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5185を見て疑問思ったのですが、プローブ&ドローグで設計された戦闘機を、フライングブームに改設計するのってそんなに難しいのですか? ど素人 |
- ご存じとは思いますが、フライングブーム式空中給油では、
給油される機体は給油機のブームの先端を、リセプタクルと呼ばれる受け口でくわえ込む必要があるわけです。
リセプタクルを設置するためには、機体に背中側にかなり大きな切り欠きをを設けねばなりません。
後から機体の構造を切り欠いてリセプタクルを埋め込むのは大変に困難でしょう。
設計時に空中給油を想定せず、後からフライングブーム方式のリセプタクルを設置した機体としては
ロッキードC-141輸送機が挙げられますが、下の写真の機首上面に突き出た部分がそのリセプタクルです。
http://www.globalsecurity.org/military/systems/aircraft/images/c-141-16.jpg
輸送機の大きな機体でもこんなに大きな突出となるのですから、
戦闘機の機体に後付けでリセプタクルを設置する難しさがお分かりになるでしょう。
便利少尉
- 確かファントムを米空軍が採用したときフライングブーム式空中給油に改造したような気がします。記憶違いでしょうか。当時でもできるのだから、現在はそれほど難しくないのかと思ってました。それにしてもずいぶんかさばるんですね。
質問者
- 機体に余裕があるかどうかによるかではありませんか?
上記のF-4ファントム他NAVYから空軍に採用され
フライングブーム式に改造されたのはA−7がありますね。
ちなみにNAVY機でも実戦時やトランスパック時には空軍の空中給油機が支援することがありますがフライングブーム式の先端にバスケットを
つけて対応します。但しこのバスケットは通常のNAVYの
物とは違い縁が金属の為NAVYのアビエーターには嫌がられているそうです。ブローブ&ドローイング式は機体側がコントロールする必要があるので
技能的には高度の訓練が必要のようです。
FA−18を採用しているカナダやオーストラリヤの機体はどうなんでしょうね?
ROCKS
- >確かファントムを米空軍が採用したときフライングブーム式空中給油に改造したような気がします。
プローブ&ドローグ方式の海軍機として設計され、後に空軍にも採用されたため、
後付けでフライングブーム方式のリセプタクルを組み込んだ機体には、
F-4ファントムの他にA-7コルセアIIがありますが、
C-141ほどではないにしろ、背中に突起が生じてしまっています。
http://www.globalsecurity.org/military/systems/aircraft/images/a-7d-DF-ST-91-09662.jpg
言葉が足りなかったかもしれませんが、要するにフライングブームのリセプタクルを後から取り付けるのには
機体の背中に穴を開ける必要があり、構造上たまたまそれが可能な機体もあるが、
適切な場所に穴が開けられなければ外部にリセプタクルが突出することを
忍ばねばならないと言うことになります。
これは別にフライングブーム方式固有の欠点というわけではなく、
プローブ&ドローグ方式においても、本来想定していなかった機体を空中給油可能にする場合には、
A-6とかバッカニアとかミラージュ2000とかに見られるように、
空気抵抗の増大や美学上のマイナスを我慢して露出式にプローブを取り付けざるを得ないこともあります。
便利少尉
- FA−18を採用しているカナダやオーストラリヤの機体はどうなんでしょうね?
どちらもプローブ&ドローグ方式のまま使用しています。
オーストラリア空軍のF-18
http://www.cnn.com/SPECIALS/2003/iraq/forces/coalition/deployment/australian/australian.air.force.html
カナダ空軍のCF-18
http://www.airforce.forces.gc.ca/equip/grfx/equip_gallery/historic_gallery/wallpaper/refueler.jpg
便利少尉
- ご解答ありがとうございました。C-141の写真を見てびっくりしましたが、そこまでではないにしてもある程度背中に突起が生じ空気抵抗の増大が伴うんですね。戦闘機の場合特に空気抵抗の増大は問題でしょうが、どこまで許容できるかとの、相談にもなるんでしょうね。
質問者