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WW2の各国の戦艦・巡洋艦を見ると、櫓楼測距儀よりも砲塔測距儀の方が大基線長であるフネが多いように感じられます これは何故なのでしょうか? セミララ |
- 砲塔測距儀は砲側照準時に物を言う装備ですから、その精度は死活問題ですんで優先されてしかるべきだと思います。
艦橋トップのは、砲塔測距儀が使えれば、別に大きくなくても困らないし、観測機や高度な射撃法の工夫の中で、艦橋トップの測距儀の優先度というのは意外と低かったのではないでしょうか。
結局遠距離で初弾から一斉撃ち方をするという戦法に対しての取り組み方の違いであろうと思われます。
SUDO
- 櫓楼自体の強度ってのはどうなんでしょうか。
富士見町
- >2
新造艦なら、そのつもりで強固な構造で作る事も可能ですし、改装だって出来なくは無いですよね。
現にイタリア戦艦は大型測距儀を備えています。
SUDO
- ぜんぜん関係ないけど、檣楼(しょうろう)だと思うな・・・
まなかじ
- 以前は「檣楼測距儀=主,砲塔測距儀=万一の場合の予備」と思っていましたが,そうでもないのですね。
Ranchan
- >5
ええ、万一の場合じゃなくて、最初から使うものだったのです。
使えないときは仕方が無いけど、使えるなら使うというものです。
当時の射撃指揮は、初弾観測二段撃ち方か、それに類似したものが一般的でした。
つまり初期観測データでは本射に入らないのです。
例えばドイツ艦では、測距データで一回、続けて遠近ずらした第二、第三を放ち、その結果を見て、本射にというやり方です。
このような射撃法では、初期観測データが優れていようとも、数射はどっちにしても、ずらした照準をしちゃうのですから、あまり大きな意味を持ちません。大筋で外してなければ実害は無い訳です。
また後に改定された英米軍の場合でも修正は固定数値が一般的ですし、つまりは一定レベルより高性能高精度なデータであれば、あとはそう変らないし、どちらかというと各射撃の履歴を把握しておき、今の弾着が何に基いて射撃しているのかを把握し、速やかに修正データとして適用するという射撃指揮システムのほうに重点が置かれているともいえます。
開戦前の日本軍の場合は高精度な初期観測から、最初から夾叉を狙えるつもりだったのと、水柱に対する測距で的と弾着の距離差を正確に把握して修正量に適用させるといった技巧的な手段を用いていた訳です。
近弾だから400追加とかって簡単にせず、何メートルずれてるから何メートル修正ってやっちゃうわけです。これは演習ではより優れた射撃結果として出てきますけど、少し技巧的過ぎたかもしれないわけです。
厳密で精密な測距データや諸元を算出して、最初から当てていくというやり方と、連射しながら適当に直していくやり方の、どっちが先に有効弾を出せるのか、また機材や人員に頼る度合いはどうなのかといった観点に対する考え方と取り組み方の違いともいえるでしょうね。
SUDO
- つうか、見える限りの全部の測距儀で測って、それを均して一回あたりの測距誤差を縮めるわけだから、大基線長の測距儀をたくさん装備することは、それだけで測距精度が高くなるわけだわな。
だから、砲塔測距儀は目標が見えている限りはFCSに組み込んで使うものであって、距離が近くなれば大基線長測距儀が多数FCSに入ってくるからより正確に撃てるよと。
距離が遠い場合は高い測距儀とか短い測距儀しかFCSに入ってこないということであって、とくにメインとかサブとかいうことではなかろうと。
そこで、大遠距離でも頑張ってよく狙って撃つのか、大遠距離は難しいから捨て気味にするのかというところかと。
まなかじ
- >#1,6 SUDOさん
>#7 まなかじさん
日本と他国における、測距儀の意義?の違いが理解できたような気がします
しかし、このような独特な射法を採る日本の場合にしても、やっぱり砲塔測距儀の方が長いのは、左右に伸びる腕の支え方の違いなのでしょうか
かなりの部分を砲塔で支えている砲塔測距儀→長くできる
