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高々度戦闘機 ブローム・ウント・フォスBv155

Bv155

 信じられないほど全幅が大きく、信じられない位置にラジエーターと主脚を装備した 戦闘機。

 元々は1942年末からメッサーシュミット社で空母「グラーフ・ツェッペリン」用の 艦上戦闘機として開発されました。
 しかし、この空母の建造が中止されてしまうと、航空省の命令で高速爆撃機へ、さらに 高々度戦闘機へと改設計を要求され、この時点で開発会社もブローム・ウント・フォス社へと 移管されました。
 同社ではフォークト博士の指導もとに徹底的に高々度性能を重視した設計へと変更し、 胴体後部下面にターボ・スーパーチャージャーを装備、そのためラジエーターを翼下面へ 装備することとなりました。しかし、当初の8分割した小型のラジエーターが空力的な 不具合を発生させたため、後にタイヤ収納部後方の主翼中央下部へ移設されました。
 しかし、度重なる改修で初飛行が1945年2月8日になってしまい、試作機2機が 完成するだけにとどまりました。(他に3号機が75%完成)

 この機体、個人的にはある意味でもっとも架空機っぽいと思います。まず、単発単座の 戦闘機とは思えない20mを越える全幅、思いっきり効率の悪そうな主脚後方のラジエー ター(しかも主翼のその部分だけ妙に膨らんでいる)、要するに10000m以上の高々度 での性能しか考慮していないような極端な設計で、その高度に到達する前に捕捉されたなら まず間違いなく一巻の終わり、というような機体です。なお、この機体、主脚のトレッドも 6.7mなどというとんでもない広さです。


諸元 V2
全幅(m) 20.5
全長(m) 12.0
翼面積(u) 30
空虚重量(s) 4,860
全備重量(s) 5,625
エンジン DB603A 液冷倒立V型12気筒 1610馬力
TKL15排気タービン
最大速度 690Km/h(16,000m)
実用上昇限度 16,950m
航続距離 1,500Km/h