航空史上、最も左右非対象な飛行機。 この機体は1937年にドイツ空軍から出された偵察機の仕様に基づいて製作された 機体です。とにかく、軍からの要求が可能な限り良好な視界を持つ単発機というもので あったため、このような世にもまれな完全に左右非対象な機体となりました。 しかし、この試作において採用されたのは軍からの「単発」という要求を無視した かたちとなった双発のFw189で、Bv141も少数機生産され試験的に実戦配備 されたものの、やはり、その形態から来る操縦性能の不安定さが問題となり量産される ことはありませんでした。 厳密に言えば、左右非対称という機体はけっこう多く、九七式司偵は主翼が左右で 後退角も上反角も異なっていますし、F4Uのように垂直尾翼がどちらかに傾いている というものなどははけっこうありました。 なお、写真の原型1号機(V1)は段付きの普通の機首をしており、垂直尾翼も左右 対称で、むしろ後からもっと特異な形態に改修されたのでした(写真下)。 |
諸元 | B−0 |
全幅(m) | 17.46 |
全長(m) | 13.95 |
全高(m) | 3.6 |
翼面積(u) | 53 |
空虚重量(s) | 4,700 |
全備重量(s) | 5,700 |
エンジン | BMW801A 空冷複列星型14気筒 1560馬力 |
最大速度 | 370Km/h |
実用上昇限度 |
10,000m |
航続距離 | 1,200Km/h |