フリート7B/C フォーン

 フォーンの原型は1928年のコンソリデーテッド・モデル14「ハスキー・ジュニア」である。
 コンソリデーテッドから民間機部門としていったん独立したフリート社を再びコンソリが買収し、1930年にはオンタリオ州フォートエリーにカナダフリート社を設立し、カナダでの製造販売を行うこととなったのである。
 ハスキー・ジュニアはそのままフリート・モデル1となり、そのエンジンをキンナーB-5に換装したものがモデル7である。
 これのカナダ空軍仕様がモデル7Bで、カナダ空軍ではフォーン(Fawn:子鹿)Mk.Iと呼称し、初等練習機として20機を採用した。
 更にエンジンをアームストロング=シドレー・シベットI 空冷星型7気筒140馬力に換装したモデル7CがフォーンMk.IIとして31機納入された。
 初等練習機であるが構造は極めて頑丈で、一人乗りであればフリーアクロバティックであり、逆宙返りさえも可能であった。
 1947年までカナダ空軍で就役していた。
 この他、フォーンMk.Iの1機にデハビランド・ジプシーIII空冷直列4気筒120馬力をとりつけたものがモデル7Gと呼ばれたが、採用されず、機体は7B仕様に戻された。
 また、米陸軍もXPT-6の呼称でキンナーK5(R-370-1)装備のフリート7を試用し、YPT-6として10機、更に操縦席をやや広くしたYPT-6Aを1機作らせたが、結局採用はされなかった。

(文:まなかじ)


フォーンMk.I。防寒用の密閉風防をつけています。

フォーンMk.II

諸元(7B フォーンMk.I)
全幅8.53m
全長6.55m
全高2.44m
翼面積18.12m2
自重520kg
全備重量790kg
最高速度185km/h(SL)
巡航速度140km/h
上昇限度4,300m
航続距離480km
武装なし
発動機キンナーB-5 空冷星型5気筒 125馬力
乗員2名

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