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122ではPAC3にういて色々情報が得られ、勉強になりました。 関連して、先日軍事ジャーナリストの神浦氏のHPにて以下のような記述を目にしました。 「敵の弾道ミサイルは終末飛翔段階で、ほぼ垂直で地上に向かい落下してくる。それを地上からPAC3は真上に迎撃する」 ネット上、あるいは雑誌などでみるPAC3(に限らず弾道ミサイル迎撃)の迎撃テストでは、(写真で見る限りは)弾道ミサイルは斜めに落下してきているように見えます。 上記記述は神浦氏の思い違いによるものなのでしょうか?それとも実際にほとんど垂直に落下してくるミサイルもあるのでしょうか。 satoski |
- 訂正です…
誤)にういて
正)について
satoski
- 砲外弾道を前提に考えれば、その様なパターンもあり得ます。ですが、それは榴弾砲のように射撃角度及び加速力(総推力)が容易に可変できるものに限られます。弾道を描くロケット弾に関して言えば「そのような飛翔パターンを描く射距離もある」という捉え方で良いと考えます。
まぁ、わざと推力を削るような飛翔パターンを作ることで榴弾砲弾の様な挙動を示すことは(最大射程に比してかなり短めな射程を設定した場合において)可能ですが、そのようなオモシロギミックを採用することで生じる飛翔距離の長距離化に起因する総飛翔時間の増加(=対処可能性の増大)及び、誘導装置類の追加重量・容積に起因する射程もしくは威力の低下、そして製造コストを考えれば(中距離弾道弾は超長射程榴弾砲として使われることを考えれば)、普通は採用しないでしょう。そこまでやる気があるなら巡航ミサイルの方がより安く開発可能です。逆に言えば、前述の前提を受容するのであれば、そのようなオモシロギミックを付けても良いでしょう。
大体にして垂直に落ちてくると仮定したとしても真上に迎撃する必要なんてこれっぽっちもありません。逆に真上から落ちてきた方が、より多くの迎撃パターンを増やすことが可能です(上空から真横にモーメントを付与するというシナリオが増えるため、直撃・完全破壊を目指す必要性が薄れてきます)。
sorya
- sorya様
ご回答有難うございます。
一点追加質問してよろしいでしょうか。
>逆に真上から落ちてきた方が、より多くの迎撃パターンを増やすことが可能です(上空から真横にモーメントを付与するというシナリオが増えるため、直撃・完全破壊を目指す必要性が薄れてきます)。
この部分がちょっとよく判りませんでした。もし出来れば、もう少し詳しくご解説願えませんでしょうか。(斜めに落下してくるミサイルに比べて水平方向の成分が小さいため、より追尾捕捉が楽になる、というような意味でしょうか)
satoski
- もの凄く簡単な話で弾道最高点での速度成分が完全に0(もしくはほぼ0)になった条件こそが砲外弾道において真下に落下する大前提だからです。
つまり、垂直成分だけでなく水平成分も減速しながら弾道最高点に到達していくため、1)弾道最高点付近における時間的余裕が発生する分対処時間が稼げる、2)落下時に対処する場合においても水平成分の速度がない(もしくは少ない)ため、水平方向への慣性付与による弾道偏向が容易になる、ということです。
sorya
- 再びのご回答重ねて感謝いたします。
なるほど、イメージがつかめてきました。
となるとやはり件のHPの記述は少々アレっぽい感じですね…。
satoski
- ぼうえい庁が平成14年4月付けで
「弾道ミサイル防衛(BMD)に関する研究について」
というパンフを発行しています。
その中で「1,000kmの弾道ミサイルを例にとるとこのような特性が見られます」という見事な画があり、
「1,000km級の弾道ミサイルであれば、約10分間という非常に短い時間で到達します。また、約40度以上という急角度で落下してきます。」
と書いてますね。
評論家の御高説は、話半分に聞くと丁度いいのかも・・・
とく名希望
- 神浦氏と並ぶ田岡俊次氏のトンチンカンぶりもお忘れなく・・・
あの程度だからTV受けがいいとも言えますが(笑)
私も匿名