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銃に関して全く素人の者です。 ここの過去ログを見ていてサブマシンガンとは、拳銃の弾丸を使用すると 言う事を知りました。そこでふと疑問に思ったのですが、マグナム弾を使用するサブマシンガンは存在(もしくは開発計画)するのでしょうか? ACP |
- 軍用でのサブマシンガンという観点で言えば、357マグナム弾を使用してもM16の威力に及ばないので、そもそもそういう発想は出にくいでしょう。更に言うと、軍用拳銃の使用実包は9_ならパラベラム弾、45口径ならACP弾でほぼ統一されてますから、ことさら紛らわしい、というか使い勝手の悪い銃弾は採用しないでしょう。
元法学部生
- ハードウェア面からも考察。.357マグナム等のマグナム系拳銃弾を使うサブマシンガンを作ろうと考えた場合、9mmパラベラム等より桁外れに大きい腔圧や反動に耐えられるレシーバーや作動機構が要求されるため、恐らく自動小銃並みの代物ができあがってしまい、安価で比較的簡素な設計(最近の警察・特殊部隊向けサブマシンガンはそうでもないけど)という元々のサブマシンガンの思想からはかけ離れた代物になってしまうでしょう。
ブラック・タロン
- 単に「拳銃より大威力で、ライフルより軽くて使いやすい」弾と銃の組み合わせならば「カービン銃」というものが存在します。カービンの多くは正規型小銃の銃身を短縮したものですが、二次大戦時アメリカが使った M1 カービンは「.30 カービン」と呼ばれる専用弾を使い、その威力はそこらのマグナム拳銃より遥かに高いものです(逆に .30 カービン弾を撃つハイパワー拳銃が存在します)。また二次大戦後に共産圏で多用された SKS カービンは AK-47 と同じ弾を使いますが、より簡素な機構で重量も軽く設計されています。
ささき
- いわゆるマグナム弾といって思い浮かぶ.44や.357リボルバー用のリムド・カートリッジではありませんが、マズル・エナジーで.357Magに迫る10mm Auto弾を用いたサブマシンガンならば、かつてHK社がMP-5/10シリーズとして生産していました。
また、狭義のマグナム弾という定義からは逸脱するものの、第一次世界大戦に出現したMP-18の時代から、SMG専用の強装弾が用いられていた機種があることも事実です。
みなと
- 初活力からSMGを見てみますと、代表的なSMGカートの初活力は以下になります。
9mmルガー、弾重8.1g 初速318m/s 初活力41kg/m 45ACP、弾重14.9g 初速263m 初活力51.7kg/m 7.62mmトカレフ、弾重5.5g 初速499m/s 初活力68.6kg/m となり。(ウインチエスター社HPよりFMJの値メートル法に換算四捨五入)
これは、拳銃から発射した場合ですので、SMGの場合銃身長長く初速が増大しますし、45やルガー弾の場合4で触れられているように数十パーセント増しの強壮実包を使用していますので、この値より初活力は大きくなります。
一方、マガナムカートリッジの代表的な物は、357マグナム、弾重11.7g 初速358m/s 初活力75kg/m 44マグナム 弾重15.6g 初速358m/s 初活力99.5kg/mです。
以上の値からSMGから発射された代表的実包の初活力は、50kg/m以上70kg/m強の威力の範疇にあることとなり、やや弱いながら357マグナムに比肩しうる威力を持っていることが判ります、
従って、ケース形状を無視しますと、357マグナムでオープンボルト、ストレートブローバックのSMGは実用可能と言えますが、逆にいうとさしてマグナムな威力と言う程のものではありません。
44マグナムと為りますと同じような用途に使える実包として、30カービン、弾重7.1g 初速603m/s 初活力130kg/m 5.56mm NATO、弾重3.6g 初速991m/s 初活力175kg/m 7.62mm×39、弾重8g 初速714m 初活力203kg/mといった同程度から上の威力のものが多数あります。
