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第二次世界大戦時の映画でよく、 負傷した兵士にモルヒネを投与していますが、 モルヒネを所持していたのは衛生兵だけだったのですか。 私的な意見だとモルヒネは簡易注射器に入れられていたので 誰でも投与できると思うのですが、どうなのでしょうか。 衛生兵 |
- 簡易注射器・・・・・・って、どんなだ? と検索したら、こんなページが出てきました。
http://www.h3.dion.ne.jp/~brothers/Brev6.htm
・・・・・・やっぱ、それなりの資格(というか、それを取得するための知識)の無い人間に注射されたくないなぁ。
モルヒネはさておいても、注射・・・・・・イヤなんですよね。痛みは我慢するとしても、別種の恐怖が。(ま、最近は健康診断で採血するくらいですが)
杉村徹
- 兵士全員に麻薬を携帯させると、さまざまな意味でその管理が大変だというのも理由の一つでしょう。
カンタニャック
- WWIIの米軍の(一般兵も持つ)救急キットにはモルヒネが含まれていました(杉村徹さまが挙げられたBand of Bros.の話の中にも衛生兵がE中隊の兵士達からモルヒネを集めるシーンがあります)。モルヒネは強力な鎮痛効果を持ちますが、市販の痛み止め薬(痛み受容体をブロックする)と異なるのは、「痛みの信号は脳に伝わるが、脳はそれを不快なことと認識しない」状態にする作用機序にあります。モルヒネの過剰投与で問題になるのはまさにその点で、苦しくならないので呼吸するのを忘れてしまうのです。
上述の理由により、現在の医療現場に於いてもモルヒネの投与は皮下注射が基本です(血管注射や筋肉内注射よりもゆっくりと血中に移行する)。映画で見られるモルヒネのアンプルを無造作に太腿などに刺すのは、理にかなった使い方なのです。
ということで回答としては、1.一般兵も持っていた。2.誰でも投与できる。3.それによる弊害についてはいろいろ報告がある(杉村徹さまのリンク参照)。になると思われます。
余談ですが、本邦においては癌の末期の疼痛コントロールに使われる他、一部の内視鏡検査(気管支鏡や膵胆管造影など)においてもモルヒネ及び類似薬が使われることがあります。
junkers
- キットにモルヒネがつくのは空軍だけだと誤解していました。失礼いたしました。
カンタニャック
- 回答してくださった皆さま、
ありがとうございます。
衛生兵
- >junkersさん
“無造作に太腿などに刺す”これって筋肉注射だと思いますが。
モルヒネの皮下注射や筋肉注射は、確かにゆっくり効いてくるのは良いのですが、
血中濃度にバラツキが大きくあまり当てにならないという欠点があるので、
静脈注射の方が管理しやすかったりします。
RT
- >RT さま
杉村徹さまがあげられたリンクでは1.5cmの注射針とありますので、野戦服の上から太腿に刺した場合、筋肉まで到達するかどうか?と思いましたので。いわゆる医療現場での皮下注射とは全然異なるのは承知しております。
癌の疼痛コントロールでは静脈内に精密持続投与しますね。
junkers
- >3,7、junkersさま。>6、RTさま。
バンド・オブ・ブラザーズは名作品ですが、演出のためか、事実と異なるシーンも数多いそうです。
モルヒネ・シレットに限っても、映像に描かれた「無造作に太腿などに刺す」:
http://www.sproe.com/images/screenshots/morphine-02-large.jpg
のは演出で事実と異なり、もっと浅い角度で皮下に向かって刺すのが本当です:
http://home.att.net/~steinert/_borders/Image3.jpg
ちなみに、モルヒネを使った負傷兵のおでこに「M」と書いておくのも演出で、本当は負傷兵の軍服の襟などに、使ったシレット(チューブの商品名)を刺しておくのが目印でした。
まあ、当時の戦場のことですので、「疼痛コントロール」などという生易しいものではなく、1/2グレインのチューブ1本分のモルヒネを投与されると、大きな米兵でも、直に気を失い、野戦病院に着くまで起きなかったそうです。
The eternal若旦那
- ↑「無造作に太腿などに刺す」シーンの画像は、プロテクトがかかっているようです。小さな画像:
http://www.sproe.com/images/screenshots/morphine-02-small.jpg
か、元のコンテンツ:
http://www.sproe.com/
からたどってください。
The eternal若旦那
- ↑プライベート・ライアンだった。ごめんなさい。
The eternal若旦那
- 旧軍の場合は、モルヒネを持っていたのは衛星兵をはじめとする医療関係者のみならず歩兵をはじめとする一般の軍人達も持ってる事が多かったそうです。それが大東亜戦争終了後に爆発的に戦後の混乱と共に「普及」してしまったそうです。
元禄