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ある海洋冒険小説に、英国の病院船が体当たりでUボートを沈めるくだりが出てきました。そしてその後舵取りが 「なんて危ないことするんだ!」 と責められて 「潜水艦と水上艦がぶつかればまちがいなく水上艦が勝つ!前例がいくらでもあるぞ」 と強弁するのです。本当にそういう例があるのでしょうか? 舘 |
- 散々既出と思われますケド、HMSドレッドノートがWWI中の1915.3.18に独逸のU29(艦長ウェディンゲン)を衝撃で沈め、1914.9.22の装甲巡3隻(アブーカー、クレッシー、ホーグ)の仇討をしたのは有名なハナシ
駄レス国務長官
- まあ、そりゃ例は幾つもありますが、潜水艦が勝ってしまった例も、例えばハワイ沖の「えひめ丸」とかあります。
この体当たり攻撃を狙って艦首を頑丈に強化した駆逐艦もありました。
潜水艦の体当たり撃沈で有名なのは、あのタイタニックの姉妹であるオリンピックや、弩級の名の元になった英戦艦ドレッドノートなんかでしょうか。
SUDO
- 私はその本、読んでいないのですが・・・・・・。
そもそも、『「病院船」がUボートに体当たり攻撃を仕掛ける』こと自体、ジュネーブ条約なんかに違反した行為だと思うのですが・・・?
元むらくも乗員
- タイタニックの生き残り航海士ライトラーが指揮する
駆逐艦も体当りでUボートを沈めてるみたいですね。
もっとも氷山にぶつかった時もUボートにぶつかった時
も彼は寝ていたらしいですが。
SAW
- その小説の時代設定、及び設定条件によって微妙に回答が異なる可能性がありますので、推測を交えて回答させていただきます。
第一次世界大戦において、後半の1917年までは、船舶が潜水艦を攻撃する方法は、体当たり(衝撃)と砲撃しかありませんでした。
イギリス海軍はイギリス船舶省を通じて、ドイツ潜水艦が浮上して停船命令や砲撃を行おうとした場合、前方に潜水艦が出現した場合には、潜水艦に向って突進し、衝撃を試みる、側方ないし後方に出現した場合は非敵側に回頭し、装備しているならば、船尾の砲によって攻撃を行うよう指導しています。
SUDO様のいうオリンピック号の話は、おそらく前者の例、後者の例としては日本郵船の讃岐丸などが挙げられます。
話を戻すと、潜水艦に対して衝撃を試みるというのは、第一次世界大戦においては当然の話であり、イギリス船員ならば知っていて当然の「常識」となります。小説の中で登場人物が「なんて危ない事をするんだ!」と言ったとするならば、それは小説の演出だと思います。
いぎし ちじ
- 第2次世界大戦でも、Uボートに対する衝撃攻撃は行われております。
これはUボートが夜間水上攻撃を仕掛けてきた事が大きな要因です。
この結果、アスディック(ソナー)は使えず、レーダーも未発達だったこ
ともあって、きわめて近接した状況で護衛艦とUボートが遭遇すると言う事
態が生じております。
もともと潜水艦は少しの注水で潜航できるようにギリギリの浮力しか持ち
合わせておりません。
したがって、衝撃は有効な手段となりうるわけで、第2次世界大戦の冒頭
においてはイギリス駆逐艦がUボートに体当たりを仕掛けたケースが散見さ
れます。
ただ、攻撃する側にも危険がなかったわけではなく、1942年10月16日にイ
ギリス駆逐艦ヴィスカウントがU619を撃沈した時には、ヴィスカウントも
大破しております。
このため、イギリス駆逐艦は艦首を強化して衝撃に備えておりました。
御質問にございます病院船ですと、おそらくは客船を改造したものかと思
いますので、船体が大きい分、衝撃に対して備えることは出来たと思います。
ただ、特に船首を強化しているわけではないでしょうから、この点、脆弱
と言えば脆弱であろうかと思います。
hush
- >6
本題から離れた話で申し訳ないのですがuboat.net (現在キャッシュのみ)の記事によればHMS Viscountが沈めたのはこれまでU-619であると思われていましたが実はU-661だそうです。
なおさらにどうでも良いことですが、Viscountはバイカウントと読むのが一般的かと。(昔Vickersの旅客機でありました、たしか全日空が運用していたと思います)
けい
- >7
フォロー多謝。
uboat.netがつながらなかったので、自分もきちんと確認できずに書き込みました。こういうのって、確認が難しいですからね(自己フォローしてどうする)。
読み方の件は、仰せの通りであります。
失礼致しました。
hush
- >3
イギリスにハーグやジュネーブの遵守を求めることはできないと思いますよ。
実際、WWI、WWII、マレー共産ゲリラ討伐、フォークランド、湾岸、イラクと見てきても、ちっとも守ってませんもの。
まなかじ
- すごいゴミですが、陸軍三式潜行輸送艇(まるゆ)は、貨物船などに追突されても沈まなかったと聞きました。
第八六七艦隊
- >英国の病院船が体当たりでUボートを沈めるくだり・・・
英米人の考え方というのは小説読んでも、何かかなり異なったものを感じます。
捕虜に化けて救助させて独逸艦を騙し取る、なんてのがいっぱいありますね。
かたや、独潜は輸送船の救命ボートに機銃掃射を必ずするそうで・・・
4式射撃装置
- 潜水艦を沈めちゃった例。
88年8月、ペルー、カヤオ港港外でペルー海軍のパコーチャと日本漁船第8共和丸が衝突、潜水艦が沈没。
この第8共和丸はペルー政府に接収された後、船籍ペルーの漁船「Ballena」(鯨の意)となり、最近までエクアドルのマンタ港から出漁していたが、現在は同港で係留中。
ちなみにパコーチャは1944年竣工のガトー/バラオ級米潜水艦の後身で、グッピーI改造を受けたもの。第8共和丸は499t型マグロ延縄漁船で、こちらでの計測総トン数は812総t。(日本と計測基準が違うため、日本での登録トン数の2倍弱になります。)
多分、現代の潜水艦でも、原潜以外なら2千tを超えるような船にまともにぶつけられたら、まず沈むのは潜水艦と思います。特に大戦中の潜水艦のように、サドルタンク形式の潜水艦では、側面から衝突して横倒しになった場合、下部に弁がありませんから、船体に損傷が無くても浮力は失われます。
ですから、「浮上した潜水艦にぶっつけちまえ。」という戦法は相当に妥当な方法と思えます。
elebras
- 以前私自身が質問したのですが、海自の護衛艦も、初期は潜水艦への体当たりを考慮して
艦首を強化構造にしていました。
そういえば、WW2開戦当時の世界最大潜水艦シュルクーも体当たりの誤爆? で沈んでいますね。
勝井