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最近あちこちで特殊部隊用などに223や308のカービンモデルが作られてますが、これらカービンモデルの評価として標準?モデルに対して反動が強くなると言う物と、逆に初速が低下して反動が小さくなると言う物の2種類の評価が聞かれます。 マズルフラッシュや発射音が大きくなり射手が疲れやすくなる等の影響もあるでしょうが、これらカービンモデルが標準モデルに対して反動やコントロール性の点でどのように違いが出るのか、よろしくお願いします。 エウメネス |
- 一般的に、銃身を短くすると、反動は大きくなり、初速は低くなります。
理由は、銃身が短いと、腔圧が高い内に銃身から弾丸が離脱するため、銃口から噴出するガス圧が高くなり、その結果反動が高くなるのです。一方、銃身が短いと弾丸は、充分な加速が付く前に銃身から離脱するため、初速は、低下します。
ところで、銃身を短くして反動が小さくなるというのは、初耳なのですが、良く聞き話ですか?
キリン
- 一般論として、カービンタイプは 主に短銃身化により初速低下と重量低減となりますが、
初速低下=反力低下の効果以上に、受ける側の銃重量が軽くなり、よって銃全体反動が大きくなると考えます。
そこで、西側の代表的現用小銃(5.56)の肩に受ける反力を計算してみました。 (肩で受ける後退量は2cmとする)
各データ出展:M16A2,M4 → US,ARMY SPEC
SG550シリーズ → SWISS ARMS 軍用カタログ
M16A2 M4 SG550 SG551 SG552
重量(30発含) kg 4.0 3.3 4.6 4.1 3.7
銃身長 mm 508 370 528 363 226
初速 m/s 930 891 920 854 742
肩に受ける衝撃力 kg 8.8 9.8 7.5 7.3 6.0
(計算値であり、エネルギー吸収長さは2cmとする)
5.56mm 弾使用小銃の中では重いと言われるSG550シリーズは その恩恵より意外な結果となりました。
特にサブマシンガン的なSG552は撃ち易くする為、意図的に初速を下げているものと推測します。
(さすが SIG社:現SWISS ARMS のよくやる方法と思います。)
又、バットストック・プレートに厚めのゴムを採用する事により、体感反動は大きく変わる事も周知であります。
※一般小火器においては、発射ガスが銃口前端をプッシュバックする力は無視されます。
少なくとも、銃身長差の影響は微々たるものと思います。
(大型の漏斗状フラッシュハイダーや意図的マズルブースター付属の銃は除く)
逆に、銃口跳起を抑える為のマズルブレーキ(カッツコンペンセータ)は、大きな効果をもたらします。
以上 私見でした。
軌跡の発動機?誉
- >一般小火器においては、発射ガスが銃口前端をプッシュバックする力は無視されます。少なくとも、銃身長差の影響は微々たるものと思います。
AKS74の銃口装置をみても分かるように、短銃身化によりマズルフラッシュが大きくなる(=銃口圧が大きい)傾向があるように思いますが、銃身長差による銃口圧の差は、反動に影響があるほどの物ではないと言うことでしょうか?
発射ガスが銃口前端をプッシュバックする力は無視される割に、マズルブレーキ等の銃口制退器が反動低減に大きく作用するのも、合わせて解説していただけないでしょうか。よろしくお願いします。
キリン
- ご回答ありがとうございます。
>銃身を短くして反動が小さくなる
よく効く話かと聞かれると実は今月号のアームズマガジンのMC51の記事だけなんで出展がアレといえばアレなんですが、実射した上での感想だったため無視できないと思い質問させて頂いた次第です。
もしこれで気分を害されたら謝罪します。
>意図的に初速を下げている
もし、知っていればどのような方法か具体的に教えてほしいです。
>銃口圧が大きい
記事にはパウダーがバレルの中で燃焼し切らずに、銃口の外で燃焼することでエネルギー?が拡散するような事が書かれてました。一般的には反動が強くなると言われてるのは知っていますが、この説にも一理あると思ったわけです。そこで銃口圧の話ですが、パウダーがバレルの中で燃焼しきらなかった場合、銃口圧が上がらない事もあるのではないかと。
感覚的に撃ち易いか撃ち難いかの話なので個人差もあり、具体的な話がし難く説明が困難なのが心苦しい所です。ストック等の話も出ましたがそれはカービンに限った話ではないため、出来るだけ同一条件での比較を希望します。
エウメネス
- >そこで銃口圧の話ですが、パウダーがバレルの中で燃焼しきらなかった場合、銃口圧が上がらない事もあるのではないかと。
銃腔圧カーブを見れば分かると思いますが、銃腔圧は、イグニッション直後に一気に上昇し、その後徐々に下がっていきます。
ですから、銃腔圧が上がりきる前に銃口から弾丸が離脱することはまずないとみていいですね。
キリン
- >3.キリンさん・・・・・砲口爆風とマズルブレーキ
過渡弾道学では 弾丸は砲口離脱直後も後方ガス圧により僅かながら加速されるものとされていますので、
砲身(銃身)に対するプッシュバックの力も零ではないでしょう。
但し 砲と小火器のスケール差は当然として、ガス流量や流れ方向、ガス拡散 等 を考慮した
砲口爆風を意図的に利用する受圧面積やその形状設計がなされているかどうかが大事だと思います。
>4.MC51
アー○ズマガジンのHPでMC51の動画が見れますね。
本誌を読んでいませんので使用弾薬や初速が不明ですが、ものになるのでしたら 世界中の軍隊、スペシャルフォースが
もっと注目をするのではないでしょうか!!
この手の銃(AssaultCarbine含)”SG552”,”G33COMMANDO”も含め 仮に撃ち易くする為意図的に初速を落としたが
全然当たらないとか(集弾)、クックオフ対策は? 親銃本来が単射使用前提に対しててこちらの耐久性?
いろいろ心配事がありそうです。
※意図的に初速を落とす: チャンバー寸法・形状、ライフリング仕様が世のスタンダードと相違していると思われます。
何かの時にも触れましたが、長銃身用に緩燃焼の特性で作られているライフル弾(小銃弾)を、
極端な短銃身で撃ってもあまり良い結果は得られないと思います。
以上 概念的回答でスマンです。
〜?誉
- やはり一般論としてはカービンモデルは反動が強くなると言うことでいいみたいですね。反動を抑えようとしたら銃本体を重くするか精度等を犠牲にするかしかないと。
ありがとうございました。
エウメネス