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先の缶燃焼方式に続いて質問させていただきます。 第一次大戦時ドイツの戦艦の機関方式をみると、 ○5個の缶で4気筒レシプロ機関を回す3軸(例:ヘルゴラント級) ○16個の缶で3つのタービンを回す3軸(例:カイザー級) など、缶と機関の数が中途半端だったり割り切れなかったりするものが多々見受けられますが、素人考えでは、缶が5個ならレシプロも5気筒、タービン3つなら缶は15、18など3の倍数などスッキリさせたほうが分かりやすいし簡単だと思うのです(後者は缶を5-6-5と振り分け中央軸の馬力を強くしたのか、とも思いますが)。 これらの艦は、発生した蒸気をどのように機関へ導いていたのか(特に複数気筒のレシプロにおいて)、また設計者がどのような理由でこういった方式を採っていたのか、自分なりに調べてみてもなかなか分かりません。 度々の質問で恐縮ですが、どうかご教授ください。 影十字 |
- ヘルゴラント級は15缶です。
缶も機械も部分負荷に応じて個々に任意に稼動/停止できるように、メインの蒸気管とは開閉弁を介して繋がっており、全速以外なら一部の缶だけ稼動させます。
缶室からの蒸気管は通常2系統以上に分けて機械室へ導かれます。一種の並列冗長で、被害の局限になります。
機械室に入った蒸気管は左右に横断する管で相互に繋がれます。もちろん要所には開閉弁が在って、缶/機械を直列にも並列にも運転できます。
(例えば一部の缶を稼動させて全部の機械を緩徐運転するトカ)
つーコトで、ある缶がある機械とのみ繋がっていると云うワケではなく、融通性の高いシステムになっています。
駄レス国務長官
- >>1. の補足
あ、あとレシプロ機械は大抵三段膨張で、蒸気を高中低圧の各気筒で順次膨張させます。膨張の終わった蒸気は復水器に入って水に戻されます。
つーコトで、缶からの蒸気は必ず高圧気筒に入ります。
ヘルゴラント級のは4気筒三段膨張で、バランシング改善のため低圧のみ2気筒に分けたモノです。
詳しくは ↓ をご覧下さい。
http://www.geocities.co.jp/MotorCity-Circuit/2971/ship_germanyA.html
駄レス国務長官
- >>1.
簡単に図解すると、まあ ↓ のようなモノか、
機械══╦══缶══缶══缶══缶══缶
║
機械══╬══缶══缶══缶══缶══缶
║
機械══╩══缶══缶══缶══缶══缶
あるいは ↓ のようなモノかと。
機械══╦═════════════缶══缶
║ 缶 缶 缶 ║ ║
機械══╬══缶 缶 缶 缶 缶
║ 缶 ║ ║ ║ ║
機械══╩══════缶══缶 缶 缶
駄レス国務長官
- >>3.
すっすみません、やり直します。
簡単に図解すると、まあ ↓ のようなモノか、
機械−+−缶−缶−缶−缶−缶
|
機械−+−缶−缶−缶−缶−缶
|
機械−+−缶−缶−缶−缶−缶
あるいは ↓ のようなモノかと。
機械−+−−−−−−−缶−缶
| 缶 缶 缶 | |
機械−+−缶 缶 缶 缶 缶
| 缶 | | | |
機械−+−−−缶−缶 缶−缶
駄レス国務長官
- >>4,後半の訂正
機械−+−−−−−−−缶−缶
| 缶 缶 缶 | |
機械−+−缶 缶 缶 缶 缶
| 缶 | | | |
機械−+−−−缶−缶 缶 缶
(図中で上下隣接の缶は蒸気管で連結)
駄レス国務長官
- #2に蛇足な補足
蒸気レシプロは、一般的な内燃機関のレシプロと少し異なりまして。
一つのシリンダーに先ず蒸気が導かれて、そこのピストンを押し下げ、その排気(蒸気)が続けて二つめのシリンダーに行きます。
これを二段膨張式と言います。末期の蒸気レシプロは一般に三段膨張式となり、蒸気は三回の膨張行程を通って復水器に導かれました。また高速回転をさせるために三段目を二気筒にした三段膨張四気筒というのが、蒸気レシプロ軍艦の最終世代で一般的に用いられていました。
これはシリンダー一段ではまだ充分に蒸気圧があるという事と、回転の滑らかさ等が理由です。高圧の蒸気は少しずつ勢いを失いながら何回もシリンダーを押し下げる事で、その潜在エネルギーを回転出力へと変換していったわけです。
SUDO
- >>6.
多段膨張とする最大の理由は、熱効率の向上(=燃費の低減)です。
駄レス国務長官
- 駄レス国務長官さま
SUDOさま
再び詳細なご返答ありがとうございました。
影十字