実用化しそうになりましたが、間に合わなくて正解だった のは言うまでもありません。しかし、まともに高空に上がれる飛行機を持たなかった日本軍 のパイロットなら、その上昇力と高空性能に感激していたかもしれないなぁ・・・と思ったり もします。 この機体のヴァルター・ロケットエンジン、もっと遷音速時の空気抵抗が少なく、もっと 軽い飛行機に積んで飛行させていれば、世界初の超音速機ができたことは間違いないでしょう。 それにしても、ロケット動力は解るとしても、なぜ無尾翼などという凝ったデザインにする 必要があったのかは永遠の謎でしょうねぇ・・・。 |
諸元 | B−1a |
全幅(m) | 9.32 |
全長(m) | 5.69 |
全高(m) | 3.06 |
翼面積(u) | 19.62 |
空虚重量(s) | 1,505 |
全備重量(s) | 3,885 |
エンジン | ヴァルターHWK509A−1 ロケット |
最大速度 | 960Km/h(3,000m) |
着陸速度 | 220Km/h |
上昇時間 |
12,100mまで3.35分 |
航続距離 | 80Km/h |
武装 | MK108 30o×2 |