フリート50 フレイター

 フレイターは不整地での短距離離着陸が可能な双発輸送機として、1940年に設計が開始された。
 胴体は機首部分がジュラルミンのセミモノコックであるが、操縦席より後方は鋼管骨組にジュラルミンまたは羽布張りの構造である。
 主翼は上翼のエンジンナセルの内側、及び逆ガルになっている下翼の内翼部はジュラルミン応力外皮、上下翼とも外翼部は木製の桁にジュラルミンのリブを羽布張りで覆う構造になっている。脚は固定脚で、低圧タイヤを装備する。
 エンジンはフォート練習機にも使われている国産のジェイコブズL-6MBである。
 貨物の積降を簡単にするために、機体前部の貨物室の床に大きいドアがあり、下翼が逆ガルになっているのも胴体下での積込み作業を容易にするためと思われる。
 おそらく、後部胴体に大きいドアを開けることは骨組の関係でできなかったのであろう。
 カナダ空軍は空挺部隊の訓練のために2機を注文し、これらは1942年に納入された。生産機はこの2機のみである。
 しかし、その役割で使用されたことは一度もなく、もっぱら患者輸送機として使用され、1944年には引退した。

(文:まなかじ)


2号機です。

諸元(50K フレイター)
全幅13.70m
全長10.97m
全高3.99m
翼面積49.00m2
自重2,088kg
全備重量3,780kg
最高速度241km/h(SL)
巡航速度212km/h
上昇限度4,570m
航続距離不明
武装なし
発動機ジェイコブズL-6MB 空冷星型7気筒 330馬力
乗員2名/12名

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