爆撃機を迎撃する目的だけに造られた垂直離陸ロケット迎撃機。 1944年春に4社に出された高速迎撃の仕様にバッヒェム社が答えたのが この機体で、ランチャーを使って垂直に離陸しロケットモーターの強力な推進力で きわめて短時間に敵爆撃機の高度まで上昇し、機首に装備した直径73oのフェーン・ ロケット弾24発か55oのR4Mオルカン・ロケット弾33発で一撃のもとに敵 爆撃機を撃墜することを目標としていました。 しかし、特殊な運用形態が災いしてか、当初行っていた無人の打ち上げ実験では 失敗続きでなかなか満足する結果を得ることができず、最初の有人打ち上げ実験でも 射出直後に風防が飛散してパイロットが気絶(一説にはこの時点で死亡していたとされる )し、そのまま墜落して死亡という悲惨な事故を引き起こしました。その後の実験でも 無人/有人を問わず失敗を繰り返し、終戦までついにものになりませんでした。 この機体、攻撃直後にはパイロットは落下傘降下し、機体もロケットモーターを搭載 した後部のみは落下傘で回収するという方法をとってしました。 |
諸元 | V2 |
全幅(m) | 3.6 |
全長(m) | 6.1 |
翼面積(u) | 2.75 |
全備重量(s) | 2,2000 |
エンジン | ヴァルターHWK−109/509A ロケットモーター+ シュミッティン109−553固定ロケットブースター |
最大速度 | 800Km/h(海面上) |
海面上昇率 |
185m/秒 |
戦闘半径 | 40Km/h |