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5224 フランス海軍は、ジャギュアを艦載機にしようとして結局いろいろ難癖をつけてボツにし、クルセイダーを21世紀までずるずると使いつづけました。そこで疑問なのですが、ミラージュF1を艦載機にしようという試みはなかったのでしょうか。降着装置のメーカーがジャギュアと同じで、STOL性重視という性格も似ています。政治的・経済的なことがあるとすればそれは抜きにして、純粋に技術面からお尋ねしますが、ミラージュF1を艦載機にすることは可能でしょうか?

蜃気郎

  1. 本題から少しずれますが、フランスはジャギュアM導入を止めて、エタンダールIVの改良型シュペル・エタンダールを導入したのでは?
    アリエフ

  2. >純粋に技術面からお尋ねしますが、ミラージュF1を艦載機にすることは可能でしょうか?
    可能・不可能で言えば可能でしょう。ただ、どれだけのコスト効果があるかは別の話です。

    主翼拡大や降着装置取り付け部の強化など本格的な艦載化を施せば、新設計機と同じくらいのコストがかかるかも知れません。もともと安価な戦闘攻撃機として企画された F1 にそんな高額投資を行うのは如何なものでしょう。F1 のように多数の輸出が見込めるならともかく、艦載機の輸出は殆ど見込めませんし。

    着艦フック付加とカタパルト対応など最低限の改修に済ませれば機体そのものは安上がりですが、離着艦に伴う疲労進行が激しく機体寿命が異常に短くなり、頻繁な分解整備や新造機投入を行わねば機数を維持できず、トータルコストではかえって高くつくかも知れません。またシーファイヤがそうだったように、安直改造の艦載機は離着艦事故が多発する恐れもあります。

    両極端な2案の間にいろいろな妥協案があるでしょうが、そこに時期新鋭機の投入計画、現行機のアップグレード延命計画などを加味してコスト効果を検討した結果、ミラージュ系機材の艦載化計画は検討対象から外されたのではないでしょうか。
    ささき

  3.  ジャガーMは元来エタンダールIVの更新機材で、F-8E(FN)の更新予定はなかったのはさておいて、ささきさんの言われるとおりF.1の艦上機化は技術的には可能でしょう。ただ当時の主力型であるF.1CはF-8E(FN)と比べて特に大きな性能的優位が無いのは事実なので、艦載機化するメリットがあるとは余り思えません。

     現実の話をすると、ミラージュF.1の開発時期は丁度F-8E(FN)の導入時期でもあったので、艦載機としての開発検討自体がなされる可能性がありませんでした。またジャガーMの開発中止が決まった時期にはF-8E(FN)が能力的に特に問題があるとは思われていないので、具体的な更新の話が未だ出てきていません。
     その後1990年代になってもF-8E(FN)を延命したF-8Pを仏海軍が使い続けたのは、80年代初頭に海軍側がF-18Aの導入要望を出したのを政治的要因により蹴っ飛ばしたこと、冷戦の終結もあってラファール海軍型の導入が予定よりかなり遅れたのが主要因ですので、仏海軍としても別に使いたくて使っていたわけでは無いことに留意する必要はあると思います。
    大塚好古

  4. 早速、丁寧なお答えいただきありがとうございました。

    蜃気郎


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