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アメリカの一連の正規空母を攻撃型空母と表現されますが、攻撃型空母の定義を教えてください。またいつからこの言葉を使いはじめたのでしょうか?第二次大戦中の空母に使われていた記憶はありません。やっぱりへり空母、ハリアー・軽空母に対して、大型の固定翼機搭載の航続力に優れた、攻撃目的に使用できる空母でしょうか?まさか大戦中の大鳳級・イラストリアス級の装甲空母にていして、艦載機数を優先した翔鶴級、エセックス級の大型空母を攻撃型空母ってことはないですよね。かつてソ連は米空母の防御力の低さを鉄の棺おけと言ったそうですが(攻撃空母をもてなかったソ連の僻みでしょう)。攻撃型空母の定義といつごろから使い始められた言葉か心優しい方々ご教授ください。 烈風かい? |
- 米海軍は1952年10月の艦種種別変更にともない、当時艦隊にあった航空母艦を一部の例外を除いて攻撃目的任務の艦をCVA(攻撃型空母)、対潜任務に使用する艦をCVS(対潜空母)に分類します。その後計画されて就役したフォレスタルからアイゼンハワーに至るまでの大型空母も就役時にはCVA(CVAN)に分類されており、「アメリカの大型空母=攻撃型空母」という図式が一般的にもひろまりました。
この艦種種別は1970年代まで有効でしたが、エセックス級CVSの退役に伴いミッドウェイ級以降の攻撃型空母に対してCV(汎用空母)化工事が進められたことと、最後までCVA籍にあったエセックス級CVAが1970年代後期に退役したため、CVAに分類される艦が就役艦リストから消えたことに伴い、艦種種別からCVAの名称もまた自然消滅しています。
大塚好古
- 攻撃空母=CVAは、対潜空母=CVSと対になった括りでして、現在、公式にはこれらのカテゴリーは使われておりません。
定義としては、攻撃空母は「戦闘機や攻撃機など、主に戦術機を搭載運用する空母」、対潜空母は「主に対潜機を搭載運用する空母」になるでしょう。
これら2つのカテゴリーは、戦後、エセックス級が近代化改装された際、潜水艦の性能向上に対応するため、対潜機を重点的に運用する空母が分化したことに端を発します。それらに対潜空母という括りを与え、そうでない戦術機の搭載に重きを置いた艦を攻撃空母という分類に改めて、両者を分けたということです。
その折、ミッドウェー級以降の艦は攻撃空母に分類されました。現在でも米海軍の大型空母を攻撃空母と称び慣わすのは、その名残です。
なお、エセックス級が攻撃空母と対潜空母に分けられた理由は、エセックス級は艦上機のジェット化に対応できるキャパシティを持っていたものの、当時の戦術に於いて戦術機と対潜機を同時に運用するにはキャパシティが不足したため。また、対潜戦を効率的に行うには情報センターが必要という考えが具体化され、そのための施設を新たに設けることになりました。対潜空母と攻撃空母の違いは、搭載機種の違い以上に対潜情報センターの有無にあります。
その後、キャパシティが大きいフォレスタル級以降の艦が主流になり、戦術の変更も相まって、1隻の空母が戦術機と対潜機を共に運用する形に改められました。それによって攻撃/対潜の別がなくなり、単に空母=CVと原子力空母=CVNに再分類され、今日に至ります。
蒼氓
- 現在は攻撃空母という名称は使われていません。CVAの名称が使われたのは1952年10月1日から75年7月1日までと思います。
この際、52年10月1日には、ESSEX級、Midway級がCVからCVAに変更されています。Forestal級以降の大型空母の就役に伴い、ESSEX級は順次CVSに艦種変更されています。
CVAがCVに変更されたのは、CVS(ESSEX級対潜空母)が退役してしまったからと思います。
富士見町
- >1
訂正。CVA呼称の米空母が書類から全て消えたのは1989年まで太平洋艦隊予備役にあったCVA-31が除籍された時でした。就役艦からCVA呼称が消えたのは1975年6月30日の艦種呼称変更の際ですね。
大塚好古
- ご回答ありがとうございました。疑問がはれました。対潜空母とついになる言葉なのですね、どうもありがとうございます。
烈風かい?