QQCCMMVVGGTT
5191 漫画ネタで申し訳ありません。「エリア88」の作品中において
Yak−38フォージャーがホバリング中に回頭してチョコマカ動く場面がありました。ハリアーなら可能だと思うのですが
実際フォージャーはホバリング中に回頭や左右に平行移動できるのでしょうか?
しろうと

  1. Yak-38 の低速操縦システムについて余り情報が出てきませんでしたが、こんなのがありました。

    http://www.acig.org/artman/publish/printer_488.shtml

    Additional control for the low-speed and VTOL flight regimes was provided by main-engine bleed air, dispensed from reaction-control valves located above and below the wingtips, and below the nose and tailcone.

    ハリアーのものは比較的豊富に出てきます。
    http://www.harrier.org.uk/technical/How_Hovers.htm

    基本的に両機とも圧搾空気噴出ノズル(Puffer Jet)による反動制御(Reaction Control)を行っていますが、ハリアーが両翼上下・機首下面・尾部下面および左右にノズルを備え3軸すべての制御を可能にしているのに対し、上記ページの記述を信じるなら Yak-38 には回頭方向(ヨー軸)の制御が欠けているようです。

    http://www.foxbat.ru/maks/hodinka/65_yak38.jpg
    http://www.foxbat.ru/maks/hodinka/64_yak38.jpg
    http://www.foxbat.ru/maks/hodinka/66_yak38.jpg

    実機写真を見ても機首・尾部とも左右にノズルが開口しているようには見えません。

    また仮に2軸制御だけとしても、「チョコマカ」動けるかどうかは飛行制御システム(FCS)の性能に依存します。例えば左右に移動するには主翼端のスラスターを使って機体を傾けますが、高度が落ちないためには傾けと同時に推力を上げる必要があります。ハリアーの場合は1発ですが、フォージャーは尾部1発と背中2発のエンジンが同調して推力操作できなければピッチ方向の姿勢変化を招きます。ジェットエンジンの推力変化には数秒の遅延を要するうえ、スラスターの推力は主エンジン(尾部エンジン)コンプレッサーから得ているため、スラスター操作を多用すると尾部エンジンの推力減少を招き、これまたピッチ方向の姿勢変化を招きます。当時のソ連に(いや、西側にも)この複雑な制御系をこなせる FCS があったとは思えません。

    「エリア88」の逸話は「漫画だから」と大目に見てあげましょう。
    ささき

  2. ありがとうございました。やはり思っていた通りのようですね。
    フォージャーは、個人的に愛着がわいていたのでちょっと残念ですが・・・。
    Yak−141フリースタイルの低速操縦も似たような感じでしょうね。
    しろうと

  3. >2. リフトエンジン方式は推力吊り合わせの困難、どれか一基でも止まれば即墜落という点で単発ベクター式にくらべて不利ですね。ただ、ハリアーもホバリング状態で「ちょこまか」動いて戦闘を仕掛けられるようなものではないと思いますよ。多少は制御性が有利でもやはり操縦不能・墜落の危険は高いですし、またエンジンが過熱するため数分以上のホバリングは続けられないと聞いたことがあります。
    ささき

  4. >3.なるほど。そうですよね、基本的に離着陸用ですものね。
    しろうと


Back