中央しか支えの無い檣楼測距儀→長くしにくい
>#4 まなかじさん
>ぜんぜん関係ないけど、檣楼(しょうろう)だと思うな・・・
ごめんなさい
こういった字を間違えるなんて、目と頭の衰えを感じます
セミララ
- >8
写真や図から見る限り、大改装後の日本戦艦の砲塔と艦橋トップの測距儀はともに10m、大和の場合も主砲塔と艦橋のは同規模のものに見えます。
SUDO
- ドイツ・イタリア・フランスの新型戦艦・大改装戦艦が艦橋上部に10mクラスの大測距儀を設置しておりますが,同規模の装備を持つ大英帝国戦艦は「ヴァンガード」くらいしか思いつかないです。これは「大遠距離砲戦などという軟弱な戦いは許さん!」という大英帝国海軍の「伝統」の現れなのでしょうか?(爆
Ranchan
- >10
伝統で言うなら、第一次大戦時には英艦は独艦をアウトレンジしておりますが……。
単に、戦間期に想定した距離が、他国程に無体に長く伸びていなかったという事でしょう。
SUDO
- >#9 SUDOさん
最上や利根等は、艦橋トップが6m測距儀、砲塔が8m測距儀ですね
セミララ
- >12
おお重巡ですか、そうですね、重巡はトップのは小さめですね。
「艦砲射撃の歴史」によると、重巡洋艦は遠距離(20km以遠)で初弾夾叉は無いと判断していたようです。また利根型はそれでも従来の高雄型よりも測距精度が良いとのこと(恐らく改装前の高雄と比較と想像)遠距離では航空機を用いる事でこれらを補うつもりだったようです。
昭和期の戦艦の演習距離は時代が経るに連れて20kmぐらいから30km級へと伸びていますが、重巡は15km〜20km程度とあまり大きくは伸びておらず、これが砲威力や戦術的な都合で遠距離射撃を重視していなかったのか、はたまた散布界問題等で遠距離射撃に期待していない、もしくは出来なかったのかは判りませんが、あまり遠距離には期待していないんじゃないかなと思われます>勿論予算や重量の問題もあるんでしょうけど。
SUDO
- 福井静夫氏の著作中に、愛宕・高雄が2万7000mで初弾夾叉させたという記載があり、胸を躍らせた記憶がありますが、これは奇跡だったのですね
セミララ
- 射法がどうこうよか、地球は丸いので低所からだと遠くが見えない → 遠くを見たけりゃ高所から、つーだけのハナシかと
地上(水面)高Hから見たトキの水平線までの距離Xとしたトキ
X = 3569√H (m)
大和の(第二)砲塔測距儀の喫水線からの高さH1: 約13m → X = 12.8km
同じく檣楼測距儀の喫水線からの高さH2: 約37m → X = 21.7km
・・・だから想定最大砲戦距離によって檣楼測距儀の基本スペック(基線長、据付高など)が決まるワケです
ヂャットランド海戦(南下戦): 27km前後で相互に敵視認、15km前後で初弾発射
フッド対ビスマルク: 38km前後で敵視認、24kmで初弾発射
大和対ガムビアベイ: 33kmで敵視認とともに初弾発射
日本戦艦みたいに30km超の大遠距離砲戦するんなら大基線長の檣楼測距儀はマストかと思われ
駄レス国務長官
- >15
でも、それは艦橋トップに大測距儀を置いてないのに30km超での射撃をも標榜していた米海軍はどうなるんでしょう?
SUDO
- >>16.
だから命中率が低かったんじゃないんでしょうか?! >> 米海軍
籠マストだと無理ですよね >> 大基線長の檣楼測距儀
あでも新戦艦のBB-55あたりでは搭上、喫水線からの高さ120ft(約36m)に基線長30ft(約9m)の檣楼測距儀を設けてますケド
駄レス国務長官
- >大基線長の檣楼測距儀
わが海軍の場合は「できるだけ遠くから測距を開始して、できるだけ早く諸元を得よう」という主旨ですね。
>わが重巡の場合
主砲の最大射程>測距可能距離
ですから、2号20センチ砲の最大射程である27000mで初弾夾叉したとすれば「奇跡的」といえるのかもしれません。
ちなみに、わが重巡の最大砲戦距離が20000〜22000mであったのは、水柱の大きさが小さく観測が困難となるためで。24000m以上では観測機を用いるのが前提となりますね。
tackow