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2671 対潜短魚雷が切れても、CIWSの最新型や速射砲はシュノーケル運転の潜水艦や
魚雷に対してレーダー管制射撃ができると聞きました。

1)CIWSは赤外線画像照準の付加で可能になったと聞いたのですが
  これは赤外線画像認識によるのでしょうか? それとも赤外線センサー
  と  レーダーの情報を参照して両方に写る点を射撃するのでしょうか?
  それともフレアをふくむ赤外線発生源を何でもかんでも
  撃つのでしょうか?
  また・・20mm弾は水深何mくらいまで有効なのでしょうか?
  高速で衝突する水面はコンクリートも同様と聞いたのですが・・

2)速射砲の場合は何mくらいの対象に加害できるのでしょうか?
  またFCSがシークラッターから潜望鏡をより分けられるのは
  なぜですか(よく潜望鏡を出した潜水艦はレーダーで発見可能とか
  言いますがパルスドプラーでなくて発見可能なのでしょうか?  


八巻

  1. 1)純粋に赤外線画像認識によるものです。
     赤外線源のどの部分を射撃するかは
     人間が指示し、機械がトラッキングします。
     >20mm弾は水深何mくらいまで有効なのでしょうか?
     水面下はまず期待できません。

    2)>FCSがシークラッターから潜望鏡をより分けられるのはなぜですか
     シークラッターに比べ、潜望鏡の反射は時系列的な変動が
     少ないからです。
    CSEDS

  2. >またFCSがシークラッターから潜望鏡をより分けられるのは
      なぜですか

     FCSでなくとも、航海用レーダーでもより分けられます。シークラッターの原因は波でして、これの出現は完全にランダムです。ですから、一回目のスキャンで現われた反射をメモリーに記録しておき、2回目のスキャン結果と比較して、レーダー相関範囲外で前回と一致しない反射を表示しない、という手法でクラッターを除去できます。
     実際には4回転分のデーターを比較して(約10秒)、継続して観測できる物標だけをその平均値として表示します。そして、次の4回転分は実際に反射が無くても表示され、4回転以内でまた反射があれば、さらに4回転分表示されます。これを連続することで、クラッターと判別できない物標を選択的に表示できるようになります。

    実際の応用としては、波高の高い海況での小型船の探知(プラスチック小型船のRCSは場合によっては潜望鏡より小さい)や、ラジオブイのアンテナにある短縮コイル(直径3Cm、長さ20Cmくらい)の反射などをクラッターを排除して探知する場合などに用いられます。私は209型の潜望鏡しか至近で見たことがありませんが、少なくとも209型の潜望鏡ならば、海面50Cm程度出ていれば、よほどの海況で無い限り探知できます。
    ラジオブイのコイルは、レーダーアンテナの高さにもよりますが、通常、12から8浬程度で探知できます。20浬前後で探知する例もあります。
    elebras

  3. >CIWSや速射砲は魚雷やシュノーケル運転の潜水艦を射撃できるか。
     シュノーケル運転のように海面上に何か構造物を出していればその構造物を撃つ事は出来るでしょうが対潜魚雷の代用として使用すると言う話は寡聞にして聞いた事がありません、どこでお聞きになった話でしょうか。

    1)
     CIWSの一部に光学照準機能が付いた事により、対水上射撃が可能になった事と混同されておられないでしょうか。

    2)
     速射砲でも、水面上で信管作動して、爆圧でどうにかと言うのはあるかもしれませんが、そもそも照準がろくに出来ないのでメクラ射ちにならざるをえません。
     シークラッターを除去する方法については、>1、>2で述べておられますので省略します。
     現在艦艇に搭載されている火砲で水中目標に損害を与えうるものは、対潜臼砲等ごく一部に限られます。

    >補足
     現在、水中で良好な弾道を持つスーパーキャビテーション砲弾のテストは行われており機雷処分への使用が検討されています、ただし、将来の話ですのでいつ実用化されるかは不明です、また、それの照準についてはレーダーやFLIR等の使用は考えていない様です。
    ooi

  4. 1)CSEDS様
    丁寧な回答有難うございます。赤外線画像誘導なんですね。
    人が迎撃サイクルに入るということは、FACには有効でも
    モスキートのような高速シースキマーにはどうなんでしょうか?
    そちらは、ELEBRAS様解説のクラッター除去レーダーで対応でしょうか?

