カナディアンカー/グレガー FDB-1

 マイケル・グレガーの設計になる本機は、ちょうどグラマンF3FとポリカルポフI-153を足して2で割ったような外形をしている。
 単張間のセスキプランで、上翼はガル翼、翼間支柱も流線型。構造は全金属製で、胴体も応力外皮のセミモノコック、グラマン方式に胴体へ引込む主脚、尾輪も引込式である。密閉キャノピーを備え、後方まで大きい透明部を持ち、極めて良好な視界を持っていた。
 武装は12.7ミリ機銃を機首上面に2挺備えていた。また、試作機では懸吊器を備えていなかったが、予定では胴体下に500ポンド爆弾を吊って急降下爆撃が可能となるはずであった。
 計画はカナディアンカー&ファウンドリー(CC&F)の自主製作機として1936年に始まり、1938年12月17日、ライト兄弟の歴史的な初飛行の35周年の日にグレガー自身が操縦して初飛行した。
 社内試験では483km/hの最大速度を叩き出し、カナダ空軍の審査結果もすこぶる良かったのであるが、1939年のカナダ空軍省の決定により新型戦闘機は単葉機のみとされ、採用は見送られてしまった。

(文:まなかじ)




諸元
全幅8.53m
全長6.60m
全高2.86m
翼面積18.02m2
自重1,360kg
全備重量1,860kg
最高速度420km/h(3000m)
巡航速度380km/h
上昇限度10,060m
航続距離853km
武装12.7mmコルト・ブローニングM2機銃*2
発動機P&W R-1535-SB4-Gツインワスプジュニア 空冷星型14気筒 750馬力
乗員1名

[戻る]