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狙撃銃などの重装備に格闘戦装備(ナイフとか)を着ける意味は有るのか? 劫 |
- と、問いたい
劫
- 狙撃銃に銃剣を着けるのはマズルジャンプ(銃口の跳ね上がり)を軽減させるためにあります。旧軍の軽機関銃などにも銃剣はつけられるようになっていますが、これも弾道を安定させる意味があります。
貴殿はソ連のSVDなどを言っておられるのでしょうが以上のような理由によります。
オヨヨ
- ありがとう
でも、暗殺専門の狙撃手は木製ストックにこだわったり、重機関銃で人を殴ったりのわけを知りたい(銃剣でなくともスタビライザーとか…)
劫
- ドラグノフに関していえば銃剣での戦闘が考慮されているそうです。
あれは支援狙撃銃なので歩兵と一緒に行動します。
なので近接戦も考慮されているようですよ。
通りすがりの歩兵
- 1. 過去AnsQ.177 4. が 間接的な回答となると思います。
『短機関銃においては着剣射撃時その重量を利用した、マズルジャンプの低減効果。
(小銃においては、命中精度低下、弾着点変位の原因となるのでお勧めしません。)』
軽機、小銃・狙撃銃にての遠射時、着剣射撃する事は問題外です。無駄弾です。
2.木製ストックは センサティック(プラ・合成樹脂)ストックに較べて、
・射撃反動を低減してくれたり
・手汗による滑り難さ
・夜間、月光やライトの反射光少。
・割れ・破損時、即使用不可となり難い。
・適度な防錆油の染込み。
等の長所効能があると思います。
軌跡の発動機?誉
- 軌跡の発動機?誉様
お詫びして訂正いたします。
劫様
申し訳ありません
オヨヨ
- まず最初の質問について。
軍隊で使用されているコンバットナイフは単に格闘戦を想定して作られたものではなく、鉄条網を寸断したりする際にも利用します。また他にも例えば木の枝を切ったり等にも使うので狙撃兵だから付けないという訳ではありません。そう考えればナイフは兵科問わず軍隊生活の中では逆にないと不便と言えるかも知れないです。
次の質問についてですが軍隊では狙撃手にその軍隊での制式採用として、特定の銃器が供与されるだけで基本的に選択権はありません。アメリカを例に取ればM21狙撃ライフルは木製ストックですし、現用のM24はポリマーにラバーなどを織り交ぜた合成素材で出来ています。
銃器を木製で作る理由は単純に材料費が安いからで、特に昔はプラスチックは貴重な材料で木の方が安いし加工に大した技術を必要とするわけでもなく、そうした過程から採用されていました。
考えてみれば現代において使われている狙撃ライフルの殆どはポリマーやプラスチック素材で出来ており、有名所ではSVDドラグノフ位ではないでしょうか。そのSVDの生まれ故郷ソビエトでは木材資源が豊富な為にわざわざプラスチックで作るよりも木で作る方が安かったのです。
プラスチック、ポリマー素材が木製素材より銃器に適している理由は
・環境の変化に強い(温度、湿度等)→木材は湿度の変化で収縮しやすい
・軽い
・手入れをほとんど必要としない
などで、長い時間様々な環境の場所に潜伏する狙撃兵に配備される銃としてはこういった素材が大変適していると言えます。
重機関銃で人を殴ると言うのは聞いたことがないです。と言うのも重箱の隅を突付くようで失礼でしょうが基本的に「重機関銃」と言うと重さは軽いものでも15kg以上あり接地して固定して使うものであって好き好んで白兵戦に使えるような代物ではありません。
ただ軽機やMG42のような割りと軽量な汎用機関銃での白兵戦の記録は残っています。白兵戦の発生過程については例えば敵の塹壕にたどり着いたが目の前に敵がいて、運悪く銃の弾が切れている場合など・・。
この場合はマガジンを詰め替えてチャージングハンドルを引いたりする暇は無いので直接銃器で殴りつけた方が有利なことは明らかです。
コンボラ
- 7>狙撃兵が銃剣を装備している事と、狙撃銃に着剣装置が装備されている事を同義に考えてはこのご質問の回答としてはやや的外れでは?
4>が最も回答としては示唆にとんでいると考えますが。
結論から言えば今日、小グループで遠距離精密狙撃に従事する狙撃銃には着剣装置を装備したものはあまり多く見受けません。
第二次大戦時であれば、国によって考え方は異なる物の、歩兵部隊内に狙撃兵を配置し、敵の重要目標、(下級指揮官、機関銃陣地)などを重点的に射撃するのが狙撃兵の役目で、狙撃兵といえど場合に依れば着剣突撃も要求される訳で、着剣装置は必須でした。
また、遠距離精密射撃を考えても、当時であれば、基幹小銃は遠射向きのボルトアクションが主流でしかも、バトルライフル口径です。
通常の制式小銃から精度の良いものを選び、これに光学照準器を取り付けて使用すれば充分の精度ですから、狙撃銃から着剣装置を取り外す方が手間です。
しかし、当時であってもこれら狙撃銃の着剣装置が頻繁に使われた痕跡は銃に残っていない傾向があるようです。
現実には、旧式ボルトアクション銃に光学照準器を装着したものが大戦後も永らく現役で使われました。
それ以後、基幹小銃は、半自動銃、自動小銃、突撃銃と変化し遠距離精密狙撃に不向きな方向へ進み、一方狙撃戦術は、小グループで遠距離目標を精密狙撃する方向性に向かいます。
これにより、全くの遠距離精密狙撃用の小銃が必要となり、この様な用途の狙撃銃には、5で回答されているように着剣装置は全く不要なので現在ではほとんど見る事が出来なくなっています。
4に挙げられたドラグノフなどは、古い用法に重要性を置いた珍しい例ではないでしょうか?
退役老少佐
- 東側にドラグノフが必要であった理由として、西側と東側の基幹小銃実包の変更時期と性格に着目すれば判り易いかもしれません。
東側基幹の7.62mm×39は、50年代に改変されこの実包では狙撃銃を造るのに射程上の無理があります。
一方大戦後西側基幹となった、7.62mm×51は、その性能が狙撃銃製作も可能な実包でしたので、日本の64式やドイツのG3にも狙撃モデルがあります。
基幹小銃ベースで狙撃銃を作り難かった東側が制式自動小銃ベースの狙撃銃に対して7.62mm×54Rで狙撃銃を対抗上別途に生産したのはこの様な事情でしょう。
西側の半自動、全自動可能な西側狙撃銃にモシン・ナガンベースの狙撃銃では不利と見たのだと思います。
60年代であれば対応する西側狙撃銃も制式小銃ベースですから着剣できますので、一見狙撃専用銃に見えるドラグノフが古い狙撃銃の発想で作られているのも理解頂けましょう.
退役老少佐