画:K.きたうら氏
双発爆撃機を横に2機連結するという大胆な発想を実現した機体で、超大型の グライダーMe321を曳航するために作られた。 ドイツ空軍は超大型のグライダー、メッサーシュミットMe321を採用しては みたものの、あまりの大きさと重量ゆえに1機で曳航できる機体がないことに 「ハタ!」と気がつきました。 そこで、一番手っ取り早くそういう機体をでっちあげるには、「既存の機体を連結 してしまえばいい」、という大胆な発想に到達し、その機体として採用されたのが 当時の主力爆撃機であるHe111でした。 連結するにあたり、連結した部分にエンジンを1発追加、その結果、機体的に余裕 ができ、Me321を曳航する場合でも通常型のHe111の場合3機で曳航していた ものが、2機を連結しただけのHe111Z、1機で曳航できるようになりました。 かなり強引な手段を用いたにもかかわらす、機体そのものの安定性は良好で、操縦性 も旋回時に力を要する点以外は優れていました。 また、Me321以外のグライダーの曳航にも使用され、Go242なら同時に2機 曳航することが可能でした。 爆撃機型も計画されましたが、これは実機が完成することなく終わりました。 なお、この機体に初めて遭遇した連合軍パイロットはあまりの驚きと恐怖に一目散に 逃走したそうです。(笑) |
諸元 | Z |
全幅(m) | 35.32 |
全長(m) | 16.36 |
翼面積(u) | 22.20 |
空虚重量(s) | 21,195 |
全備重量(s) | 28,594 |
エンジン |
Jumo211F−2 液冷倒立V型12気筒 1350馬力×5 |
最大速度 | 435q/h(6000m) |
巡航速度 | 392q/h(5800m) |
標的曳航速度 |
220q/h(Me321×1) 248q/h(Go242×2) |