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博物館
建物の全容はこんな感じ。屋根の上に置かれた先尾翼機が看板がわりです。写真を撮っている私の背中のすぐ向こうは 101 号線で、建物の背後にはサンカルロス空港の滑走路があります。
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受け付け
中はこんな感じ。左手が売店、展示は右側。画面中央のボロボロの胴体は何処かから引き揚げられたフォード・トライモーターの残骸です。
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空飛ぶ膀胱…?!
何だかブタの膀胱でも膨らませたような(^^;)異形の物体ですが、1869 年に発明家 Frederick Mariott 氏によって作られ初飛行を記録した無人飛行船 "Marriott-Avitor" のレプリカです。動力は何と蒸気エンジンでした。
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何じゃこりゃ
1908 年に試作された "AeroCycloid" なる飛行機械。「空気を押し下げれば反動で浮き上がるだろう」という理論(?)で作られ、アイデアがヘッポコな割には生意気に姿勢制御用のピッチスティック(?)のようなものが装備されていました。もちろんこれは飛べませんでした(^_^;)が、ヘリコプターの御先祖たるユニークなアイデアを記念してレプリカが展示されています。
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往年のレーサー
1934 年のレーサー機 "Miss Los Angels"、機体は Brown B-2 というタイプ。鮮やかな真紅の塗装から、空がロマンと冒険に満ちていた時代の空気が伝わってくるようです。隣に置いてある玩具のレーサーが可愛いですね。今のリノ・エアレースのピットでも時々こういうお遊びを見ることができます(^_^)。
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空飛ぶ自転車
"RoterCycle" という渾名の小型折り畳み式ヘリコプターで、分解するとコンテナに収納して飛行機の翼下にぶら下げ運搬・投下することができます。1956 年頃、墜落したパイロットや特殊作戦部隊の回収用に試作されたもので、エンジンは 40 馬力。
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コレオプター:VXT-8
筒型垂直離着機コレオプター(COLEOPTER)と言えばフランスの「ビヤ樽ジェット」が有名ですが、アメリカにも同じアイデアの機体がありました。左にある「空飛ぶちゃぶ台」ことフライング・プラットフォーム(1952)の成功に気を良くしたヒラー社が発展型として 1957 年に提案したもので、偵察や連絡など「空のオートバイ」として活躍することを夢見ていたようです。しかしこれ垂直状態では全然下が見えないと思うのですが、どうやって着陸させるつもりだったんでしょうか…。
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垂直への夢は果てしなく
コレプターの隣のガラスケースには、ヒラー社が米陸軍に提案した各種発展型の模型を見ることができます。上段中央にあるのは実機が試作された「フライングジープ」。今じゃ笑い話かも知れませんが、当時は陸軍戦力の半航空化というのは真剣なテーマだったのです。
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空飛ぶ砲艦:YH-32
ヒラー社の空飛ぶシリーズ第三弾!1947 年に試作された対戦車ヘリコプター「ガンシップ」です。メインローター両端にラムジェットを装備したヒラー社お得意の「チップエンジン」システム、写真では背後の「コンドル」に隠れてわかりにくいですが武装は機体側面の 4 インチロケット8基と胴体下の 75mm 無反動砲一門(どうやって再装填するの?)、のちには二発の TOW 誘導ミサイルを備える予定だったようです。
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空の忍者
1969 年、ベトナム戦争の戦訓により作られたロッキード YO-3A 静音偵察機。胴体全長にわたる消音消炎排気管、特殊な低速回転プロペラによってほとんど音なく飛ぶことができ、360 度の視界を持つ暗視カメラ装置(機首下面の白いバレーボールのような物)によって夜間の敵情を偵察するのが目的です。また、平時には麻薬密輸の監視にも使われたそうです。
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超音速の夢破れ:B-2707
1960 年代は英仏共同開発のコンコルド、ソ連の Tu-144 など超音速旅客機(Super Sonic Transport, SST)が華やかな時代でした。米国もこの流れに乗るべくボーイング社主導のもと 1967 年から SST B-2707 の開発が始まりますが、初号機の製造が始まった矢先の 1971 年 3 月に突然の開発中止を迎えます。試作されたモックアップはスクラップとして流転したあと、機首だけこの博物館に落ち着いたようです(さすがに全体はデカすぎて…)。右手奥に見えるのは各種航空レシプロエンジン。
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B-2707 機首部分
別の角度から見た B-2707 の機首。1998 年に博物館がオープンした時はスクラップ置き場から引き揚げてきた姿そのままでしたが、現在は塗装が塗り直されており、コクピットや客室キャビン内装のレストアが進行中です。
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AD-1 可変翼実験機
NASA AD-1は主翼が中央を支点に最大 60 度回転するユニークな機体で、この一機だけが作られ 1979 年から 1982 年まで「ティルトウィング」機構のデータ収集に使われました。右手奥にはヒラー社の試作ヘリコプターが見えます。
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上から見た AD-1
別の角度から見た AD-1、ティルトウィング機構がよくわかります。上に見える妙な機体は「スタッガーウィング」と呼ばれるホームビルト(自家製)機。その下の緑色の円筒は B-2707 の胴体断面。右上方に無気味な黒い飛行艇のようなものが写っていますが、1985 年にボーイングが試作した無人長距離偵察機「コンドル」です。また、下に見えている黒いパイプ状の物体はコンベア XVF-1 垂直離着戦闘機(また VTOL かよ)に使われたアリソン XT-40 双発ターボプロップです。