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5199 航空戦史の本を読んでたらTa152Hの写真のテロップに「ブレード幅が広く直径の小さめのプロペラ、横に幅広くて前後に狭い主翼から一見して高高度戦闘機と分かるスタイル」とありましたが一見して分かりませんでした。空気の薄い高高度の飛行にどうして太いプロペラと横に細長い主翼が向いているのか分かりやすく説明してくれませんか?
架空戦記ファン

  1. アスペクト比については以下のURLで。
    http://www.jal.co.jp/jiten/dict/p030.html#03-03

    一般に細長い翼は空力的特性がよくなります。グライダーが良い例です。

    プロペラに関しては,プロペラは回転する翼でもありますので,音速近くになると抵抗が急激に増加してきます。
    直径の大きいプロペラをゆっくり回すか,直径の小さな翼弦の長いプロペラを早く回すかのどちらかになります。
    大直径プロペラを回すためにはトルクの太いエンジンが必要になり,そのためにエンジンカウルが太く(=胴体も太く)なってしまいます。
    したがって,トルクは薄くても馬力の強いエンジンに向いているのがご質問のプロペラ形状になるかと思います。

    以上,浅い知識でありますが。
    航空マニア

  2. 尾翼への影響を抑えながら高空での揚力を確保する方法として、翼幅の増加は最も手堅い手法でもあります。プロペラでは先端速度を音速に近づけるのが得策でないため、ブレード幅を拡げます。
    APOC

  3. >1
     大直径をゆっくり回すということと、周速は必ずしもイコールではありません(これは小直径高速でもですね)ペラの外周x回転数=ペラ先端の速度ですので、ペラ先端の速度を落とすという事と、直径は別の問題です。
     また、この時代の飛行機のエンジンはギヤで減速してプロペラ軸を回すので、エンジンのトルクの太さと、プロペラを回すのに必要なトルクは相関しません。あくまでも「馬力」で考えれば結構です。

     音速は高度に応じて低くなります(温度が下がるので)よって低空よりも高空の方が、プロペラ効率の音速への影響が大きくなります。厳密にはプロペラと大気との対気速度ですから、プロペラが同じ回転数でも、飛行機の速度が上がると対気速度は上がってしまいます。
     高高度になると空気抵抗も減りますので、推力が確保できている限りは速度は上がりますので、増大した速度によるプロペラの対気速度上昇と、低下した音速によるプロペラ効率の劇的悪化を避けるには、プロペラブレードの周速を何らかの手段で小さくしないといけないのです。
     そして、プロペラブレードの周速を落とした場合、それは単位時間当たりにプロペラブレードがかき回す空気の量が少なくなるという事を意味します。
     ペラは付け根付近はロクに仕事しませんので、小直径高速回転ペラですと、プロペラとして十分な働きをする部分が小さめになりますので、何らかの対策が必要になります。一般的には、こうした問題に対してはペラの枚数を増すかペラのブレード幅を広げることで対処します。
     よって、Ta152のプロペラは、第二次大戦機としてはあまり見受けられない、極めて高速な飛行をした場合への対処を盛り込んだ傾向があるといえます。また当時の飛行機で、そこまで極端な事をする必要があるような飛行条件(つまりは音速に近いペラの対気速度)は高高度高速飛行のような、馬力の割りに速度を出せるような条件に限定される傾向があるので(ただし、高空前提でなくても、ペラの回し方次第では、同様のプロペラを必要とします。例えば疾風のプロペラは小直径高速です)Ta152のプロペラが必要な条件は高高度高速ではないかという憶測に繋げる事は不可能とはいえなくも無いかもしれないという程度の話になるかと思われます。
     これに加えて、高アスペクト比の主翼を備えていることから(これも別に高高度飛行以外にも、有利な飛行条件は多々ありますので、必ずしも高高度飛行の機体という憶測が成立するわけではありませんが、一般的に戦闘機ではアスペクト比を小さめにする傾向があるので、こうした主翼を備えた戦闘機は一般的に高高度狙いの場合が多いです)この2点を共に必要とするような条件は高高度高速飛行であると推論する事は難しい事ではないでしょう。
     但し、既に述べたように疾風のプロペラ、飛燕の主翼といった、Ta152の特徴と一部が合致するけど高高度戦闘機ではない機体は存在しますし、高高度高速戦闘機として名高いP-38はあまりTa-152の特徴とは被りません(ワールウィンドは被りそうですが)またP-47は大直径低速ペラの高高度戦闘機で、これもTa152とはあまり被りません。よってTa152が典型的高高度戦闘機の特徴を備えた飛行機というわけではありませんので「一見してわかる」というのは、少し言いすぎというか、Ta152が高高度戦闘機であると知った上で見るならば「高高度性能への適応努力が外見からも容易に理解できる」という程度の話になると思われます。
    SUDO


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