ただこの威力範疇に入ると通常のSMGの様に閉鎖機構無しで作動させる事は不可能になり結果として銃は、突撃銃同様の機構を持った物に為りますので、拳銃弾を使用する意味は小さくなります。
そもそもSMGには純然たるコマーシャルマーケットと言うものが存在しませんので、古い時代は軍用で各国軍の制式実包を使用するのが都合よく、それで当時としては威力充分。(実際は不十分であるから突撃銃というカテゴリーが出現したとも言えますが、当時としては、SMGの威力で充分実戦に耐えたと言う意味に於いて)
戦後は主に法執行機関が威力弱く二次災害に対処出来るので拳銃弾を使うSMGに着目していますので強装弾の使用はニーズがない、そしてあまり威力を大きくするとSMGの狭義の範疇から逸脱すると言う事だと考えられます。
二三の解答者の上げられた、強装弾使用のSMGがMP5系の閉鎖機構付のSMGであることもその為と考えますが、クローズボルト、閉鎖機構付の拳銃弾を発射する新しい時代のSMGは法執行機関が命中精度向上の為採用している意味合いが高いので、強装薬使用はオプションとしてそうした方向性もあると言う程度であろうかと思われます。
退役老少佐
- >初活力41kg/m
単位がkg/mの初活力というのは、一体どういった物理量なのですか?
セミララ
- 諸氏の明解な回答に被りますが、2〜3言申させて頂くと・・・・・
マグナム(けん銃)弾の定義は難しいところですが、仮に通常の大口径けん銃弾より3割以上高初速・高威力の弾薬
と仮定義すれば、サブマシンガン発達幼少期(1920〜1930年代)のヨーロッパ各国では、
高威力けん銃弾薬使用についても色々と試行錯誤されています。(例えば 9mmMauser .38colt super)
しかしながら、それらのサブマシンガンは淘汰され、サブマシンガン弾薬は、ほぼ.45ACP,9mmPara 又は威力的に同等以下
に落ち着いてしまいました。
その理由を推測すると・・・・
1.(軍用)サブマシンガンは、(軍用)ピストルとの弾薬共用性がまず第一ですが、
高威力けん銃弾では片手射撃が基本のピストルにたいしては強反動が非常に扱い難いものとなります。
ピストルの構造強度的にも苦しいです。 よって、けん銃弾薬はピストル用を主要使途とし、
高威力けん銃弾は諦めなければなりません。
2.弾薬燃焼特性が重要です。 けん銃弾薬(発射薬)は 小銃弾薬(発射薬)に較べて 確実に速燃焼であります。
高威力にするからと、単純に銃身を長くしたり、ボルト重量を重くしたり、ロック機構(閉鎖機構)を付ければ済むもの
とは思えません。 微妙なバランス調整が必要です。
(安定作動は別として)無理矢理、強度・肉厚を付加したり、ロック機構を付けても
軽便安価という長所を相殺してしまいます。
以上の理由により 高威力弾薬のサブマシンガンは実用化し難いものと考察します。
(銃の構造強度計算は、単純に弾丸運動エネルギーから考察するものではなく、
むしろ反力、腔圧、包底力が重要かも知れません)
そして、WWII時代より今日まで、その妥協点として、通常弾より威力が2割増し程度の増装弾をサブマシンガン用として
製造・配給している国はいくつか存在するところです。
(言い換えれば、この増装弾を無理矢理ピストルと共用させている国も有ります)
蛇足
>3.「.30 カービン」
人間の欲とアイディアは無限です。 そのものズバリのサブマシンガン的な物が存在します。 ”的”と付け加えます。
ドミニカの ”CRISTOBAL M1962”
http://www.jedsite.info/smallarms/charlie/cristobal_series/modelo-62-fs/modelo62fs-intro.html
以上 私見失礼しました。
軌跡の発動機?誉
- 皆さん、レスありがとうございました。
銃に関しては全然素人ですが、自分でもこれから色々と調べていきたいと
思います。
ACP