    2)ELEBLAS様
    詳細な解説どうもありがとうございました。非常に感謝いたしております。
    愚問ですが、もしプラスチックのシュノーケルとか潜望鏡があればきわめ
    てレーダーに写りにくいのでしょうか?

    3)OOI様
    詳細な解説どうもです。

    >どこで聞いた話でしょう?
    火葬戦記で追撃の果て双方対潜魚雷切れ VS 電池切れになった
    場面で”CIWSで撃ってるんで”そんなことできるんかいな?”と疑問に思った次第です。

    しかし、シュノーケルに対して照準はCIWSも速射砲も可能に思うのですが
    なぜ盲撃ちなんでしょうか?



    八巻

  5. プラスチックの潜望鏡/シュノーケル

     実際にあれば凄く映りにくい事は確かです。ただ、見えないわけではありません。海鳥が12浬の距離で見える事を考えてみていただければ判るかと思います。それほどまでに現在の航海レーダー(市販品)の受信性能は高くなっています。
     しかし、どちらにせよ、レーダーで見えるのは水平線までです。(実際は光学的水平線の4/3になります。)2.2X(√h1+√h2)(単位は浬)で算出できます。艦のレーダー位置を25m、目標が海面高度とした場合、探知限界は11浬という事になります。

     潜水艦装備にプラスチックを使った例としては、209型で市販航海レーダーをGFRP製レドームに収めた例があります。レドームの積層厚は40mm、内径直径400mm、高さ650mmで、試験成績によれば、耐圧深度350m以上となっています。レドームの乾燥状態での電波透明度は上々で、最大レンジでの受信信号低下は画面表示からはほとんど感じられませんでした。
    (でも潜航試験は怖かった・・・・(^^;;;;;)
    elebras

  6. >4
     盲撃ちはちと解説が足りませんでした、「水中に有る物に対しては、目視・赤外線反応を検出しそれに対して照準する事は困難なので射撃のしようが無い、結果盲撃ちにならざるを得ない」と読み替えて下さい、ただ、普通は潜望鏡/シュノーケルを上げると同時にESMアンテナ等を上げてレーダーに引っかかって無いかの反応は見ますし、そもそも潜水艦が敵艦からの目視距離内で射撃が可能な時間シュノーケルや双眼鏡を上げるのは、よほどの目的があっての事か自殺行為かのどちらかです。
     そうでない場合は照準を付けられる前に引っ込んじゃいますので、ソナー反応や感知したおおよその距離から割り出す現在予想位置に盲撃ちせざるを得ません、まあ、普通水中目標に与える損害はほとんど無いので、そもそもめくら撃ちすらしないかと思いますが。
     但し、仮想戦記だか火葬戦記だか知りませんが、実際はともかく、そのお話の中では損害を与え得る事になってるんだなと思っといた方がお話が楽しめるのでは無いかと思います。
    ooi

  7. ELEBRAS様
    丁寧な解説ありがとうございます。
    しかし海鳥が20km超で見えるのですか・・驚きました
    最近の航海レーダーって高性能なんですね。

    OOI様
    丁寧な解説ありがとうございます。
    お話のなかではともかく、実際はシュノーケルにレーダー照準
    されるとESMアンテナで感知してすぐ引っ込めてしまうため、撃てない。
    電池切れ&二酸化炭素過大でやむなくシュノーケルを上げ続けていても
    潜望鏡深度の船体とか、水中の機雷には実際にはス−パーキャビテーション弾でないと加害できない。ということですね。
    潜水艦の話はともかく、スーパーキャビテーション弾があれば索を切らずとも
    射撃できるし、索のない機雷があっても処理できて非常に有効そうですね。
    いろんなことを考える人がいるものだと感心します。
    シュクバールの原理が掃海に使えるとは知りませんでした・・
    八巻


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