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5145 蝶は極めて不規則なジグザグ(上下左右に大揺れしている)で飛んでいます。そのような飛び方でも蝶は意図する方向に飛んでいると思われます。もし、飛行可能な蝶のラジコン模型があったとして、それは人間が意図する方向へ飛ばせることができるのでしょうか。
花五郎

  1.  羽ばたき式での飛行は以前「浮揚に成功」という記事を新聞で読んだ記憶がありますが、それから進歩してるのでしょうか?
     意図する方向へ飛ばせないようでは浮揚とは言えても飛行とは言えない気がします。単なる定義の問題ですが。
     蝶型で制御可能な飛行模型を作るとすればラジコンより有線で、そして制御部分は地上でないと難しいと思われます。(ペイロードが低いこと、大型化は強度・剛性から材料上の飛躍が必要なこと)
     2足歩行モデルが一昔前では実現不可能だったが今では性能を論じるレベルまで達したことを考えると、近い将来に羽ばたきモデルの完全解析、実証モデルが出てくることも期待できると思います。
    Filler

  2. 「蝶は極めて不規則なジグザグで」飛んでいるのは、蝶などの昆虫が非常に軽量小型にできており、それだけ空気の粘性による影響が大きいからでは?人間にとってはそよ風であっても昆虫にとっては強風であるわけですから。
    ですから昆虫型羽ばたき式ラジコン模型を作るとしても、そのサイズによってかなり状況は変わってくるでしょうね。
    アリエフ

  3. 米軍では前線兵士が運用できる超小型UAVの開発研究を行っていますが、プロジェクトの中には昆虫の羽ばたき原理を応用した「ハエ型ロボット(Robofly)」があるようです。現在はまだ昆虫の飛翔原理解析、超小型のバッテリーやアクチュエーターの基礎研究を行っているようですが、「近い将来」には差し渡し数センチ、重量数gの試作品を飛ばせるようになるとか。

    なお、蝶の飛翔については飛行上の必然性ではなく、むしろ捕食者を回避するため積極的に軌道をジグザグに揺らしているのではないかと思います。
    ささき

  4.  蝶に「意図」などありますか。
     それはそれとして、蝶のような人工飛行体でも無風ならコントロール可能でしょう。現実の蝶
    でも風が有ると飛行不能になるようです。
     更に現実的な例としては、落語のサイドビジネスで紙を蝶のようにして団扇でコントロールする
    芸があったような。



  5.  既レスと多少かぶりますが。
     
     チョウが揺れながら飛んでいるのは、レイノルズ数が小で、かつ前後の翅をくっつけて(事実上左右一枚ずつとして使って)いるから「そうなってしまう」面と、捕食者対策だったり、雄なら処女雌を、非処女雌なら食草を、私有とも花を、探すために視野角を増すためだったりの合目的的な面の両方があると考えられています。処女雌にピンホイントで着地できることからもわかるように、あまり揺れずに飛ぶことも可能です。

     こうした飛行方式は、おおむね0.1〜1桁グラムの飛行体で最適化されています。それ以下になるとタンポボの種やクモの子のように風任せになり、それ以上だと鳥や飛行機に近くなってゆきます。従って、チョウのように飛べるラジコンはチョウなみの大きさになります(3.のケースは4葉にするにせよ2葉+平衡棍にするにせよ、チョウよりは少し大きめ、少しレイノルズ数高め狙いです)。
     仮にそうしたラジコン機ができたとして、おおざっぱな制御は容易でしょう。しかし本物のチョウ並みのコントロールを行うためには、「チョウの感覚を人間が理解できるように変える」機構が必要になります。これは今のところ、サイズを問題にしないとしても実現の目処が立っていません。
     つまり、おおざっぱにならば可能だろうし、精密には不可能だろう、と思われます。
    はたの

  6. 「意図する方向」というのとは、ローカルな方向(蝶にとっての上下左右前後ろ)なのかグローバルな方向(東西南北)なのでしょうか。もうひとつ、瞬間的な状態を考えるときの平均時間幅を決める必要もあるとおもいます。

    いいかえると、どのレベルの制御を目的にするかによるだろうということです。ラジコンのような比較的低レベル(変位量)、少し上(速さ、方角、向き)、上レベル(中継点1、2、、、)、最上レベル(行動ないし仕事:「エリア#1を偵察」)のどの辺りをやらせるかで違ってくるということです。自律レベルと言っていいかもしれません。

    下のレベルの制御は簡単ですが始終指示を出してやる必要があります。人手もかかれば通信も絶やせません。上位レベルではその反対の長短です。大量の知識(経験知、領域の存在知、目的価値)を密接に編み上げるわけですが、一般性を抑えないと日暮れて道通しの心配もあるでしょう。

    そいうい中心ー周縁ないし上層ー下層てきパラダイムとは別に、一種の分散制御があります。「神の見えざる手」を実装するのです。これが自然のとった戦略ですが、「第二の自然」が我々想像主の目論みにあうかどうかわかりません。すべてがホロンだ荒野をロボ蝶が一羽ひらりひらり、、とうのはいただけません。
    Prolog

  7. >5. 処女雌にピンホイントで着地できることからもわかるように、あまり揺れずに飛ぶことも可能です。

    アゲハのような大型蝶を観察すると、巡航時はピンッ、ピンッと翼を大きく長間隔で振って波状軌道で飛び(エネルギー節約・外敵撹乱・視野角拡大を兼ねているのでしょう)、吸蜜・求愛時など精密な位置制御が必要なときには翼を短間隔で激しく震わせるホバリング状のモードに切り換えているようですね。
    ささき

  8. >7
    そうですね。
    固有振動数の関係で本来ははばたきの周波数の効率には厳しい制限があり、頻度でコントロールしたいところですが、そうもいっていられない場合もあるということなのでしょう。
    相対的に高翼面荷重の「ハエ型」を狙う理由のひとつかもしれません。
    ただ、(基礎研究が)少なくとも当初は翅は単純弾性体近似だったのが、翅脈の効果が次第にわかってきており、米軍系の研究者がどうするつもりなのか興味深いところです。NACA翼型みの力業をやる覚悟なのかとか。
    ハエ型で数センチだと、普通に頑張る程度だと数グラムでは収まらずイヤなレイノルズ数の領域に入ってしまいますし、数グラムに抑えるつもりなら軽量化がしんどそうですし。
    「近い将来」がいつなのか楽しみです。動物実験の倫理規定が昆虫に対しても強まっていくのとの競争もありそうですし。
    はたの


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